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Aaron Heick (as) [A (sax)]

* AARON HEICK & ROMANTIC JAZZ TRIO / EUROPE

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aaron heick(as),
jhon di martino(p), boris kozlov(b), willie martinez(ds)
2009/Venus/

1 Europe
2 Harlem Nocturne
3 Summer's Gone
4 Comin' Home ,Baby
5 Moon And Sand
6 O Que Sere
7 And I Love Her
8 Infant Eyes
9 Where Or When
10 Atar-Crossed Lovers
11 Doin' Alright

アーロン・ヘイク(as)は初見、私は初めての人を聴く時には日本制作盤に安心感があります。
なぜならプロデューサーが日本人の好みが分かっているからです。
アーロンはスタジオ・ミュージシャンとして名をはせているようでヴォーカリストとの共演が多いらしい。
バーバラ・ストライサンド、アレサ・フランクリン、ポール・サイモン、カーリー・サイモン、ドナルド・フェイゲン、
ボズ・スキャッグス、シンディ・ローパーなど、ジャズではフランク・シナトラ、マンハッタン・トランスファーなど。
インストでは特にカメルーン出身のリチャード・ボナ(b)との共演歴が長いようだ。
キャリアを見れば分かるようにアーロンの音楽性は幅広くフュージョン系ミュージシャンということになります。

さて今作ですが全11曲は自身のオリジナルが2曲とその他9曲の構成になっています。
サンタナ、ビートルズからスタンダード、デューク・エリントン~ウェイン・ショーターまでと幅広い選曲です。
実にキッチリと吹き上げていて安定感は十分ですがちょっと力が入り過ぎた感じがしました。
情感が豊か過ぎて少々くどくなった気がしています・・・もっとあっさり吹いても良かったかなと思います。

(くつろぎ系)

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Al McLean (ts) [A (sax)]

* AZAR LAWRENCE & AL McLEAN QUINTET / FRONTIERS

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azar lawrence(ts), al mclean(ts),
paul shrofel(p), adrian vedady(b), greg ritchie(ds)
2016/Celler Live/

1 Mystic Journey (A.Lawrence)
2 Lonnie's Lament (J.Coltrane)
3 Ruby My Dear (T.Monk)
4 Spilit Night (A.Lawrence)
5 Get Up (A.Mclean)
6 'Round Midnight (T.Monk)
7 Up Jump Spring (F.Hubbard)

何ヶ月か前に聴いたエイゾー・ローレンス(ts)の新譜が良かったのでさかのぼって聴いています。
今作はそんな中の一枚でカナダのアル・マクリーン(ts)との2テナーのクインテット編成です。
今時こんなストレートなテナー・バトルはほとんど聴けないと思う。
両者の真っ向勝負が気持良くて、古き良き時代を彷彿とさせるものでした。

全7曲は二人のオリジナルが3曲とその他4曲の構成です。
ジョン・コルトレーン(ts)、フレディ・ハバード(tp)が各1曲とセロニアス・モンク(p)が2曲選曲されました。
二人が師と仰ぐコルトレーンの(2)「Lonnie's Lament」は16分を超す長丁場です。
どの曲も聴きどころは十分で2テナー・バトルの名盤の一枚に上げたいと思います。
一見モノトーンの地味なジャケットなので見逃してしまいそうだけど中身は相当に熱く濃いです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)

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Azar Lawrence (ts) [A (sax)]

* AZAR LAWRENCE QUINTET / ELEMEMTALS

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azar lawrence(ts), benito gonzales(p),
jeff littleton(b), martin"smitty"smith(ds), munyungo jackson(per)
2018/HighNote/

1 La Bossa (A.Lawrence)
2 Eye Of The Needle(A.Lawrence)
3 Elememtals (A.Lawrence)
4 Brazilian Girls(B.Gonzales)
5 Solar Winds (A.Lawrence)
6 Koko (A.Lawrence)
7 African Chant (B.Gonzales)
8 Sing To The World (B.Gonzales)
9 It's Easy To Remember(R.Rodgers/L.Hart)
10 Karma Sutra (A.Lawrence)

