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Conte Candoli (tp) [C (trumpet)]

* CONTE CANDOLI & ART PEPPER / MUCHO CALOR

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conte candoli(tp), art pepper(as), bill perkins(ts),
russ freeman(p), ben tucker(b), chuck flores(ds),
jack costanza(bongos), mike pscheko(bongos)
1958/Andex/

1 Mucho Calor
2 Autumn Leaves
3 Mambo De La Pinta
4 I Remenber April
5 Vaya Hombre Vaya
6 I Love You
7 Mambo Jumbo
8 Old Devil Moon
9 Pernod
10 That Old Black Magic

コンテ・カンドリ(tp)&アート・ペッパー(as)のラテン盤です。
最近のマイ・ブームになっている50~60年代の「ラテン・リズムを聴く」の一環で選んでみました。
カンドリ、ペッパー、ビル・パーキンス(ts)のフロント3管、特にパーキンスの参加が貴重だと思います。
3人共にビックバンド畑出身でウディ・ハーマンやスタン・ケントンといった一流のビックバンドで演奏していた。
ラス・フリーマン(p)、ベン・タッカー(b)、チャック・フローレス(ds)のリズム・セクション。
ウエスト・コースト・ジャズの代表的なメンバーと言えます。
ボンゴが加わって一気にラテン色が濃くなりました。
実にスマートでオシャレな感覚、軽快で爽やかなウエスト・コーストの風に吹かれているようです。
カンドリやペッパーの演奏はそれこそクール・ジャズそのものです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)

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Corey Wilkes (tp) [C (trumpet)]

*COREY WILKES & ABSTRAKT PULSE
/ CRIES FROM THE GHETTO

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corey wilkes(tp,flh), kevin nabors(ts), scott hesse(g),
junius paul(b), isaiah spencer(ds), jumaane taylor(tap)
2009/PI Recordings/

コーリー・ウィルクス(tp)は初見、ジェームス・カーターのライブ(ライブ・レポート参照)で出会いました。
これが実にクールな演奏で印象に残ったので会場でこのCDを購入したんです。
プロフィールを見ると1979年生まれの30歳の若手トランペッター。
レスター・ボウイ亡き後のアート・アンサンブル・オブ・シカゴで吹いているそうです。
スタイルはマイルス・デイビスとレスター・ボウイの中間をいく感じだと思いました。
うるさくないし、音数は少なく安定感があっていいんだな、これが。
(5)「RAIN」のバラードを聴くとその実力が分かります。

さて、今作のメンバーはまったく知らない人ばかりでしたが刺激的で新鮮でしたよ。
”ABSTRAKT”って”ABSTRACT”じゃないけどシャレなのかな。
こういったリズム&ブルース、ソウル&ファンキーでフリーに片足を突っ込んだ演奏は久し振りです。
以前はこういった演奏もよく聴いたのですが最近はすっかりご無沙汰していました。
なんか、いつの間にか軟弱になってしまったようです・・・年だから仕方ないけどね。
かなりの刺激を受けたのでちょっと濃いジャズも聴きたい気分になってきました。

(まじめ系)

Clifford Brown (tp) [C (trumpet)]

* CLIFFORD BROWN & MAX ROACH QUINTET / STUDY IN BROWN

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clifford brown(tp), harold land(ts),
richie powell(p), george morrow(b), max roach(ds)
1955/Emarcy/

Side A
1 Cherokee
2 Jacqui
3 Swingin
4 Lands End
Side B
1 George's Dilemma
2 Sandu
3 Gerkin For Perkin
4 If I Love Again
5 Take The A Train

クリフォード・ブラウン(tp)&マックス・ローチ(ds)・クインテットはモダン・ジャズ史上重要なグループの一つでした。
ブラウニーはマイルス・デイヴィス(tp)とは持ち味もスタイルも違うけれど唯一マイルスに対抗できるトランぺッターだった。
歌うように舞うように流れるように吹く、そのふくよかでまろやかな音色は他の追随を許しません。
ブラウニーはたった25歳の若さでここでも共演しているリッチー・パウエル(p)と共に交通事故で亡くなりました。
将来を嘱望されていたリーチー・パウエルはバド・パウエル(p)の弟でこちらも弱冠24歳の若さでした。
このグループには後にマイルス・コンボ入りを断ったソニー・ロリンズ(ts)が加わっています。

今作を選んだのは先週のトニー・ウィリアムスのアルバム紹介でマックス・ローチの名前が出て来たからです。
ここではマックス・ローチの古典的な名ドラミングが聴けます。
ブラウニーはもちろんのこと、パウエルのピアノや若きハロルド・ランドのテナー・サックスも聴きどころになります。

