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Chris Byars (ts) [C (sax)]

* CHRIS BYARS SEXTET / A HUNDRED YEARS FROM TODAY

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chris byars(ts), john mosca(tb), zaid nasser(as),
stefano doglioni(bcl), ari roland(b), phil stewart(ds)
2019/SteepleChase/

1 Intention
2 A Hundred Years From Today (V.Young)
3 San Juan Hill
4 Money Can't Buy
5 All The Things Are Redd
6 Lovelace
7 Elevated Tracks
8 Flight
9 Incognito
10 Mountain Top

クリス・バイアーズ(ts)は初見、バス・クラリネット入りのピアノレス・セクステットです。
この組み合わせの面白さに惹かれて手が伸びました。
初めて聴いた時にショックを受けてしまいました。
郷愁を誘う中々にユニークなサウンドが飛び出してきたからです。

重厚なアンサンブルで洗練されたハーモニーを聴かせてくれました。
温故知新・・・現在では珍しいスタイルですが原点はニューオリンズ・ジャズにあります。
以前だいぶ前になるけど、80年代のウィントン・マルサリス(tp)の新伝承派の流れを汲んでいます。
この作品が気に入ったのでさかのぼって同系統のアルバムを2枚聴いてみました。
1枚は8人編成の「フレディ・レッド作品集」でもう1枚は6人編成の「デューク・ジョーダン作品集」です。
特にフレディ・レッドは地味なピアニストですがその作曲能力には秀でたものがあります。
そんなフレディに陽を当てたことからもクリス・バイアーズの非凡さがうかがえました。

全10曲は1曲を除いて自身のオリジナルで占められています。
やはりオリジナル中心の今作の方が前述の2作に比べて数段完成度は高かったです。
やりたいことをやりたいようにやる・・・自身の創作意欲が十分に発揮されたのではないかと思います。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



* CHRIS BYARS SEXTET / THE MUSIC OF DUKE JORDAN

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chris byars(as), stefano doglioni(bcl), john mosca(tb),
pasquale grasso(g), ari roland(b), stefan schatz(ds),
yaala ballin(vo)(4,7), janita byars(cl)(10), mine sadrazam(p)(10)
2014/SteepleChase/

1 Jordanish
2 Undecided Lady
3 There's A Star For You
4 If I Did - Would You ?
5 The Bullet (Shinkansen)
6 Gabrielle's Wish
7 Lesson In Love
8 Paula
9 Glad I Met Pat
10 Sultry Eve
11 Table Chess

先週、このクリス・バイアーズ(sax)を聴いて良かったのでさかのぼって聴いています。
こちらはセクステットによるデューク・ジョーダン(p)作品集です。
バス・クラリネットとトロンボーンの低音楽器2本の組み合わせが珍しいと思います。
バッキングの底辺には重低音が響き、それにアルト・サックスの音が絡まる。
ここでも新鮮で面白いサウンドが聴けました。
めったに聴けないフレディ・レッドやデューク・ジョーダンの曲に陽を当てる。
凝った選曲やアレンジの妙を感じることが出来ます。
クリス・バイアーズには非凡なセンスがあります。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



* CHRIS BYARS OCTET / MUSIC FOREVER

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chris byars(ts), scott wendholt(tp), john mosca(tb),
zaid nasser(as), mark lopeman(bs),
sacha perry(p), ari roland(b), stefan schatz(ds)
2012/SteepleChase/

1 Somewhere / Music Forever
2 Minor Interlude.
3 Time To Smile
4 Just A Ballad For My Baby
5 Emily Reno
6 Old Spice
7 The Thespian

先週、このクリス・バイアーズ(sax)を聴いて良かったのでさかのぼって聴いています。
今作はオクテット(8重奏団)編成のフレディ・レッド(p)作品集です。
フレディ・レッドも久々に聴く名前だけど現在もまだ健在らしいです。
フレディはピアニスト、作曲家としても知られていてジャッキー・マクリーン(as)とのコンビが有名かな。
美しいハーモニーには定評があって(3)「Time To Smile」を聴いた途端に記憶がよみがえってきました。
5管によるアンサンブルと分厚いハーモニーが聴きどころになる作品です。
私はとても新鮮な感じがしました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)