エイゾー・ローレンス(ts)の新譜です。
ジョン・コルトレーン(ts)直系のサックス奏者は数多く存在するけどこのエイゾーもその一人です。
最近はそんなサックス奏者を聴くことが多くなりました。
アーチー・シェップ、ファラオ・サンダース、ゲイリー・バーツ、カルロス・ガーネットなど。

エイゾー・ローレンスが知られるようになったのはマッコイ・タイナー(p)との共演からだと思います。
* McCoy Tyner / Enlightenment (1973/Milestone)

ウディ・ショウ(tp)の名盤にも参加している。
* Woody Shaw / The Moontrane (1974/Muse)

マイルス・デイビス(tp)との共演盤もあるようですが記憶に残っていません。

全10曲は自身のオリジナル6曲とメンバーのベニト・ゴンザレス(p)が3曲、その他1曲の構成です。
ただ1曲のスタンダード「It's Easy To Remember」も心憎い演出だと思います。
共演のベニト・ゴンザレスはマッコイそのものなので相性は抜群です。
基本はラテン&アフリカ・サウンドですが曲想も豊かでバランスのとれた作品になっています。
リズムが強烈でマッコイ直系を感じさせるパワフルでうねくるサウンドにガツンときました。
やはりブラック系のサックス奏者は力強く求心力がある・・・エイゾー・ローレンスの才能が満開です。
今作が良かったのでさかのぼって聴いてみたいと思っています。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



* AZAR LAWRENCE & AL McLEAN QUINTET / FRONTIERS

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azar lawrence(ts), al mclean(ts),
paul shrofel(p), adrian vedady(b), greg ritchie(ds)
2016/Celler Live/

1 Mystic Journey (A.Lawrence)
2 Lonnie's Lament (J.Coltrane)
3 Ruby My Dear (T.Monk)
4 Spilit Night (A.Lawrence)
5 Get Up (A.Mclean)
6 'Round Midnight (T.Monk)
7 Up Jump Spring (F.Hubbard)

何ヶ月か前に聴いたエイゾー・ローレンス(ts)の新譜が良かったのでさかのぼって聴いています。
今作はそんな中の一枚でカナダのアル・マクリーン(ts)との2テナーのクインテット編成です。
今時こんなストレートなテナー・バトルはほとんど聴けないと思う。
両者の真っ向勝負が気持良くて、古き良き時代を彷彿とさせるものでした。

全7曲は二人のオリジナルが3曲とその他4曲の構成です。
ジョン・コルトレーン(ts)、フレディ・ハバード(tp)が各1曲とセロニアス・モンク(p)が2曲選曲されました。
二人が師と仰ぐコルトレーンの(2)「Lonnie's Lament」は16分を超す長丁場です。
どの曲も聴きどころは十分で2テナー・バトルの名盤の一枚に上げたいと思います。
一見モノトーンの地味なジャケットなので見逃してしまいそうだけど中身は相当に熱く濃いです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



* AZAR LAWRENCE QUINTET / THE SEEKER

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azar lawrence(ts), nicholas payton(tp),
benito gonzalez(p), essiet okon essiet(b), jeff "tain"watts(ds)
2014/Sunnyside/

1 Gandhi
2 Lost Tribes Of Lemuria
3 The Seeker
4 One More Time (B.Gonzalez)
5 Rain Ballad
6 Spirit Night
7 Venus Rising

昨年私はジョン・コルトレーン(ts)の後継者を聴きたいと思いました。
コルトレーン派のテナー奏者は数多く存在するけれどコルトレーンそのもののような演奏が聴きたかった。
そして選んだのがカルロス・ガーネット(ts)であり、このエイゾー・ローレンス(ts)でした。
エイゾーの今作は地味だけど名盤に上げたいです。
それこそコルトレーン・カルテットを彷彿とさせるものでした。
ベニト・ゴンザレス(p)、エシェット・エシェット(b)、ジェフ・ワッツ(ds)はそのまんまマッコイ・タイナー(p)、ジミー・ギャリソン(b)、エルヴィン・ジョーンズ(ds)です。
特にベニト・ゴンザレスのマッコイ・タイナー張りのピアノ・プレイは凄かった。
ひとつ新しい発見がありました。
ニコラス・ペイトンの突き抜けるような鋭いトランペットはコルトレーン・サウンドによく合います。
ここでのペイトンを聴いて欲しい。
ペイトンは何をやりたいのか?・・・今までいまいちピントが合わなかったけれどこれで納得しました。

