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Albert Heath (ds) [A (drums)]

*ALBERT HEATH TRIO / PHILADELPHIA BEAT

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albert "tootie" heath(ds), ethan iverson(p), ben street(ds)
2015/Sunnyside/

1 BAG'S GROOVE (M.Jackson)
2 REETS AND I (B.Harris)
3 I WILL SURVIVE (F.Perren)
4 CONCORDE (J.Lewis))
5 MEMORIES OF YOU (E.Blake)
6 CON ALMA (D.Gillespie)
7 WACHET AUF (Bach)
8 BYE-YA (T.Monk)
9 EVERYTHING MUST CHANGE (B.Ighner)
10 SPEAK LOW (K.Weill)
11 PENTATONIC ETUDE (Y.Lateef)
12 BAKAI (C.Massey)

アルバート・ヒース(ds)は1935年5月生まれ、ペンシルベニア州フィラデルフィア出身、今年で80歳になります。
ジャズ界で有名なパーシー・ヒース(b)、ジミー・ヒース(ts)のヒース3兄弟の末弟です。
次兄のジミーとは10歳の年の差があります。
並び称されるのがハンク・ジョーンズ(p)、サド・ジョーンズ(tp)、エルヴィン・ジョーンズ(ds)のジョーンズ3兄弟。

アル・ヒースは50年代にJJ・ジョンソンのグループや「ジャズテット」に参加して一躍脚光を浴びることになりました。
その後現在まで第一線で活躍する稀有なドラマーの一人です。
何年か前にジミー・ヒースとのヒース・ブラザーズのライブを見に行った時に握手してもらったのを思い出しました。

今作はジャケットの鋭い目に惹かれました。
「BAD PLUS」で知られる先進のイーザン・イヴァーソン(p)に売れっ子ベーシスト、ベン・ストリートとのトリオ盤。
1曲目の「Bag's Groove」を聴いただけでぐっと引き込まれてしまいました。
ジャズの原点にあるブルース・フィーリングに溢れています。
こういう粘っこさはいかにもアメリカ的でヨーロッパのピアノ・トリオとは一線を画します。
演目はモダン・ジャズのスタンダードですが多彩なリズムで飽きさせません。
(4)「Concorde」や(9)「Everything Must Change」の雰囲気は最高です。

イヴァーソンのモンク的アプローチとストリートの安定感十分のベース・プレイも見事です。
このトリオは2年前にもアルバムを出しているようでそれも聴いてみたくなりました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)

Art Blakey (ds) [A (drums)]

*ART BLAKEY AND THE JAZZ MESSENGERS / STRAIGHT AHEAD

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wynton marsalis(tp), bill pierce(ts), bobby watson(as),
james williams(p), charles fambrough(b), art blakey(ds)
1981Rec/Concord/

1 Falling In Love With Love
2 My Romance
3 Webb City
4 How Deep Is The Ocean
5 E.T.A
6 The Theme

長い間低迷していたアメリカのジャズ・シーンを覚醒させた衝撃的な一枚です。
天才トランぺッターのウィントン・マルサリス(tp)の登場です。
ウィントンがジャズ・メッセンジャーズに参加したのは弱冠18歳でした。
初めて聴いた時のことを今でもよく覚えています。
凄いのが出てきたぞ~!!・・・ジャズの復活が成るかもしれない・・・と思いました。
これを聴いて胸が熱くならない往年のジャズ・ファンはいないと思います。
それだけアメリカのジャズがひどい状態だったから・・・。

ジャズ・メッセンジャーズには生きのいい若手が良く似合います。
ウィントンとボビー・ワトソン(as)の新鮮で瑞々しい演奏に圧倒されました。
中々に衝撃なデビューというのには出会わないけれどジャズが低迷していた時だからこそかもしれませんね。
スコット・ハミルトン(ts)、ミシェル・ペトルチアーニ(p)、ゴンザロ・ルバルカバ(p)にもそんな感じがしました。

メンバーだったウィントン、ワトソン、ジェイムス・ウィリアムス(p)のその後の活躍は知られています。
チャールス・ファンブロー(b)の名前も時々見かけました。
地味なのはビル・ピアース(ts)で90年代にトニー・ウィリアムス(ds)のグループ入りしましたが目立っていません。
リーダー作もほとんどなくて勿体ないですね。