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Carlos Garnett (ts) [C (sax)]

* CARLOS GARNETT QUINTET & OCTET / MOON SHADOW

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carlos garnett(ts),
carlton holmes(p), george mitchell(b), shingo okudaira(ds), neil clarke(per),
al flythe(ts)(2,4,5,7), derick gardner(tp)(2,3,4,5,7,8), robert trowers(tb)(2,4,5,7,8)
2001/Savant/

1 Moon Shadow.
2 Giant Steps
3 Delilah
4 Manha De Carnaval
5 McCoy Next Block
6 The Shadow of Your Smile
7 My Favorite Things
8 Salsa Blues
9 Softly As In A Morning Sunrise

カルロス・ガーネット(ts)の2001年作品です。
これがあまりに良くてガツンときてしまいました。
カルロス・ガーネットは後期マイルス・デイヴィス・グループに在団したテナー奏者です。
典型的なコルトレーン奏法だけど音色が柔らかいので聴き易いです。
そしてここには十代で頭角を現し日本の天才ドラマーと言われた奥平真吾さんが参加しています
奥平さんのドラミングにも注目です。

このところはずっとサックスやトランペットのワン・ホーン・アルバムを聴くことが多かったです。
だから2管、3管のジャズが新鮮に感じました。
クインテットやセクステットの2管、3管コンボの魅力は何でしょうか?
私にとっては演奏、曲目、アレンジが大事でアンサンブルやハーモニーのコンビネーションも良くないといけません。
そして今作はそれが全て良かったので私の琴線に触れました。
特に曲目には聴きたいと思わせる魅力的な名曲が並んでいて全部が聴きどころになりました。
(7)「My Favorite Things」はコルトレーンそのもので微笑ましい限りです。
聴くまではそれほど期待してなかったので、なおさらガツンときてしまいました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



* CARLOS GARNETT QUINTET / UNDER NUBIAN SKIES

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carlos garnett(sax), russell gunn(tp)(except 3,9)
carlton holmes(p), brad jones(b), shingo okudaira(ds),
1999/HighNote/

1 Dancing Daffodils
2 Blues For John C.
3 My One And Only Love
4 Happy Children Song
5 What
6 Under Nubian Skies
7 Epitapher Zackerism
8 Mango Walk
9 Down & Up Again

今作はカルロス・ガーネット(ts)の紹介の最後になります。
フロント2管の相手はラッセル・ガン(tp)です。
ラッセル・ガンは中々に飛んでるトランぺッターで一筋縄ではいきません。
2000年頃には気鋭のトランぺッターとして注目していました。
ルーツはフレディ・ハバード(tp)やブッカー・リトル(tp)辺りになると思う。
↓の2枚は良く出来たアルバムなので機会があれば是非聴いてみて下さい。

* RUSSELL GUNN SEXTET / BLUE ON THE D.L (2002/HighNote)
* RUSSELL GUNN QUINTET / SMOKINGUNN (2000/HighNote)

ガーネットの作品では最もストレート・アヘッドな仕上がりになっています。
上記のラッセル・ガンもまだ20代なので若々しさに溢れています。
この時期のガーネットの諸作はレギュラー・カルテットが素晴らしいのでどれもいいです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



* CARLOS GARNETT QUARTET / FUEGO EN MI ALMA (Fire In My Soul)

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carlos garnett(sax),
carlton holmes(p), brad jones(b), shingo okudaira(ds),
neil clarke(per)(1,4)
1997/HighNote/

1 Fuego En Mi Alma (Fire In My Soul)
2 Catch Me If You Can
3 Eternal Justice
4 Little Sunflower
5 U R D I 4 Me
6 Love Thy Meighbor
7 Mystic Moon
8 Shalome

今作は昨年カルロス・ガーネット(ts)を聴いた中で一番のお気に入りでした。
ガーネットのワン・ホーン・アルバムは貴重です。
副題に「Fire In My Soul」とあるように火の出るような演奏が聴けました。
ガーネットはパナマ出身なのでカリプソやラテンのリズムを根っこに持っています。
ここではそんなアフロ・キューバンな魅力が詰まっていました。