全7曲は自身のオリジナル6曲とゴンザレスのオリジナルが1曲の構成です。
コルトレーンやスタンダードが1曲も入らないのも良かったです。
そう思わせるだけの曲想豊かなオリジナルと演奏に魅力がありました。
ライブ・アルバムですが観客の盛り上がりも最高潮です。
なぜならコルトレーン・サウンドをファンも良く知っていて安心感があるからだと思います。
多くのジャズ・ファンにとってコルトレーン・サウンドはジャズそのものだから。
私もコルトレーン・サウンドを聴きたい時があるのでその気持はよく分かります。
でもコルトレーン・カルテットそのものではダメなんですね。
コルトレーンもどきというか、似て非なるものが聴きたいんです。
ジャズ・ファンの勝手な欲求にはきりがない。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)


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Adam Harris (ts) [A (sax)]

*ADAM HARRIS QUINTET / LIVE AT THE JAZZ STATION

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adam harris(ts), tony glausi(tp,flh),
george colligan(p), jon lakey(b), jason palmer(ds)
2014/Adam Harris/

1 HUBCAP (T.Glaus)
2 BLUES FOR MY BROTHER (T.Glaus)
3 LONELY WANDERER (A.Harris)
4 GONZI SCHEME (A.Harris)
5 AROUND THE CIRCUIT (A.Harris)
6 GOOD OLD DAYS (A.Harris)

アダム・ハリス(ts)は初見、オレゴン州ユージーンのジャズ・クラブでのライブ盤です。
ハリスの自主制作盤。
メンバーで知られているのはジョージ・コリガン(p)のみです。
あとの4人はローカル・ミュージシャンのようで知名度は低いと思います。
全6曲(50分)は全てメンバーのオリジナルですがやや一本調子の感あり。
やはりあと1、2曲のスタンダードが欲しいところかな。

演目から探るとハリスはジェリー・バーゴンジ系、トニー・グラウシ(tp)はフレディ・ハバード系といえるか。
スムーズな展開でまったくストレスはありません。
それぞれの実力は相当なものでローカルでもアメリカの底力を感じる一枚になりました。
ベストはメンバーが一丸となった(5)「Around The Circuit」でハリス、コリガンの強烈なソロが聴けます。
全体を通してテナーとラッパのフロント2管の活きのいいハード・バップ・ジャズが聴けました。
元気溌剌として止まらない・・・ただただ気持ち良い・・・これくらい突っ走ってくれると気分爽快です。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)

Ayumi Koketsu 纐纈歩美 (as) [A (sax)]

*AYUMI KOKETSU QUARTET / DAYBREAK

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纐纈歩美(as)
納谷嘉彦(p)、俵山昌行(b)、マーク・テイラー(ds)
2011/M&I/

1 Daybreak
2 Subconscious-Lee
3 Embarcadero
4 How Deep Is The Ocean
5 ハナミズキ
6 Evidence
7 After Dark
8 I Can't Get Started
9 Out Of Nowhere
10 Ezz-Thetic
11 Oleo

先日のライブ会場で入手しました。
一聴した途端にその音色に惹かれると思います。
繊細でひ弱で危なっかしい感じがするけれど、なんだかジワ~っと心に沁みるんです。
この感覚はいったい何だろうね?
やさしくまろやかで癒し系・・・でもなんか支えてあげたい気持になりました。
そういえば最近、似たような音色を聴いたことがあったなぁ~。
「Benjamin Drazen(as) / Inner Flights」(2011/Posi-Tone)
レニー・トリスターノ(p)派の超クール・サウンドとポール・デスモンド(as)の音色のミックス・タイプか。
近年、こういう奏法が流行っているのかもしれません。