メンバーの写真のジャケットもあるけれどオリジナルはこちらです。
なお、この後アート・ブレイキーの晩年を飾ったのはテレンス・ブランチャード(tp)とドナルド・ハリソン(as)でした。

(中間系)



*ART BLAKEY AND THE JAZZ MESSENGERS / ROOTS AND HERB

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lee mogan(tp), wayne shoter(ts),
bobby timmons(p), walter davis(p)(2,4), jymie merritt(b), art blakey(ds)
1961Rec/Blue Note/

1961年録音も発売は68年になったアルバム。
人気絶頂期にもかかわらずお蔵入りになっていたのは不可解です。
ジャズ・メッセンジャーズの絶好調の演奏が聴けます。
演目は全てウエイン・ショーターの手になるもので才能に溢れています。



*ART BLAKEY AND THE JAZZ MESSENGERS / THE FREEDOM RIDER

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lee mogan(tp), wayne shoter(ts),
bobby timmons(p), jymie merritt(b), art blakey(ds)
1961Rec/Blue Note/

1961年録音でジャズ・メッセンジャーズの最盛期をとらえた作品。
表題曲の「The Freedom Rider」は7分強のドラム・ソロです。



* ART BLAKEY & THE JAZZ MESSENGERS / MOANIN'

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lee morgan(tp), benny golson(ts),
bobby timmons(p), jymie merritt(b), art blakey(ds)
1958/Blue Note/

Side A
1 Moanin'
2 Are You Real
3 Slong Came Betty
Side B
1 The Drum Thunder Suite
2 Blues March
3 Come Rain Or Come Shine

今作は「アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ」と冠したブルー・ノートでの最初のアルバムです。
1年半ほど続いたホレス・シルバー(p)とのジャズ・メッセンジャーズは56年にシルバー独立と共に終わります。
シルバーがメンバー全員を引き抜いたのでブレイキーには「ジャズ・メッセンジャーズ」の名前だけが残りました。
「コノヤロー!!」と思ったかもしれないけど両雄並び立たずはこの世の常です。
その後しばらくは、メンバーに恵まれずに低迷しますが、今作が出た58年に第一期黄金時代がやってきます。
ベニー・ゴルソン(ts)を音楽監督に迎えて、抜群の人気を誇るリー・モーガン(tp)とボビー・ティモンズ(p)が入団しました。
表題曲の「Moanin'」はティモンズの作品、「Blues March」はゴルソンの作曲で共に大人気の曲になりました。
ファンキー・ジャズの大ヒット、日本での一大モダン・ジャズ・ブームを巻き起こしたのがまさしくこのアルバムです。
この頃ダンモ(ミュージシャンの隠語でモダン・ジャズを指す)、日本ではモダン・ジャズが一般的に聴かれていました。
特に若者に人気があった日活のアクション映画ではバック・ミュージックに必ずと言っていいほどジャズが流れていた。
故石原裕次郎氏がジャズ・ドラマーを演じた「嵐を呼ぶ男」はそんなモダン・ジャズが最先端だった時に作られた映画です。

ジャズ・メッセンジャーズの第二期黄金時代はウエイン・ショーター(ts)を音楽監督に迎えた61年にやってきます。
当時の新進気鋭なショーター、フレディー・ハバード(tp)、カーティス・フラー(tb)による 3管編成コンボで人気を博しました。
その後フリー・ジャズとフュージョンのブームで長い間低迷しますが80年代に入り不死鳥の如く復活します。
当時の気鋭の若手ミュージシャン、ウィントン・マルサリス(tp)、ブランフォード・マルサリス(ts)兄弟をはじめとして、テレンス・ブランチャード(tp)、ドナルド・ハリソン(as)、マルグリュー・ミラー(p)等の起用で、これが第三期黄金時代です。

ジャズ・メッセンジャーズの歴史もモダン・ジャズの歴史そのもので、山あり谷あり、在籍したメンバーは数多いです。
特に若手ミュージシャンの登竜門として重要な位置を占めていて、ここに在団したかどうかがステイタスになっている。
アート・ブレイキーのドラマーとしての実力もさることながら、コンポーザーとしての手腕も記憶に残さねばならない。
「ジャズ・メッセンジャーズ」は永遠に不滅です。

(中間系)