全8曲はフレディ・ハバード(tp)の名曲(4)「Little Sunflower」を除いて自身のオリジナルです。
ガーネットは一時期ハバードとも一緒に演奏していました。
ガーネットの情熱的でエネルギッシュなサックス、カールトン・ホルムズの瑞々しく美しいピアノの対比が素晴らしい。
奥平真吾さんの多弁で多彩な疾走感のあるドラミングが感動的でもあります。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



* CARLOS GARNETT QUARTET / RESURGENCE

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carlos garnett(sax), carlton holmes(p),
steve neil(b)(1,2,3,4,5,) brad jones(b)(3,4,6,7,8),
taru alexander(ds)(1,5,7,8), shingo okudaira(ds)(2,3,4,6),
neil clarke(per)(2,3,4,6)
1996/Muse/

1 Resurgence
2 Maiden Voyage
3 Panamoon part1
4 Panamoon part2
5 Song In My Head
6 Yahrushalom
7 Soul Eyes
8 Dawid

私はあるプレイヤーが気になると集中して聴きたくなる傾向にあります。
昨年再評価したカルロス・ガーネット(ts)がそうでした。
今作は96年録音のMuse盤です。
日本の天才ドラマーと言われた奥平慎吾(ds)さんが参加しています。
ガーネットがコルトレーン奏法やコルトレーン・サウンドを踏襲しているのはすぐに分かります。
でも音がやわらかいので聴いていて余り疲れないです。
共演メンバーではクリアで瑞々しいピアノを聴かせるカールトン・ホルムズに注目しました。

全8曲は自身のオリジナル6曲とその他2曲の構成です。
ガーネットは作曲能力にも優れていて曲想豊かで飽きさせません。
その他の2曲はハービー・ハンコック(p)の(2)とマル・ウォルドロンの(7)が選曲されました。
共にテーマが印象的でモダン・ジャズの名曲として知られています。
ガーネット流に料理されたこの2曲も良かったです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



* CARLOS GARNETT / BLACK LOVE

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carlos garnett(ts,as,ss,vo), charles sullivan(tp), mauricio smith(fl),
allan gumbs(p), reggie lucas(g), buster williams(b)(2,6), alex blake(b)(1,4,5),
norman conners(ds), billy hart(ds)(2), mtume(per), dee dee bridgewater(vo), etc
1974Rec/Muse/

1 Black Love
2 Ebonesque
3 Banks Of The Nile
4 Mother Of The Future
5 Taurus Woman
6 Banks Of The Nile (Alternate Take)
7 Taurus Woman (Alternate Take)

カルロス・ガーネット(sax)の代表作と目されているアルバムです。
カルロス・ガーネットは後期マイルス・デイヴィス・グループに在団したテナー奏者です。
典型的なコルトレーン奏法だけど音色が柔らかいので聴き易いです。
昨年私はガーネットを再評価してけっこう聴いていました。

全5曲は全てガーネット自身のオリジナルです。
録音当時30代半ばで脂が乗りきっていました。
チャールス・サリヴァン(tp)、アラン・ガムス(p)、アレックス・ブレイク(b)、ノーマン・コナーズ(ds)、エムトゥーメ(per)、ディー・ディー・ブリッジウォーター(vo)などの才人達の共演も嬉しい。
ファンク・ビートに乗ったソウル&ファンキーなブラック・ジャズの一枚に仕上がっています。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)

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Claudio Fasoli(ts) [C (sax)]

* CLAUDIO FASOLI DOUBLE QUARTET / INNER SOUNDS

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claudio fasoli(ts,ss), michael gassman(tp,flh), michele cagaro(g), michelangelo decorato(p),
andrea lamacchia(b), lorenzo calgaro(b), gianni bertoncini(ds), marco zanoli(ds)
2016/Abeat Records/

1 Prime
2 Terce
3 Sext
4 Nones
5 Vespers
6 Compline
7 Lauds

イタリアのベテラン・サックス奏者のクラウディオ・ファゾーリの作品です。
一癖あるのでどうかなと思いつつダブル・カルテットの題名にどんなものかと手が伸びました。
全7曲は全て自身のオリジナルです。
結果はよく分かりませんでした。