(中間系)



*CLIFFORD BROWN / WITH STRINGS

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clifford brown(tp)
1955Rec/Emarcy/

ご存知、クリフォード・ブラウンの名盤中の名盤。
ストリングスの指揮はニール・ヘフティ。
後のトランペッターの聖典といわれる作品です。
素晴らしくて声も出ません。

「Yesterdays」、「Laura」、「What's New」、「Blue Moon」、
「Can't Help Lovin' Dat Man」、「Embraceable You」、「Memories Of You」、
「Smoke Gets In Your Eyes」、「Portrait Of Jenny」、
「Where Or When」、「Stardust」

Claudio Roditi (tp) [C (trumpet)]

*CLAUDIO RODITI QUINTET / IMPRESSIONS

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claudio roditi(tp), idriss boudrioua(as,ss),
dario galante(p), sergio barroso(b), pascoal mereilles(ds)
2008/Groovin' high/

ラテン系のベテラン・トランペッターのクラウディオ・ロディティのアルバムです。
トランペッターのジョン・コルトレーン・トリビュート・アルバムは珍しいので面白い企画だと思いました。
最初はどうってことない内容と思っていましたが聴いているうちに段々良くなってきました。
それはなぜか?。
コルトレーン作品集はこういうものと私のイメージが固まっていたせいだと思います。
もっとコルトレーンライクな重厚な演奏を聴かせるものとばかり思っていました。
ところが、ロディティはそれを意識することなくストレートに自分らしく表現しています。
コルトレーンの名曲が軽快な演奏に乗って新鮮な感覚で蘇ってきたのでとても好ましく思えました。
演奏曲目のバランスも良く、idriss boudrioua(as,ss)、dario galante(p)も好演しています。
やはり表題曲の「IMPRESSIONS」が印象に残りました。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(くつろぎ系)

Chris Botti (tp) [C (trumpet)]

*CHRIS BOTTI / A THOUSAND KISSES DEEP

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chris botti(tp)  
keefus ciancia(key), steve lindsey(p,key), dean parks(g), etc
2003/SONY/

スムース・ジャズ・シーンの人気トランペッターのクリス・ボッティを買ってみました。
彼の「ナイト・セッション」というアルバムがお気に入りだったからです。
そのやわらかでふくよかな音色はフュージョン時代のチェット・ベイカーの雰囲気に似ています。
全12曲中オリジナルが7曲、バート・バカラックのカバーが2曲あります。
私は昼下がりのコーヒー・タイムに聴いていますが時と場所を選ばない寛ぎの一枚です。

甘いマスクと華麗な存在感が魅力のクリス・ボッティは、ポール・サイモン、スティングらを
はじめとする錚々たるアーティスト陣の信頼を一身に受けるトップトランペッター。
95年のソロ・デビュー以来、USスムーズ・ジャズ/コンテンポラリー・ジャズ・シーンの
チャートや各音楽賞を賑わせ、熱い注目を浴びている。
彼が奏でる音色は優しく豊かで、洗練されたフレージングがどこまでも心地良い。
リスナーをとりまく空気に華やぎと安らぎをもたらす、クリスからの幾千もの甘き接吻。
(帯中よりの抜粋)

「Indian Summer」、「The Look Of Love」、「My Funny Valentine」

(くつろぎ系)



*CHRIS BOTTI / NIGHT SESSIONS

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chris botti(tp)
kipper(key), jimmy johmson(b), abraham laboriel jr(ds)
christian mcbride(b), billy childs(key), etc
2001/SONY/

クリス・ボッティ(tp)のソロアルバムを聴くのは2枚目です。
ポップな感覚とやわらかでまろやかな音色が特徴です。
全12曲中、10曲がオリジナルで占められています。
ジャズの師匠はジョージ・コールマン(ts)やウディ・ショウ(tp)だそうです。
主にポップス系のトランペッターとして活躍、スティングとの共演で有名になりました。
ここでもクールで洒落たサウンドを聴かせてくれています。
くつろぎのコーヒー・タイムのBGMにはぴったりのアルバムでしょう。
ジャズ系ではクリスチャン・マクブライド(b)やビリー・チャイルズ(key)が参加しています。
ジャケットからも女性に人気になりそうな雰囲気を持っていますね。

(くつろぎ系)



*CHRIS BOTTI / SLOWING DOWN THE WORLD

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chris botti(tp, key, vo), john robinson(ds), jeff lorber(p, elep)
jon ossman(b), harvey jones(key), sting(vo), etc
1999/GRP/