選曲もよく考えられていて面白いです。
オリジナル2曲、スタンダード3曲、ジャズ作品5曲に日本のポップスが1曲です。
ジャズ作品はリー・コニッツ(as)、ポール・デスモンド(as)、セロニアス・モンク(p)、
ジョージ・ラッセル(p,arr,com)、ソニー・ロリンズ(ts)が選ばれました。
ここで注目されるのはコニッツの(2)「SUBCONSCIOUS LEE」と
ラッセルの(10)「EZZ-THETIC」でしょうね。
とても20代前半(23歳)の女性が選ぶとは思えないのでこれだけでも勇気があります。
モンクの(6)「EVIDENCE」を含めていずれも一筋縄ではいかない難曲です。
纐纈さんの意欲とこだわりの表れか・・・若者らしく挑戦する姿勢が素晴らしい。
大ヒット曲の(5)「ハナミズキ」は特に女性に人気のある曲です。
纐纈さんもカラオケなどで歌っているんではないかな。
このしっとりとした表現力も聴きどころになりました。

バックのトリオも実に落ち着いたプレイ振りで好感が持てました。
特に納谷嘉彦(p)さんの絶妙なバッキングが光ります。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)

Atsushi Ikeda 池田篤 (as) [A (sax)]

*ATSUSHI IKEDA QUARTET with YOSHIRO OKAZAKI / HERE WE ARE

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池田篤(as,ts)、辛島文雄(p)、島田剛(b)、高橋徹(ds)
岡崎好朗(tp)
2009/Pitt Inn/

ライブ・ハウス(ライブ・レポート参照)で購入しました。
メンバーも興味深いですが内容も素晴らしいので、これはかなりいいんじゃないかと思います。
池田篤(sax)さんのニュー・カルテットに岡崎好朗(tp)さんの組み合わせです。
辛島文雄(p)さんがサイドで入っているのも珍しいですが盟友の池田さんとあっては外せませんね。
フロント2管の王道クインテットで日本の最高峰の<モダン・ジャズ>が聴けます。
「自然に身体が揺れてくる感覚」・・・いやー、これはどうしょうもなくいいですよ。

(1)「A FLOWER IS A LOVESOME THING」はピアノとのデュオで池田さんのバラード・プレイが満喫できます。
その他、全7曲はオリジナル2曲にチャーリー・ミンガス(b)2曲、モンク(p)2曲の構成がまたシブいです。
ストレートなハード・バップ・ジャズはクールでありながら熱い演奏、ライブならでは臨場感もあります。
モンクの曲は多くのプレイヤーが演奏していて聴く機会も多いですがここでミンガスが聴けるのも嬉しかった。
それにしてもミンガスの曲は改めていいなと思いました。
ミンガス自身の演奏はおどろおどろしく暗くて重いですがそのムードを踏襲しても面白くありません。
でも、こんな風にスマートに演奏されると実に個性的で新鮮な感じを受けました。
曲の良さが浮き上がってきます。
そんなわけで(3)、(4)、(5)と続く流れは最高、私的ベストは(4)「FALLS」でした。

ライブ一発録りの緊張感も感じられて、池田さん、辛島さん、岡崎さんのコンビネーションが素晴らしい。
特にアメリカから帰ってから精力的に活動している岡崎さんは今一番輝いているトランペッターだと思います。
「乗ってるなぁ~、切れてるなぁ~」という表現がピッタリで背筋がゾクゾクとしました。
安定感のある高橋徹(ds)さん、気鋭の島田剛(b)さんのグイグイと押してくるリズムセクションも好演しています。
このブループはお勧めです。
チャンスがあったら是非ライブを見に行って下さい。

--帯中よりの抜粋--
「ジャズもできるミュージシャンではなく、ジャズができるミュージシャン達による白熱のライブ!!」

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(中間系)

Atle Nymo (ts) [A (sax)]

*ATLE NYMO & FRODE NYMO QUARTET / INNER URGE

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atle nymo(ts), frode nymo(as)
roger kellaway(p), ole morten vagan(b), hakon mjaset jahansen(ds)
2004/TAURUS/