*ART BLAKEY QUINTET / A NIGHT AT BIRDLAND VOL 2

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clifford brown(tp), lou donaldson(as),
horace silver(p), curly russell(b), art blakey(ds)
1954Rec/Blue Note/

第2集にも2曲の追加収録があります。



*ART BLAKEY QUINTET / A NIGHT AT BIRDLAND VOL 1

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clifford brown(tp), lou donaldson(as),
horace silver(p), curly russell(b), art blakey(ds)
1954Rec/Blue Note/

モダン・ジャズ史上最も重要なアルバムです。
高らかにハード・バップの夜明けを告げた文句なしの名盤です。
ホントに熱い演奏でいつ聴いても心が躍ります。

2曲の追加収録があります。

Ari Hoenig (ds) [A (drums)]

*ARI HOENIG TRIO & QUARTET / BERT'S PLAYGROUND

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ari hoenig(ds), jonathan kreisberg(g), matt penman(b),
criss potter(ts)(1,4,9), will vinson(as)(3,7),
gilad hekselman(g)(2,10), orlando lefleming(b)(2,6,8.,10)
2008/DREYFUS/

アリ・ホーニグ(ds)を最初に注目したのはお気に入りのピアニストのケニー・ワーナー・トリオでした。
ずいぶんと刺激的なドラムを叩くなぁーというのが最初の印象です。
その後、自己のトリオや、ジャン・ミシェル・ピルク(p)・トリオ、リチャード・ボナ(b)のアルバムでも聴きました。
最先端の感覚を持つドラマーの一人として注目しています。
自身のオリジナルが5曲とモンク、コルトレーン、ショーター各1とスタンダードが2曲の好バランスの構成です。
トリオとカルテットが半々なのもよく考えられています。
聴きどころはやはりクリス・ポッター(ts)が参加の「1、4、9」だと思います。
ジョナサン・クライスバーグ(g)、マット・ペンマン(b)、ホーニグのリズム・セクションとの絡みが魅力的です。
スリルと刺激に富んだコンテンポラリーなサウンドが聴けます。
アルト・サックスのウィル・ヴィンソンは初見ですがサウンド的にピッタリとマッチしていて好演しています。
ただ、ドラム・ソロで演奏される(5)「'ROUND MIDNIGHT」はまったく分からなかった。

共演のクライスバーグとペンマンの二人は2006年の来日公演で見ています。
その時の印象はこうでした。
『クライスバーグはパット・メセニー級のテクニシャンでなめらかなギター、超高速フレーズには目を見張るばかりです。
ペンマンはすごく大きな手をしていて、まるでメロディー楽器のように軽々とベースを駆使し、
今までこのようなタイプのベーシストは見たことがありません。
今が旬の最先端のジャズが聴ける好盤でお薦めの一枚です。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)



*ARI HOENIG QUARTET / THE PAINTER

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ari hoenig(ds)
jean-michel pilc(p), matt penman(b), jacques schwarz-bart(ts)
2004/SMALLS RECORDS/

1 I Mean You
2 The Painter
3 For Tracy
4 Condemnation
5 Remembering
6 Birdless
7 Pilc-ing Around
8 Summertime

アリ・ホーニッヒ(ds)を最初に聴いたのは私の好きなケニー・ワーナー(p)・トリオのライブ盤でした。
ずいぶんと刺激的なリズムを繰り出すドラマーだと思いました。
その後ジャン-ミシェル・ピルク(P)・トリオの一員として登場した時、その凄さを再認識した次第です。
変化の激しい複合リズムをいとも簡単そうにやってのけます。
大きな将来性を感じさせる天才肌のドラマーだと思います。
メンバーはこれまた刺激的なジャン-ミシェル・ピルク(P)と売り出し中のベーシストのマット・ペンマン。
このトリオにjacques schwarz- bart(ts)が2-7に加わっています。
全8曲中、オリジナルが6曲でカルテットの演奏、残り2曲がトリオ編成です。
ドラマーを中心とした新感覚のジャズが聴けます。
テナーのシュワルツ・バートも好演、(4)の「Condemnation」がベスト・トラックか。
4者一体のインタープレイが強烈です。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)

Antonio Sanchez (ds) [A (drums)]