クリス・ボッチの3枚目のアルバムだそうです。
ソフトでロマンチックなイージー・リスニング・ジャズで、
イメージとしてはCTIのチェット・ベーカーかアート・ファーマーという感じです。
ご覧のように中々ハンサムで、女性に人気の出そうなトランペッターだと思います。
昼下がりにコーヒーでも飲みながら、これをBGMで流せば最高かも。
これはね、意外にいいです。聴いているうちにだんだん良くなってきました。
現在は朝食用BGMとして重宝しています。
心の癒しにもなるアルバムです。

(くつろぎ系)

Chet Baker (tp,vo) [C (trumpet)]

*CHET BAKER QUARTET LIVE / THIS TIME THE DREAM'S ON ME

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chet baker(tp)
russ freeman(p), carson smith(b), larry bunker, bob neel(ds)
2000/PACIFIC JAZZ/

1 All The Things You Are
2 Isn't It Romantic
3 Maid In Mexico
4 My Funny Valentine
5 This Time The Dream's On Me
6 Introduction
7 Line For Lyons
8 Lover Man
9 My Funny Valentine
10 Maid In Mexico
11 Stella By Starlight
12 Myb Old Flame
13 Headline
14 Russ Job

最近入手したチェット・ベイカー・カルテットの1953~54年にかけてのライブ盤です。
特に1~5は未発表曲で貴重です。
6~14は「JAZZ AT ANN ARBOR」として、LPで発売されました。
やっぱり、この頃のベイカーは素晴らしいですね。
当時のウエスト・コースト・ジャズの真髄が聴けます。
白人トランペッターとしてはダントツの魅力があります。
私は懐かしくてジワーとなってしまいました。
ファンの耳を馬鹿にしてはいけませんね。
マイルスを凌いだ人気も一理ありますよ。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



*CHET BAKER QUARTET / LIVE IN TOKYO

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chet baker(tp,vo),
harold danko(p), hein van der geyn(b), john engels(ds)
1987Rec/Paddle Wheel/

チェット・ベイカーの日本ライブ盤、2枚組です。

伝説のミュージシャンが日本に残した正式な唯一のレコーディングとして後世まで語り継がれる出来栄え、チェットはこのライブを残して一年後、文字通り伝説の人になってしまった。
(帯中よりの抜粋)

「Stella By Starlight」、「My Funny Valentine」、「For All We Know」, etc



* CHET BAKER & PAUL BLEY / DIANE

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chet baker(tp,vo), paul bley(p)
1985Rec/SteepleChase/

1 If I Shold Lose You
2 You Go To My Head
3 How Deep Is The Ocean
4 Pent-Up House
5 Everytime We Say Goodbye
6 Diane
7 Skidadidlin'
8 Little Girl Blue

チェット・ベイカー(tp,vo)は1929年生まれ、1988年にオランダで変死、58歳でした。
常に麻薬がらみの話題が多くて1960年代~70年代半ばにかけては引退同然になっていた。
私にとってもベイカーは50年代で終わっていてカムバックしたのを聴いても全然いいとは思わなかった。
ジェリー・マリガン(bs)との再会セッション「カーネギー・ホール・コンサート」(1977/CTI)で聴けます。
ここでのマリガンは絶好調で一世一代の名演奏を聴かせているけどチェットはまったく冴えなかった。
多分、病み上がりの回復途上だったと思う・・・それでまたチェットから離れてしまったは事実です。

先日の「チェット・ベイカー・シングス」の紹介中、80年代のチェットを全然聴いていないことに気付いた。
で、何かないか?と探したら今作がありました。
フリー・ジャズの雄、ポール・ブレイ(p)とのデュオなら面白いんじゃないかと思いました。
ブレイはカナダ出身の1932年生まれ、2016年にフロリダにて83歳で亡くなっています。

これはねぇ~、真夜中にグラス片手に聴いたら最高だと思うよ。
枯れた味わい、二人は音数を極力少なくして寄り添うように流れるようにメロディを追って行く。
(1)「If I Shold Lose You」に痺れてしまった。
ヴォーカルが聴けるのは(2)「You Go To My Head」だけです。
私が聴きたかったのは大好きな(5)「Everytime We Say Goobye」だけど十分満足しました。
ただ同じ傾向の演奏が続くのでいまひとつ物足りないと思うかも知れません。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



* KIRK LIGHTSEY TRIO & CHET BAKER / EVERYTHING HAPPENS TO ME

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kirk lightsey(p), david eubanks(b), eddie gladden(ds),
chet baker(tp,vo)(1,2)
1983/Timeless/