どうやらピアノ・トリオとギター・トリオを並べて表現力の可能性を高めようと試みたらしいです。
いかにも先進性のファゾーリらしいですが明らかに消化不良になったと思います。
多分それぞれが自分の役割を十分に理解していなかったんではないかな。
分かっていたのはリーダーのファゾーリだけだったような気がします。
現状では明らかに企画倒れだったかもしれません。

普通に考えてもピアノとギターや2ベースの役割分担とすみわけはむずかしいですね。
というわけで今回機能したのは2ドラムスだけになりました。
浮揚感のあるちょっとつかみどころがないサウンドになっています。
実験的要素が多い作品です。

(まじめ系)

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Cory Weeds (as) [C (sax)]

* CHAMPIAN FULTON & CORY WEEDS / DREAM A LITTLE...

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champian fulton(p,vo), cory weeds(as)
2019/Cellar Live/

1 Dream A Little Dream Of Me... (W.Schwandt/G.Kahn)
2 Fly Me To The Moon (B.Howard)
3 Lullaby For Art (C.Fulton)
4 Darn That Dream (J.Van Heusen/E.Delange)
5 Pennies From Heaven (S.Johnston/J.burke)
6 Once I Had A Secret Love (S.Fain/P.Webster)
7 I Thought About You (J.Van Heusen/J.Mercer)
8 Tangerine (V.Schertzinger)
9 I'd Give A Dollar For A Dime (A.Razaf/E.Blake)
10 Save Your Love For Me (B.Johnson)

先週、シャンピアン・フルトン(p,vo)の作品をもっと聴いてみたいと言いました。
入手困難なアルバムが多くて驚いたけどそれだけ人気があるということでしょうか。
今作は最新の録音で34歳の時、先週は27歳時の録音でした。
フルトンはキャリアを積み重ねて少しずつ自己の個性を確立しつつありました。
同時にこれは自身の表現方法の構築で原曲を自在に崩すことに繋がります。
底辺に流れるR&B感覚・・・ある種の粘っこさが出てきているのがどうか?
聴く人に崩し方の好みが出るのもこの頃だと思います。
全10曲は自作の1曲を除いてスタンダード作品集です。
デュオの相手のコリー・ウィーズ(as)は「Cellar Live」のオーナーですね。
ジャッキー・マクリーン派のアルト・サックス奏者で鋭角で尖がった音色が特徴です。
じっくりと落ち着いて聴いていられるストレートなジャズ・ライブ盤ではありました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



*CORY WEEDS QUARTET / CONDITION BLUE
The Music Of Jackie McLean

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cory weeds(as),
mike ledonne(org), peter bernstein(g), joe farnsworth(ds)
2015/Cellar Live/

1 CONDITION BLUE (J.McLean)
2 SLUMBER (L.Morgan)
3 CAPUCHIN SWING (J.McLean)
4 MY OLD FLAME (S.Coslow)
5 'SNUFF (J.McLean)
6 MARILYN'S DILEMMA (B.Higgins)
7 DAS DAT (J.McLean)
8 JACKNIFE (C.Tolliver)
9 BLUESANOVA (L.Morgan)
10 BLUES IN A JIFF (S.Clark)

コリー・ウィーズ(as)は所見、バックのオルガン・トリオとジャッキー・マクリーンの名前に惹かれました。
マイク・ルドン(org)、ピーター・バーンステイン(g)、ジョー・ファーンズワーズ(ds)がメンバーです。

全10曲中スタンダードは1曲だけであとはジャズ・メンのオリジナルが並んでいます。
マクリーンが4曲、リー・モーガン2曲、ビリー・ヒギンス1曲、チャールス・トリバー1曲、ソニー・クラーク1曲です。
まぁ~ね、そのままブルーノートの濃い香りがします。
「私と同じ時期に同じようなジャズを聴いていたんだ」と思ってついニヤリとしてしまいました。

内容にはウィーズの熱き想いが詰まっていました。
1960年前後を彷彿とさせるパワフルでエネルギッシュな演奏が聴けます。
鋭角に尖がったようなアルト・サックスの音色がたまりません。
オルガン・トリオ独特のファンキーな味わいもあります。
全体を包む”揺れ具合”が今作の最大の魅力だと思います。
私的ベストはソニー・クラークの(10)「Blues In The Jiff」です。
4ビートに乗ったブルージーな演奏がなんともカッコ良くて痺れました。