2002年のノルウェーのオスロ・ジャズ・フェスティバルにおけるニイモ兄弟のライブ盤です。
メンバーの全員が30歳以下の若手カルテットで、もちろん初見です。
若手のグループに知名度の高いベテランを組み合わせるのは主催者の常套手段ですね。
ここでもその例に漏れずゲストはロジャー・ケラウェイ(p)です。
実際、私も彼に惹かれてこのCDを購入してしまいました。
ニイモ兄弟は共にデイブ・リーブマン(sax)に師事したとあります。
ジョン・コルトレーン~リーブマンのスタイルを踏襲していて、オーソドックスなプレイヤーと言えます。
全体的には息の合った二人のコンビネーションが聴きどころです。
ケラウェイはさすがに手慣れたもので安定感は十分です。
ブランフォード・マルサリス(sax)の曲は珍しいですが時代はすでに第3~第4世代に移ってきたということでしょうか。
ベストプレイはその(4)の「CAIN & ABEL」で16分強の長丁場ですがスイング感溢れるプレイは素晴らしいです。
ここでのケラウェイのピアノにもゾクゾクっとしました。
(7)の「OLEO」や表題曲の(2)の「INNNER URGE」などのサックス奏者の曲に、より魅力を感じました。

(まじめ系)

Art Pepper (as) [A (sax)]

*ART PEPPER QUINTET / TOKYO DEBUT

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art pepper(as),
clare fischer(key), rob fisher(b), peter riso(ds), poncho sanchez(per),
cal tjader(vib)(6,7,8), bob redfield(g)(6,7,8)
1977Rec/Fantasy/

記憶に刻み込まれた熱い感動が再び蘇る。
日本のファンの熱狂を目前に、燃えに燃えたペッパーの77年伝説の初来日ライブ’
(帯中よりの抜粋)

「Cherokee」。「Here's That Rainy Day」、
「Manteca」、「Manha De Carnaval」、「Felicidade」



* ART PEPPER QUARTET / SAN FRANCISCO SAMBA

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art pepper(as),
george cables(p), michael formanek(b), eddie marshall(ds)
1977/Contemporary/

1 Blue Bossa
2 Art Meets Mr.Beautiful
3 Here's That Rainy Day
4 Samba Mom-Mom

アート・ペッパー(as)の強烈なソロ・プレイを満喫できるキーストン・コーナーズでのライブ盤です。
久々にペッパーの鋭く突き抜ける音を聴きました。
ペッパーは1925年生まれのカリフォルニア出身、1982年に56歳で亡くなりました。
ジョージ・ケイブルス(p)は1944年生まれのニューヨーク出身、現在75歳で健在です。
ケイブルスは1970年半ばから5年ほどペッパーのレギュラー・ピアニストとして共演していました。

全4曲は自身のオリジナル2曲(2,4)とその他2曲の構成でボサとサンバが入っています。
ここはペッパーの火の出るような即興演奏が聴きどころになります。
4曲は全て11分強の長丁場でケニー・ドーハムの(1)「ブルー・ボッサ」は16分を超えています。
アイデア豊富で湧き出づる如くのフレージングは驚異的でライブにおけるペッパーの神髄がここにありました。
鋭角的なペッパーに対する流麗美的なケイブルスの対比が面白いので二人が長く続いた原因かもしれません。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



*ART PEPPER QUINTET / GETTIN' TOGETHER !

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art pepper(as), conte candoli(tp),
wynton kelly(p), paul chambers(b), jimmy cobb(ds)
1960Rec/CONTEMPORARY/

「ミーツ・ザ・リズムセクション」から3年、フロントは2管だが、
マイルス・グループのリズム・セクションを借りた続編的な一作。
ペッパーのスインギーなソロが炸裂する。
(帯中よりの抜粋)

これはそのままウィントン・ケリー・トリオでもありますね。
スタンダードは「Softly As In A Morning Sunrise」



* CONTE CANDOLI & ART PEPPER / MUCHO CALOR

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conte candoli(tp), art pepper(as), bill perkins(ts),
russ freeman(p), ben tucker(b), chuck flores(ds),
jack costanza(bongos), mike pscheko(bongos)
1958/Andex/

1 Mucho Calor
2 Autumn Leaves
3 Mambo De La Pinta
4 I Remenber April
5 Vaya Hombre Vaya
6 I Love You
7 Mambo Jumbo
8 Old Devil Moon
9 Pernod
10 That Old Black Magic