1 Ray's Idea
2 Everything Happens To Me
3 Girl With The Purple Eyes
4 Speak No Evil
5 Inner Urge
6 Fee Fi Fo Fum

80年代のチェット・ベイカー(tp,vo)をもう1枚紹介したいと思います。
以前メンバーとして共演歴があるピアニストのカーク・ライトシーの作品に客演したものです。
参加は2曲だけですが曲想が違うので面白かったです。
定番の(2)「Everything Happens To Me」はシブさ全開のヴォーカルとラッパが聴けました。
(1)「Ray's Idea」ではアップ・テンポの演奏なのでこの時期珍しいんじゃないかと思いました。
体調が良かったんでしょうね、中々にスッキリとした演奏を聴かせてくれています。
あとの4曲はピアノ・トリオによる演奏です。
当時このトリオはデクスター・ゴードン(ts)のバックを務めていたと解説にありました。
つまり親分なしで吹き込んでいたところにチェットがフラリと現れて付き合ってくれた感じなのかも。
ライトシーのピアノは良いけれど唸り声が気になる人には向きません。
オランダのタイムレス・レーベルは1980年前後、低迷するアメリカのジャズメンに救いの手を差しのべた。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



*CHET BAKER / SHE WAS TOO GOOD TO ME

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chet baker(tp,vo), paul desmond(as), bob james(elp),
ron carter(b), jack dejohnette(ds), steve gadd(ds),
dave freiedman(vib), hubert laws(fl), romeo penque(fl.cl),
george marge(fl,oboe),strinngs
1974/CTI/

「枯葉」を初めて採り上げたことで話題を呼んだ、
美しくも切ない感動の名演、名唱。
(帯中よりの抜粋)

ポール・デスモンド(as)との共演は久し振りじゃないかな。
このリズム・セクションでの共演は新鮮。



* CHET BAKER / WITH FIFTY ITALIAN STRINGS

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chet baker(tp,vo),
mario pezzotta(as), glauco massetti(as), gianni basso(ts),
fausto papetti(bs), giulio libani(p), franco cerri(b),
gene victory(ds), & strings, harp, flugelhorns
1959/Jazzland/

1 I Should Care
2 Violets For Your Furs
3 The Song Is You
4 When I Fall In Love
5 Goodbye
6 Autumn In New York
7 Angel Eyes
8 Street Of Dream
9 Forgetful
10 Deep In A Dream

何だか急にチェット・ベイカー(tp,vo)が聴きたくなりました。
今作はイタリアのジャズ・メンと共演した企画ものです。
ストリングスをバックにチェットのトランペットと歌声が冴えわたる。
50年代のチェットは本当に素晴らしいと思います。
音色は哀愁を帯びて艶やかで歌声は中性的で気だるい、何とも雰囲気が最高です。
ベストにはインストで(6)「Autumn In New York」、歌で(10)「Deep In A Dream」を上げておきます。

ジャズランド・レーベルはリバーサイドの傍系レーベルで廉価版です。
若い頃すでにリバーサイドは入手困難だったけどジャズランドはまだ出回っていたのを思い出しました。
ここにはウェス・モンゴメリー(g)の「ウエスト・コースト・ブルース」という貴重盤がありました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)



*CHET BAKER QUINTET / IN NEW YORK

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chet baker(tp), johnny griffin(ts),
al haig(p), paul chambers(b), philly joe jones(ds)
1958Rec/RIVERSIDE/

チェット・ベイカーのアルバムでも特に好きだった一枚です。
CD化で「Soft Winds」が追加されました。

ジョニー・グリフィン(ts)以下ニューヨークのコクのあるミュージシャンを集めた
ブローイング・セッションでイースト・コースト指向を打ち出したチェットの傑作。
(帯中よりの抜粋)

「Polka Dots And Moonbeams」、「Solar」、「When Lights Are Low」



* CHET BAKER QUARTET / CHET BAKER SINGS

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SideA
chet baker(vo,tp),
russ freeman(p), james bond(b), peter littman(ds)(1,2,5),
lawrence marable(ds)(3,4,6)
1956Rec/Forum Theatre/(Pacific Jazz/PJ1222/M)

Side A
1 That Old Feeling
2 It's Always You
3 Like Someone In Love
4 My Ideal
5 I've Never Been In Love Before
6 My Buddy

SideB
chet baker(vo,tp),
russ freeman(p), carson smith(b), bob neel(ds)
1954Rec/Capitol Studios/

Side B
1 But Not For Me
2 Time After Time
3 I Get Along Without You Very Well
4 My Funny Valentine
5 There Will Never Be Another You
6 The Thrill Is Gone
7 I Fall In Love Too Easily
8 Look For The Silver Lining