ちなみにこのコリー・ウィーズさんは「Cellar Live」のレーベル・オーナーとのことです。
今作は記念すべき100作目になりました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)

Courtney Pine (sax) [C (sax)]

*COURTNEY PINE / BACK IN THE DAY

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courtney pine(sax,etc)
beverley knight(vo), lynden david hall(vo), byron wallin(tp)
dennis rollins(tb), cameron pierre(g), robert mitchell(ep), etc
2000/BLUE THUMB REC/

コートニー・パインの新作です。ジャズ・ファン以外の音楽ファンの評価も高いようです。
あらゆる音楽を含有してしまうジャズの懐の深さを感じさせるアルバムです。
彼自身が言っているように無国籍的な「ミックスしたジャズ」が体験出来ます。
「ジャズは時代と共に変化し続けるべきでいつまでもビバップではないだろう」とは彼の意見。
保守的なイギリス・ジャズ界では中々出してくれなかったという話も興味深いです。

(中間系)

Clifford Jordan (ts) [C (sax)]

* CLIFFORD JORDAN QUARTET / THE HIGHEST MOUNTAIN

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clifford jordan(ts,fl),
cedar walton(p), sam jones(b), billy higgins(ds)
1975REc/SteepleChase/

1 Bearcat.
2 Seven minds
3 Impressions Of Scandinavia
4 Scorpio*
5 Firm Roots*
6 The Mouse On Maple Street
7 Miss Morgan
8 The Highest Mountain

クリフォード・ジョーダン(ts)は1931年生まれ、1993年61歳で亡くなっています。
ジョーダンは何といってもブルーノート1500番台の3枚が光ります。
でも地味な性格なのか、押し出しもきかないのでスターダムには乗れなかった。
今作は1970年代ジャズ名盤の一枚だと思います。
やや大人しめの感があるジョーダンの代表作にもなりました。
特にバックのシダー・ウォルトン・トリオが素晴らしくて、これほどのリズムセクションは中々聴けません。
ウォルトン絶好調、サム・ジョーンズ絶好調、ビリー・ヒギンズ絶好調なんです。

全8曲は自身のオリジナル3曲、サム・ジョーンズ3曲、シダー・ウォルトン2曲の構成です。
なお(4)、(5)の2曲はCD化により追加されました。
特に(5)「Firm Roots」はウォルトンのバップの名曲なのでこれが聴けたのは嬉しかった。
LPではなぜボツにされたのか、その理由がよく分かりませんが・・・。
これが入ると実質的なリーダーがウォルトンだと思われてしまうからかも。
それほどにシダー・ウォルトンの切れ味が強烈です。
簡単にいえばウォルトン・トリオに触発されてジョーダンが頑張っている作品です。
ジョーダンのフルートは(7)「Miss Morgan」で聴けました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



*CLIFFORD JORDAN / SOUL FOUNTAIN

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clifford jordan(ts), jimmy owens(tp), julian priester(tb),
frank owens(p,org), john patton(org), ben tucker(b),
bob cranshow(b), bobby darham(ds), billy higgins(ds).
joe wohreitz(per), etc
1966Rec/Vortex/

ジャズ再発廉価版シリーズの1枚です。
クリフォード・ジョーダンも地味なテナー・サックス奏者ですね。
1950年代のブルー・ノート盤があまりに有名でその後の消息はほとんど知られていないと思います。
これは生粋のハード・バッパーのクリフォード・ジョーダンが挑んだソウル・ジャズ盤です。
この頃、アメリカのジャズの行き詰まりを感じてヨーロッパに渡ったり、
また売れ筋の一つであるソウル・ジャズやフュージョンをやるジャズ・メンも多かったです。
背に腹はかえられませんね。

ここで2曲を提供しているベン・タッカー(b)は、かの有名な「Comin' Home Baby」の作者です。
つまり黒幕はこの人で(1)「T.N.T」、(3)「H.N.I.C」では典型的なリフ・サウンドが聴けます。
ジェームス・ブラウンの(4)「I GOT YOU」やホレス・シルバーの(6)「SENOR BLUES」も
聴けますが安易な企画のそしりはまぬがれません。