コンテ・カンドリ(tp)&アート・ペッパー(as)のラテン盤です。
最近のマイ・ブームになっている50~60年代の「ラテン・リズムを聴く」の一環で選んでみました。
カンドリ、ペッパー、ビル・パーキンス(ts)のフロント3管、特にパーキンスの参加が貴重だと思います。
3人共にビックバンド畑出身でウディ・ハーマンやスタン・ケントンといった一流のビックバンドで演奏していた。
ラス・フリーマン(p)、ベン・タッカー(b)、チャック・フローレス(ds)のリズム・セクション。
ウエスト・コースト・ジャズの代表的なメンバーと言えます。
ボンゴが加わって一気にラテン色が濃くなりました。
実にスマートでオシャレな感覚、軽快で爽やかなウエスト・コーストの風に吹かれているようです。
カンドリやペッパーの演奏はそれこそクール・ジャズそのものです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)



* ART PEPPER QUARTET / MEETS THE RHYTHM SECTION

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art pepper(as),
red garland(p), paul chambers(b), philly joe jones(ds)
1957/Contemporary/

1 You'd Be So Nice To Come Home
2 Red Pepper Blues
3 Imagination
4 Waltz Me Blues
5 Staright Life
6 Jazz Me Blues
7 Tin Tin Deo
8 Star Eyes
9 Birks Works

ウエスト・コースト・ジャズだとアート・ペッパー(as)も忘れられません。
今作がペッパーを買った最初の一枚になります。
ペッパーの代表作として必ず上がってくるアルバムだと思います。
何しろバックの3人がマイルス・デイヴィス(tp)のリズム・セクションだったという話題性が大きいです。
今聴いてみてもクールで上品なウエスト・コースト・ジャズの特徴がよく出ています。
東から来たトリオは何を考えながら演奏していたのかな?、と考えると面白いけどね。
ペッパーは1925年生まれの当時32歳なのでキャリアは十分です。
レッド・ガーランド(p)とフィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)はほぼ同年代でポール・チェンバース(b)は10歳若い。
ペッパーはもちろん素晴らしいけれど当時の新感覚のフィリー・ジョーのドラミングにも注目しました。
ベストは(7)「Tin Tin Deo」でペッパーの鋭さとフィリー・ジョーの多彩なドラムが聴きどころになります。
つくづくチェンバースが33歳の若さで亡くなってしまったのは惜しいです。

ウエスト・コーストのジャズマンはスタン・ケントン楽団かウディ・ハーマン楽団出身者が多いです。
ここのメンバーがウエスト・コースト・ジャズを作ったといっても過言ではないと思います。
ペッパーも御多聞に漏れずケントン楽団出身でプロ活動は15、6歳から始めています。
当時のジャズマンは早熟が多くてほぼ17歳までにはプロデビューを果たしています。
当時は良い生活を求めて音楽の才能に溢れる若者の多くがジャズ・シーンを目指していました。
ポップスやロックがまだ萌芽期の時代・・・つまりジャズ界は天才の集まりだったということですね。

ちなみにウエスト・コースト・ジャズの二大レーベルはパシフィックジャズとコンテンポラリーです。
若い頃パシフィックジャズはすでにもう廃盤だったけどコンテンポラリーはまだ入手可能でした。
3000番台はモノラル盤で7000番台がステレオ盤ですが総じてモノラルの方が音が良かった。

なおCDには「The Man I Love」が追加収録されました。

(中間系)



*ART PEPPER QUARTET / THE ART OF PEPPER

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art pepper(as),
carl perkins(p), ben tucker(b), chuck flores(ds)
1957Rec/Omegatape/

オメガテープに残された天才アルト・サックス奏者の幻の録音。
(帯中よりの抜粋)

まさに幻の発掘盤、よほどのペッパー・ファンでなければ手を出さないと思います。
強力なタッチのカール・パーキンスのピアノが聴けるのも貴重かな。

「Too Close For Comfort」、「Begin The Beguine」、
「Summertime」、「Body And Soul」、「Without A Song」、etc



*ART PEPPER QUINTET / WITH WARNE MARSH

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art pepper(as), warne marsh(ts),
ronnie ball(p) ben tucker(b) gary frommer(ds)
1956Rec/CONTEMPORARY/

このアルバムを見た時、「アート・ペッパーにこんな作品があったの?」という感じでした。
解説を見てみるとこれがペッパーのコンテンポラリーにおける初リーダー・セッションだそうです。
なぜか発売されたのは16年後の1972年、それもオムニバス形式の4曲だけだったとのこと。
全セッションが網羅された形で発売されたのは90年代になってからというので納得しました。
どうりで聴いたことがないはずです、なんでこういうことになるのか、不可解なことも多いですね。
トリスターノ派のワーン・マーシュ(ts)にロニー・ボール(p)が共演、
ペッパーとの絡み合いは刺激的で聴き応えがありました。
3曲の別テイクを含む構成、50年代の絶好調のペッパーが聴けます。