*ANTONIO SANCHEZ QUARTET / LIVE IN NEW YORK
At Jazz Standard

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antonio sanchez(ds), scott colley(b), miguel zenon(as), david sanchez(ts)
2010/CAM JAZZ/

CD1:
1 Greedy Silence (A.Sanchez)
2 H And H (P.Metheny)
3 Ballade (A.Sanchez)
4 Revelation (M.Zenon)

CD2:
1 It Will Be Better (A.Sanchez)
2 Did You Get It (A.Sanchez)
3 The Forgotten Ones (D.Sanchez)
4 Challenge Within (A.Sanchez)

アントニオ・サンチェス(ds)のライブ盤2枚組です。
ミゲール・ゼノン(as)とデヴィッド・サンチェス(ts)のフロント2管。
ピアノレス・カルテットの演奏。
パット・メセニー(g)の1曲を除いては全てメンバーのオリジナルです。
1枚4曲の長丁場で17分を超える演奏が4曲も入っています。
ゼノンとサンチェスの火花を散らすサックス・バトルが聴きどころ。
白熱のライブ盤で現在進行形のラテン・ジャズの最高峰の演奏が聴けます。



*ANTONIO SANCHEZ / MIGRATION

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antonio sanchez(ds)
chris potter(ts,ss), david sanchez(ts), scott colley(b)
chick corea(p)(1,8), pat metheny(g)(3,9)
2007/CAM JAZZ/

1 One For Antonio
2 Did You Get It ?
3 Arena
4 Challenge Within
5 Ballade
6 Greedy Silence
7 Inner Urge
8 The Hummingbird
9 Solar

注目のドラマー、アントニオ・サンチェスの初リーダー・アルバムです。
今までにも何度か聴く機会があったのですがこれほどのドラマーとは気が付きませんでした。
これは幅広い音楽性で色々なところに出没していたのが災いしたと思っています。
それほどこのアルバムでのアントニオ・サンチェスは素晴らしいです。
1974年生まれの現在33歳なのでこれからの活躍が本当に楽しみです。
パット・メセニー・グループに参加してから知られるようになりました。
パット・メセニーが絶賛していてチック・コリアにもその実力を認められることになりました。
早速、チック・コリア・トリオの一員としてこの9月には来日公演が予定されています。
いずれにしてもドラムだけを聴いていても面白い作品なんてそうあるものではありません。
作曲能力も非凡、彼の持つ多彩な表現力と幅広く奥深い音楽性のたまものでしょう。
スコット・コーリー(b)にもスポット・ライトが当てられているのは好感が持てます。
この二人のコンビは先日の「Manuel Rocheman Trio / Dance Cactus」でも聴くことができます。
クリス・ポッターとデヴィッド・サンチェスの2テナーも聴きもので(2)(4)(6)(7)の4曲で聴けます。
特にラテン・ジャズ・シーンで活躍中のデヴィッド・サンチェスの純ジャズ路線も興味深いところです。
輸入盤ではメセニーが(3)(9)の2曲、チックが(1)の1曲だけ、日本盤にはボーナス・トラックとしてチックの(8)が追加されています。
チック参加のトリオの出来が良いので私は日本盤がお得だと思います。
最後に入っているメセニーとのデュオ、「Solar」も凄い。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)

Andrea Marcelli (ds) [A (drums)]

*ANDREA MARCELLI TRIO / SUNDANCE

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andrea marcelli(ds), thomas clausen(p), davide petrocca(p)
2008/55 Records/

先週に引き続いて乗れるピアノ・トリオが2枚続きました。
リーダーはイタリア人ドラマーのアンドレア・マルチェリです。
このアンドレアとトーマス・クラウセン(p)はライブで見たばかりで今作もそこで入手しました。
ヨーロッパといっても南に位置するイタリア盤は明るい感じでやはり土地柄が出ますね。
イタリアとデンマークのコラボレーションは興味深いものがありました。
アンドレアは相手なりに合わせてくる安定したドラミングの好センスのドラマーです。
そんなバックに支えられてトーマスは伸び伸びと演奏していると思います。
先日見たライブでも感じましたがトーマスのタッチが強くてこれが個性になっています。
叙情的&静謐なプレイを感じさせるとはいえ一般的な北欧系ピアニストとは一線を画します。
若い頃にジャッキー・マクリーンやデクスター・ゴードンいった強力なサックス奏者との共演の影響かもしれません。
大人しく弾いていたらまったく目立たなくなりますから・・・おのずとタッチも強くなるでしょう。