(くつろぎ系)

Claude Tissendier (as) [C (sax)]

*CLAUDE TISSENDIER QUINTET / ALTOLOGY

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claude tissendier(as), didier desbois(as)
philippe dervieux(p), patrice soler(b), sylvain clevarec(ds)
2005/DJAZ RECORDS/

フランスのエスプリが効いた粋でオシャレな典型的なビパップ・バンドでとても楽しいです。
表題曲の「HAPPY BLUES」がズバリとそれを言い表しています。
フロントにアルトが2本というのも興味深いですがそれぞれの曲に誰々に捧げるとの副題が付いています。
(2)はジョニー・ホッジス、(3)ベニー・カーター、(4)アール・ボスティック、(5)ルイス・ジョーダン、
(6)ウィリー・スミス、(7)チャーリー・パーカー、(8)キャノンボール・アダレイ、(9)アート・ペッパー、
(10)フィル・ウッズ、(11)ポール・デスモンド、(12)ソニー・スティットという具合です。
有名曲がズラリと並び、堅苦しく考えずに楽しくジャズを聴ければ良いという方には最適のアルバムです。

「I'm Beginning To See The Light」、「Harlem Nocturne」、「Blues In The Night」、
「Scrapple From The Apple」、「Work Song」、「Chega De Saudade」、「Take Five」、etc

(くつろぎ系)

Christina Nielsen (ts) [C (sax)]

*CHRISTINA NIELSEN QUINTET / FROM THIS TIME FORWARD

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christina nielson(ts,ss), jesper riis(tp,fhn),
jacob christoffersen(p,org,keyb), kaspar vadsholt(b), michael finding(ds)
1995/STUNT/

デンマークの女性サックス奏者。
ハード・バップからコンテンポラリーまでの多彩な演奏を披露しています。

Christian Herluf Pedersen (ts) [C (sax)]

*CHRISTIAN HERLUF PEDERSEN QUARTET / ALLIANCE

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christian herluf pedersen(ts),
fredrik hermansson(p), kristian lind(b), bjorn sima(ds)
2009/Stockholm Jazz Records/

スウェーデンのクリスチャン・ハーラフ・ペダーセン(ts)は初見。
CDショップでの評判が良さそうなので購入してみました。
8曲は自身のオリジナルでプロデュースも本人、自主制作盤に近いんじゃないか思います。
曲想がやや平面的なので演奏内容もそれにつれて一本調子の感があります。
やはり2、3曲のスタンダードを入れて欲しかったです。
(5)「SULEIMAN」ではジョン・コルトレーンの影響を感じさせるそのままのプレイが聴けます。
4ビートでグイグイと疾走する(7)「YOU WISH」が心地良かった。
フレデリク・ハーマンソンの瑞々しいピアノに注目、ビョーン・シマのドラムスも目立つ一枚です。
メンバーの今後の成長を期待して先取りしておきたいと思います。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(まじめ系)

Chris Potter (ts) [C (sax)]

*CHRIS POTTER QUARTET / LIFT

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chris potter(ts)
kevin hays(p,fenr), scott colley(b), bill stewart(ds)
2004/UNIVERSAL/

1 7.5
2 What You Wish
3 Stella By Starlight
4 Lift
5 Okinawa
6 Boogie Stop Shuffle Sax Intro
7 Boogie Stop Shuffle

たまには骨っぽいジャズも聴きたいということで選んだのがこれです。
クリス・ポッター(ts)のヴィレッジ・ヴァンガードでのライブ盤です。
90年代の前半、モンク・コンペのテナー部門において、1位ジョシュア・レッドマン、2位エリック・アレキサンダー、3位がこのクリス・ポッターで三人三様に大活躍しているのでこの年のレベルは凄かったですね。
ポッターはちょっとねじれていますが単純でない分、聴けば聴くほど味が出てくると思います。
全7曲中、10分超の演奏が4曲、エキサイティングで白熱したライブが繰り広げられています。
ケヴィン・ヘイズ(p)、スコット・コーリー(b)、ビル・ステュアート(ds)の3人も好バランスで素晴らしいです。
ビル・ステュアートのドラミングは出色、ケヴィン・ヘイズのフェンダー・ローズも効果的で良いピアノが聴けます。
ヘイズについては今までは正直物足りなかったのですが私はこれで見直しました。
ポッターはコルトレーンとロリンズのミックス・タイプでやや難解ですが硬派のジャズ・ファンにはお薦めします。