「All The Things You Are」、「What's New」、「Stonping At The Savoy」

(中間系)



*ART PEPPER QUARTET & QUINTET / SURF RIDE

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art pepper(as), russ freeman(p), bob whitlock(b), bobby white(ds)
hampton hawes(p), joe mondragon(b), larry bunker(ds)
jack montrose(ts), claude williamson(p), monte budwig(b)
1952-1953Rec/Savoy/

印象に残るジャケットと共に知られたアート・ペッパーの人気盤です。
3セットの演奏が聴けるお徳用盤です。
特に当時の西海岸で活躍した3人のピアニストが聴けます。
ラス・フリーマン、ハンプトン・ホーズ、クロード・ウィリアムソン。

「The Way You Look Tonight」

Arthur Blythe (as) [A (sax)]

*ARTHUR BLYTHE QUARTET / EXHALE

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arthur blythe(as)
john hicks(p), bob stewart(tub), cecil brooks Ⅲ(ds)
2003/SAVANT/

アーサー・ブライス(as)の新譜なら買わないわけにはいきません。
全盛期の凄みはありませんがテューバ入りの独特のサウンドは健在です。
昔のゴリゴリ迫るジャズも好きだったですよ。
ブライスの強烈なブルース・フィーリングはなんとも言えませんね。
ジャズ・スタンダード・ナンバーの演奏にその特徴がよく現れています。
(2)で聴かせるバラード・プレイも印象に残りました。
ジョン・ヒックスが少し大人しい感じかな、もうちょっと暴れてくれても良かったかもしれません。

(中間系)

「Cousin Mary」、「Come Sunday」、「Night Train」、「Equinox」、
[All Blues」、「Straighten Up And Fly Right」



*ARTHUR BLYTHE QUARTET / BLYTHE BYTE

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arthur blythe(as)
john hicks(p), dwayne dolphin(b), cecil brooks Ⅲ(ds)
2001/SAVANT/

1 Hardly
2 Besame Mucho
3 Blue Monk
4 Light Blue
5 And One
6 My Little Brown Book
7 Naima
8 Ruby My Dear
9 Blythe Byte
10 What A Friend We Have In Jesus

元ゴリゴリ・アルト・サックス奏者、アーサー・ブライスの変身スタンダード作品集です。
全10曲、うち4曲がジョン・ヒックス(p)とのデュオになっています。
彼が尊敬するセロニアス・モンクの曲も3曲入っています。
最近の軟弱なジャズとは一線を画す素晴らしさです。
この緊張感のある表現力はどうでしょう。
「ベサメ・ムーチョ」なんかは涙ちょちょ切れものですよ。
彼としては比較的聴き易いですからみなさんにもじっくりと聴いて欲しいアルバムですね。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)



*ARTHUR BLYTHE QUARTET / LIVE AT THE VANGUARD

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arthur blythe(as)
john hicks(p), cecil mcbee(b), bobby battle(ds)
1994/Enja/

アーサー・ブライス・カルテットの入魂のライブ盤。
全7曲は全て自身のオリジナルで平均10分の長丁場です。



* SAM RIVERS, ARTHUR BLYTHE, NATHAN DAVIS, CHICO FREEMAN / ROOTS
SALUTES THE SAXOPHONE

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sam rivers(ts), nathan davis(ts,ss), arthur blythe(as), chico freeman(ts,ss),
don pullen(p), santi debriano(b), tommy campbell(ds)
1992/In Out/

1 Cottontail-For Ben Webster
2 Parker's Mood-For Charlie Parker
3 Impressions-For John Coltrane
4 You Don't Know What Love Is-For Eric Dolphy
5 The Panther-For Dexter Gordon
6 Body And Soul-For Coleman Hawkins
7 St,Thomas-For Sonny Rollins
8 Red Top-For Gene Ammons
9 Lester Leaps In -For Lester Young