オリジナルを含め選曲構成はよく考えられていると思います。
ライブでも美しい(1)「A HOUSE IS NOT A HOME」や(11)「CARO MIO BEN」は沁みました。
ビル・エバンスの(2)「WALTZ FOR DEBBY」は外せないところ・・・極めつけの素晴らしさです。
スタンダードはもちろんのこと、私はこのトリオの特徴を表すオリジナルの3曲が気に入りました。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(中間系)

Alex Riel (ds) [A (drums)]

*ALEX RIEL QUARTET / FULL HOUSE

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alex riel(ds),
george robert(as), dado moroni(p), jesper lungaard(b),
2012/Storyville/

1 Just Friends
2 Bodsy And Soul
3 Impressions
4 Chiming In
5 Like someone In Love
6 Old Folks
7 Sandu

アレックス・リール・カルテット・・・去年のベスト3にも選ばれたアルバムです。
アレックス・リールの70歳記念ライブ盤というべきものです。
アレックスはデンマーク出身ですがヨーロッパを代表するドラマーの一人です。
一般的に知られるようになったのはデクスター・ゴードン(ts)やケニー・ドリュー(p)との共演盤からだったと思います。
イェスパー・ルンゴー(b)とのコンビは定評のあるところで多くの名盤を生み出しています。

この二人に近年の活躍が目覚しいイタリアの名ピアニストのダド・モロニとスイスの名アルト奏者のジョージ・ロバートの組み合わせです。
ジョージ・ロバートは久し振り、2000年頃にはケニー・バロンとの共演盤で大いに話題になりました。
ジョージ・ロバートはまたフィル・ウッズの愛弟子として知られていますね。

ここは選曲も魅力です。
よく知られたスタンダード・ナンバーが中心で見れば聴きたくなるジャズ・ファンも多いと思います。
内容は推して知るべしで安定感十分の見事な演奏を聴かせてくれました。
特筆すべきはジョージ・ロバートの力技・・・全体を通じて強烈なアタックに注目しました。
(3)「IMPRESSIONS」におけるダド・モロニのマッコイ・タイナー張りのピアノ・プレイも聴きどころ。
ベテラン勢がその底力を発揮した作品と言えるでしょうね。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



ALEX RIEL QUARTET / LIVE AT STARS

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alex riel(ds),
charlie mariano(as), jakob karlzon(p), jesper lundgaard(b),
2008/Cowbell Music/

ここでの興味はチャーリー・マリアーノ(as)とヤコブ・カールゾン(p)にありました。
マリアーノはなんと録音時は83歳ですよ。
とても信じられないほどの溌剌としたプレイを展開しています。
微妙に音をずらすところに独特の表現力を感じました。
加齢と共に益々尖がって刺激的、挑戦的になったきたのではないかと思います。
80を過ぎてからの精力的な活動には凄いとしか言いようがありません。
マリアーノは20歳でデビュー、27歳で初リーダー・アルバムを吹き込んでいます。
以来、65年間の長きに渡り第一線で活躍していることになります。
アルト奏者ではリー・コニッツ(81歳)、フィル・ウッズ(77歳)、フランク・モーガン(75歳)と続いています。
コニッツより年上だったとはちょっと驚きました。

アレックス・リール(ds)とイェスパー・ルンゴー(b)はヨーロッパを代表するリズム・セクションです。
加えてヤコブ・カールゾンがまた素晴らしいです。
このピアノ・トリオの魅力は(3)「ALL THE THINGS YOU ARE」で十分に堪能することができました。
選曲はお馴染みのスタンダードばかりですが甘さは控え目、極上のジャズ・アルバムに仕上がっています。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



*ALEX RIEL TRIO/ WHAT HAPPENED ?