2004年度ベスト3の一枚です。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)



*CHRIS POTTER / TRAVELING MERCIES

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chris potter(sax,bcl,fl), kevin hays(p,fend,cla), scott colley(b)
bill stewart(ds), john scofield(g)(1,4,7), adam rogers(g)(3,8)
2002/VERVE/

クリス・ポッターも注目のテナー・サックス奏者ですが中々一筋縄ではいけません。
全10曲、全てオリジナルで勝負してきました。
今回はジョン・スコフィールド(g)等をゲストに迎えてコンテンポラリーなサウンドに挑戦しています。
今までがちょっととっつきにくい感じでしたので音楽の幅が広がって良かったと思います。
1991年のモンク・コンペでは1位がジョシュア・レッドマン、2位がエリック・アレキサンダー、
3位がこのクリス・ポッターですからその年のレベルの高さがうかがえますね。

(中間系)



*CHRIS POTTER / THIS WILL BE

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chris potter(fl,ss,ts,bcl)
kevin hays(p), scott colley(b), billy drummond(ds)
kasper tranberg(cor), peter fuglsang(fl,bcl), jacob fischer(g)
2001/STORYVILLE/

現在、最も熱いサックス・プレイヤーの一人でしょうね、 注目のクリス・ポッターの新作です。
デンマークの音楽賞と書いてありましたがジャズパー・コンテスト2000の受賞記念ライブ盤です。
カルテットとセプテットによる2パートに分かれています。
カルテットの3曲は文句なしに素晴らしい出来だと思いました。
セプテットによる組曲は好みによるでしょうが私にはちょっとシンドかったです。
ジックリと聴くタイプの人にはお薦め出来ます。

「In A Sentimental Mood」

(まじめ系)



*CHRIS POTTER QUARTET / GRATITUDE

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cris potter(sax)
kevin hays(p), scott colley(b), brian blade(ds)
2001/VERVE/

クリス・ポッターのヴァ-ヴ移籍の第一弾です。
私は以前から彼には注目していましてアルバムも結構持っているんですよ。
アメリカ~ヨーロッパと幅広く活躍しています。・・・最近はゲスト出演も多いですね。
いずれはフリーへの道を歩むのではと思っていましたがギリギリ踏み止まったようです。
今作品は色々なサックス奏者へのトリビュート・アルバムです。
ジョン・コルトレーン、ジョー・ヘンダーソン、ソニー・ロリンズ、エディー・ハリス、
ウェイン・ショーター、マイケル・ブレッカー、ジョー・ロバーノ、レスター・ヤング、
コールマン・ホーキンス、チャーリー・パーカー、オーネット・コールマンが取り上げられています。
全14曲はオリジナル11曲にその他3曲の構成です。

「Body And Soul」、「Star Eyes」、「What's New」

(まじめ系)



*CHRIS POTTER QUARTET / VERTIGO

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cris potter(ts,ss,bcl),
kurt rosenwinkel(g), scott colley(b), billy drummond(ds)
joe lovano(ts)
1998/Concord Records/

↓と同じギター・トリオがバックでも今回はカート・ローゼンウィンケルです。
最先端のコンテンポラリーな演奏が聴けました。
浮揚感のある揺れるようなローゼンウィンケルのギター・プレイにも注目です。
ブラッド・メルドーに続き、ローゼンウィンケルとの共演で先進のテナー奏者として認知されたと思う。
なお、ジョー・ロバーノが3曲にゲスト出演しています。
全9曲は全て自身のオリジナルです。



*CHRIS POTTER QUARTET / UNSPOKEN

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cris potter(ts,ss),
john scofield(g), dave holland(b), jack dejohnette(ds)
1997/Concord Records/