今作の魅力はメンバーの豪華さにあります。
サックスは年齢順にサム・リヴァース(ts)、ネイザン・ディヴィス(ss)、アーサー・ブライス(as)、チコ・フリーマン(ts)です。
バックはドン・プーレン(p)、サンティ・デブリアーノ(b)、トミー・キャンベル(ds)のトリオです。
サム・リヴァースは88歳、ネイザン・ディヴィスは81歳、アーサー・ブライスは76歳ですでに亡くなっています。
チコ・フリーマン(ts)は最も若く70歳で健在です。
この4人のサックス奏者は伝統に根ざしながらもフリージャズ~ロフト・ジャズ傾向の強いミュージシャン達です。
リヴァースはマイルス・ディヴィスからフリー・ジャズの雄、ディヴィスはエリック・ドルフィ(as)との共演歴が長い、
ブライスは70年代にロフト・ジャズ・シーンで活躍、チコはシカゴ・ジャズの大御所ヴォン・フリーマンの息子です。
当然ながらこの4人のサックス奏者の中心にいるのはサム・リヴァースに他なりません。
共演のドン・プーレンも鍵盤を転がす独特のスタイルとタッチを持つユニークなピアニストで好きした。
残念ながら1995年に53歳の若さで亡くなっています。

全9曲、今作はまた1曲1曲の稀代のサックス奏者の名演に敬意を表しています。
(1)はベン・ウェブスター(ts)、(2)はチャーリー・パーカー(as)、(3)はジョン・コルトレーン(ts)、(4)はエリック・ドルフィ(as)、(5)はデクスター・ゴードン(ts)、(6)はコールマン・ホーキンス(ts)、(7)はソニー・ロリンズ(ts)、(8)ジーン・アモンズ(as)、(9)レスター・ヤング(ts)に捧げる形になっています。
この人選も絶妙で、なるほどこの人達が後のサックス奏者に与えた影響が一番大きいのかと思いました。

このメンバーなら悪かろうはずもなくどれも素晴らしい演奏が詰まっていました。
中でも私的ベストは(4)「You Don't Know What Love Is」になります。
ここでのネイザン・ディヴィスのソプラノ・サックスのバラード・プレイに痺れてしまいました。
彼に関してはエリック・ドルフィとの共演盤を聴いたことがあるだけでほとんど知らなかった。
こんなに凄いプレイヤーだったのかと認識を新たにしました。
(2)「Parker's Mood」のアーサー・ブライスやドン・プーレンのソロもまた心に残る名演です。
(3)「Impressions」ではチコ・フリーマンの強烈なソプラノ・サックス・ソロが聴けました。
(5)「The Panther」のサム・リヴァースの朗々と歌うテナー・サックスのソロなど聴きどころが満載です。
1991年ドイツ/レバークーゼン”フォーラム”での実況録音ですが司会はチコが務めていました。
1990年代の貴重盤の一枚に上げておきます。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



*ARTHUR BLYTHE / PLAYS THELONIOUS MONK

arthur blythe(as),
abdul wadud(cello), bob stewart(tuba), bobby battle(ds), kelvyn bell(g)
1983/Columbia/

ブラック・ジャズ・サックスの権化、ブライスのモンクス・ソング集。
このゴリゴリとしたスイング感こそ、ジャズのサムシング・エルスだ。
アーサー・ブライス・カルテットの入魂のライブ盤。
全7曲は全て自身のオリジナルで平均10分の長丁場です。
(帯中よりの抜粋)

ボブ・スチュワートのチューバが抜群の効果を上げています。

「We See」、「Light Blue」、「Off Minor」、「Epistrophy」、
「Coming On The Hudson」、「Nutty」

Arnett Cobb (ts) [A (sax)]

*ARNETT COBB AND EDDIE "LOCKJAW" DAVIS / BLOW ARNETT,BLOW

sonet21.jpg

arnett cobb(ts), eddie "lockjaw" davis(ts),
strethen davis(org), george duvivier(b), arthur edgehill(ds)
1959Rec/Prestige/

アーネット・コブとエディ・ロックジョー・デイヴィスによるテナー・バトルです。
一時期この対決編というのが流行りました。
豪快かつ強烈なテナー合戦が聴けます。

「When I Grow Too Old To Dream」

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