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alex riel(ds), heine hansen(p), jesper lundgaard(b)
2005/COWBELL MUSIC/

1 Yesterdays
2 Nature Boy
3 100 m Spurt
4 Without
5 I'm Getting Sentimental Over You
6 Ac-Cent-Tchu-Ate The Positive
7 Giant Steps
8 Dreaming Steaming
9 3rd Dimension
10 Idaho

アレックス・リール(ds)の新譜です。
ジャケットの写真は可愛いですね、きっとアレックスのお気に入りの写真なんでしょうね。
先日、1970年代のデクスター・ゴードン・カルテットのライブ盤を聴きましたが、
若かれし頃のアレックスはエネルギッシュでパワフルな太鼓を叩いていました。
ケニー・ドリュー(p)、ニールス-ヘニング・オルステッド・ペデルセン(b)のお馴染みのリズム・セクション、
荒削りながらけれん味がなくデックスに思い切りぶつかっていく姿には魅力がありました。
さて、この作品ですが、アレックスとイェスパー・ルンゴー(b)のコンビは定評のあるところで、
今までにも幾多の名トリオ盤を送り出しています。
二人の選んだピアニストには外れがあるわけがありません。
今回のヘイネ・ハンセン(p)もその例に漏れず見事に期待に応えています。
刺激的というには少々物足りませんが、ピアノトリオの好盤という評価は順当なところだと思います。
このアルバムには11曲目にギター・トリオが隠れていますがこのギター奏者は一体誰なんでしょうか。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



*ALEX RIEL TRIO / CELEBRATION

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kenny werner(p), jesper lundgaard(b), alex riel(ds)
2000/STUNT/

なんとも、ジャケットがほのぼのとして印象に残りますね。
アレックス・リール(ds)、ケニー・ワーナー(p)、ジェスパー・ランドガード(b)のライブ盤です。
一癖あるベテラン揃いですからスタンダード集でありながら単純でないところが魅力なんです。
「枯葉」はいいですよ。誰が目立つというわけでもなくて三味一体のピアノ・トリオが聴けます。
噛めば噛むほど味が出るアルバムだと思います。

「In Your Own Sweet Way」、「Bye Bye Blackbird」、「Autumn Leaves」、
「Peace」、「A Child Is Born」、「You And The Night And The Music」

(中間系)



*ALEX RIEL SEXTET / RIELATIN'

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alex riel(ds), kenny werner(p), chris minh doky(b)
jerry bergonzi(sax), michael brecker(sax), mike stern(g)
2000/STUNT RECORDS/

アレックス・リールの新作です、私はケニー・ワーナーの参加に興味がありました。
ここでの最大の聴き物は2曲目、「BESSIES BLUES」の11分超の熱演だと思います。
サックス、ギター、ピアノと続くソロは圧巻、クリスとアレックスの強力なリズムも素晴らしいです。
マイケルは相変わらずの自由自在ですが、マイク・スターンがとてもいい味を出していると感じましたね。
というわけで、私はマイク・スターン入りの3曲が気に入りました。

「Bessie's Blues」、「Dexterity」、「I Fall In Love Easily」

(まじめ系



*ALEX RIEL SEXTET / UNRIEL

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alex riel(ds), niels lan doky(p), eddie gomez(b)
jerry bergonzi(sax), michael brecker(sax), mike stern(g)
1997/STUNT RECORDS/

垂涎もののメンバーで凄いです。
プロデュースはニールス・ラン・ドーキー(p)のニューヨーク録音。
全9曲中、ジェリー・バーゴンジ(ts)が5曲を提供しています。
スタンダードはコルトレーンの「Moment's Notice」だけ。

Aldo Romano (ds) [A (drums)]

*ALDO ROMANO QUARTET / INNER SMILE

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aldo romano(ds),
enrico rava(tp), baptiste trotignon(p), thomas bramerie(b)
2011/Dreyfus/

1 Positano
2 More
3 Kind Of Autumn
4 Anny's Lullaby
5 Il Piacere
6 Old Devil Moon
7 Inner Smile
8 My Funny Valentine
9 Where Is Aldo ?
10 E Si Sogna
11 I'm Getting Sentimental Over You

アルド・ロマノ(ds)の新作・・・年輪を重ねたジャズ・マンの顔ジャケに惹かれました。
裏側を見るとエンリコ・ラヴァ(tp)、バティスト・トロティニョン(p)、トーマス・ブラメリー(b)の名前。
曲名には4曲のスタンダードが含まれていました。
これはもう悪かろうはずがないと即買いを決めました。
以前なら買ったらすぐ聴くのが当たり前でしたが今ではしばらく放って置いても平気になった。
それで今作が今年の初聴きになりました。