今度はギター・トリオをバックに新味を出してきました。
それもジョン・スコフィールド(g)、デイブ・ホランド(b)、ジャック・ディジョネット(ds)の強力・トリオ。
ギターがバックだとメンバーの割りに一味軽くなるのが面白かったです。
全体的にディジョネットの押し出しが凄くて、ノリノリ、各人の切れ味鋭いソロが聴けました。
全9曲は全てポッターのオリジナルです。



*CHRIS POTTER QUARTET / MOVING IN

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cris potter(ts,ss,bcl),
bad mehldau(p), larry grenadier(b), billy hart(ds)
1996/Concord Records/

バックはブラッド・メルドー・トリオでここまで来ると時代を担うテナー奏者の勢いを感じます。
力強く個性的で変幻自在なソロにもその存在感を増してきました。
つい聴き入ってしまう何かがある。
全10曲はオリジナル9曲、その他1曲の構成です。
各所で光を放つメルドーとラリー・グレナディア(b)のソロにも注目しました。
ポッターの代表作の一枚です。

「A Kiss To Build A Dream On」



*CHRIS POTTER DUO / & KENNY WERNER

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cris potter(ts,ss,bcl), kenny werner(p)
1996/Concord Records/

クリス・ポッターとケニー・ワーナーのデュオは聴いてみたような気がします。
二人の才能のほとばしりを感じる内容です。
少々重たくなるのはやむを得ません。

「Istanbul」、「September Song」、「Epistrophy」、「Giant Steps」



*CHRIS POTTER QUINTET / PURE

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cris potter(ts,as,ss,cl,fl),
larry goldings(org,p), larry grenadier(b), al foster(ds)
john hart(g)
1995/Concord Records/

ここはラリー・ゴールディングスのオルガン入りが新味です。
とはいうもののオルガンはたった3曲でピアノ使用が3曲あります。
全12曲の半分の6曲がピアノレスのトリオでここに聴きどころがありました。
ラリー・グレナディア(b)とアル・フォスター(ds)のコンビは十分に刺激的です。

「Boogie Stop Shuffle」、「Fool On The Hill」、「Easy To Love」、
「EveryTime We Say Goodbye」



*CHRIS POTTER QUARTET / SUNDIATA

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cris potter(ts),
kevin hays(p), doug weiss(b), al foster(ds)
1995/Criss Cross/

↓のアルバムと同時期の録音です。
ハード・バッパーとしてのクリス・ポッターの姿をとらえています。
ソニー・ロリンズの「Airegin」が聴きどころになりました。
「Body And Soul」のバラードも興味深いところ。
全8曲はオリジナルが6曲とその他2曲です。

「Airegin」、「Body And Soul」



*CHRIS POTTER QUINTET / CONCENTRIC CIRCLES

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cris potter(ts,as,ss),
kenny werner(p), scott colley(b), bill stewart(ds)
john hart(g)
1994/Concord Records/

クリス・ポッター、2枚目のリーダー・アルバムはアメリカのコンコード・レーベルです。
全9曲はオリジナル7曲、その他2曲の構成です。
バック・ピアニストは鬼才、ケニー・ワーナーと興味深いものがありました。
スコット・コーリー(b)、ビル・スチュアート(ds)のリズム・セクションも魅力です。

「You And Night And The Music」は、ほとんど原曲のイメージを留めていません。
「In A Sentimental Mood」も聴きどころ。



*CHRIS POTTER QUINTET / PRESENTING CHRIS POTTER

sonet295.jpg

cris potter(ts,as.ss), john swana(tp),
kevin hays(p), christian mcbride(b), lewis nash(ds)
1993/Criss Cross/

クリス・ポッターの初リーダー・アルバムです。
ポッターは当時、弱冠21歳、早いリーダー・デビューだと思います。
クリス・クロス・レーベルにその素質を見抜いたプロデューサーがいました。
純ハード・バップ・アルバムですがソロではすでに個性の芽生えを感じます。
フロントの相手はジョン・スワナ(tp)とバックには時代の俊英、ケヴィン・ヘイズ(p)、
豪腕クリスチャン・マクブライド(b)と名手ルイス・ナッシュ(ds)が揃う。
全8曲は6曲がオリジナル、その他2曲の構成です。

「Reflections」、「Solar」

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