アルド・ロマノはフランス、エンリコ・ラヴァはイタリアで共に70歳を超える大ベテランの大御所です。
二人共にフリー、前衛の洗礼を受けた猛者で硬派のジャズメンといえます。
年齢的にもそろそろ聴いておかないといけないと思った。
それにフランスのもう中堅どころと言っていいバティスト・トロティニョンとトーマス・ブラメリーの組み合わせです。
さてどういうことになるのか、興味津々でした。

まずはスタンダードの4曲から・・・。
(2)「MORE」は美しく、(11)「I'M GETTING SENTIMENTAL OVER YOU」は軽快な展開です。
(5)「OLD DEVIL MOON」はピアノレスのトリオで演奏されますが3者の絡みが刺激的です。
(8)「MY FUNNY VALENTINE」は8分強の一番の長丁場ですが原曲のイメージはほとんどなし。
ここいらへんが一筋縄ではいかないロマノ&ラヴァの真骨頂だと思います。
オリジナルは平均3~4分でいずれも小品、フリー・フォームに片足を突っ込んでいる感じかな。
特にこれといった特徴もないので時間的にもちょうど良かったです。
面白かったのはメンバー全員がクレジットされている(3)「KIND OF AUTUMN」でのフリー・インプロビゼーション。
全体的にラヴァのラッパのコントロールが素晴らしい、温かくまろやかで繊細、さすがという他はありません。 (9)「WHERE IS ALDO ?」はバティスト・トロティニョンのピアノ・ソロで興味を惹かれました。
実はトロティニョンのリーダー作はまだ持ってないんです。
デビュー時の触れ込みはたしかミシェル・ペトルチアーニ2世とか言われていたような・・・。
試聴した時に「どこがペト2なんだぁ~・・・」と思ってもうそれっきりになっています。
あれからほぼ10年、変わるのが当たり前ですね・・・今ならまぁ許せるか。
トロティニョンのピアノには持って生まれた優しさや柔らかさがあるように思います。
今後フリーへの道を歩んでもこれが個性になるんじゃないかな。

今年も絶好調のスタートです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



*ALDO ROMANO QUINTET / THE JAZZPAR PRIZE

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aldo romano(ds,vo), stefano di battista(as,ss), mark turner(ts)
henrik gunde(p,elp), jesper bodilsen(b), susi hyldgaard(vo)(5,6,8,9)
2004/ENJA/

1 Fernando
2 Song For Elis
3 Link
4 Inner Smile
5 Follow
6 It Never Entered My Mind
7 Il Cammino
8 Gush
9 Estate

1990年から行われているデンマークの「THE JAZZPAR PRIZE]の2004年のウィナーはアルド・ロマーノでした。
ウィナーによる記念コンサート・ライブ盤には良い作品が多いですが、これも例外ではありません。
ロマーノはイタリア出身のベテラン・ドラマーでフュージョンからフリー・ジャズまでこなす幅広い音楽性の持ち主です。
ここのメンバーも強力で魅力的ですね。
フロントにはイタリア・アルト界の期待の星のステファノ・ディ・バティスタと新感覚ジャズの旗手のマーク・ターナーを配し、
リズム・セクションにはデンマークの若手、ヘンリク・グンデとイェスパー・ボディルセンという組み合わせです。
注目のマーク・ターナーは近年活躍の場をアメリカからヨーロッパに主軸を移したようです。
オリジナルが6曲にその他3曲の構成で、スタンダードが2曲含まれています。
全体的には重厚な仕上がりでじっくりと聴かせますが、ボーカルを4曲入れたのはどうでしょうか。
目先が変わっていいと思うか、やや中途半端になったと思うか、ここはリスナーの好みが出るところです。
私は(1)~(4)、(8)のロマーノのオリジナルがこのグループの真髄だと思いました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)



*ALDO ROMANO QUARTET / CANZONI

sonet88.jpg

aldo romano(ds),
franco d'andrea(p), paolo fresu(tp), furio di castri(b)
1997/Enja/

アルド・ロマーノ(ds)にフランコ・ダンドリア(p)の組み合わせ。
カンツォーネ作品集です。
あんまり馴染みがないけれど歌ものなのでメロディがキレイです。
抒情感溢れるパオロ・フレスのトランペットが心に沁みます。

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