ジェリー・マリガン(bs)の次はやはりチェット・ベイカー(tp,vo)ということになるかな。
チェット・ベイカーの名前にはどうも麻薬的な要素があるように思う。
それでかな、ミュージシャンによるチェットの名前を冠したアルバムがいっぱい出ています。
それをまた買っちゃうファンもいるわけで・・・私を含めて・・・つくづく麻薬だね。

チェットの歌が知られたのは50年代のパシフィック・ジャズの「チェット・ベイカー・シングス」だった。
つまり今作ですがここにはチェットの歌手としての原点があります。
私が一番好きだったのは「That Old Feeling」で抜群のノリとクールな音色のトランペットが素晴らしい。
愛唱曲になった「My Funny Valentine」やバラードの名曲「Time After Time」や「「Like Someone In Love」、
「I Fall In Love Too Easily」、「I've Never Been In Love Before」、「The Thrill Is Gone」なども入っている。
中性的でアンニュイな歌唱法は当時の評価で「気持ち悪さ」の方が断然勝っていたような気がします。
当然ですね、それまでそんな歌い方をする男性ヴォーカリストはいなかったわけだから。
でもね、反面熱狂的なファンが多かったのも事実で私も一発でハマりました。
それが時代と共に認められて違和感がなくなった・・・今では7、8割の人が好きと言うんじゃないかな。
私はチェットの歌には当時新しく入ってきたばかりだったボサノバの気だるい歌い方の影響を感じています。

さて今作の「チェット・ベイカー・シングス」は中々複雑で情報がハッキリしていないところがあります。
私の持っている情報がかなり真実に近いのではないかと思っています。
まずA面とB面の録音日時とメンバーが違っていて、54年と56年の2セットが合わさっている。
両方に参加しているサイドマンはピアノのラス・フリーマンだけです。
その上、今作には特殊な事情がありました。
ちょうどレコードがモノラルからステレオへの過渡期だったので疑似ステレオ化されてしまいました。
なんとギターを後から追加するというとんでもないことが起こっています。
多重録音はひとつの技術ではあるけれどライブで再現出来ないのでまったくの別物だと思っている。
さらに悪いことにモノラルのマスター・テープが見つからない事態になったらしい。
信じられますか?
なのでギターなしのモノラル盤がオリジナルでギター入りのステレオ盤はごまかしということになります。
色々と聴いてみると大体がギター入りになっているようですが・・・多分ギタリストの名前はないと思う。
さて問題のギタリストは誰かな?・・・その答えはジョー・パスです。

(くつろぎ系)

Carmell Jones (tp) [C (trumpet)]

*CARMELL JONES QUINTET / THE REMARKABLE CARMELL JONES

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carmell jones(tp), harold land(ts),
frank strazzerii(p), gary peacock(b), leon pettis(ds)
1961Rec/Pacific Jazz/

1 I'm Gonna Go Fishing
2 Come Rain Or Come Shine
3 Night Tide
4 Sad March
5 Stellisa
6 Full Moon And Empty Arms

ジャズ廉価版、999シリーズの1枚です。
カーメル・ジョーンズ(tp)の初リーダー・アルバムということで買ってみました。
カーメルは地味なトランぺッターの代表選手みたいな感じですね。
ホレス・シルバー(p)の大ヒット盤、「Song For My Father」に参加していなかったらほとんど知られていなかったんじゃないかと思います。

衆目が認める代表作は「Jay Hawk Talk」(1965/Prestige)でしょうか。
もっとも極端に寡作なプレイヤーなので選んでもあんまり意味はないかもしれませんが。

今作はハロルド・ランド(ts)とのフロント2管、注目すべきはゲイリー・ピーコック(b)の参加です。
ピーコックはこの頃からすでに存在感を感じさせます。
スコット・ラファロ(b)とは同年代で西海岸で腕を競い合っていたかもしれませんね。
ワン・ホーンで聴かせる(2)「COME RAIN OR COME SHINE」が素晴らしい。
この時、カーメルはまだ25歳ですよ・・・まったくこの頃のジャズメンはどうなっていたのか・・・早熟です。
デューク・エリントンの(1)「I'M GONNA GO FISHING」は10分を超える一番の長丁場。
ジミー・ボンド(b)の(3)「NIGHT TIDE」、ブルース・マーチのパクリの(4)「SAD MARCH」、(5)「STELLISA」のバラード、トリッキーなテーマの(6)「FULL MOON AND EMPTY ARMS」など。
全体を覆うファンキー&グルービーな雰囲気がたまりません・・・「あ~、ジャズだなぁ~」と思います。
ピーコックの一味違うベース・プレイにも注目しました。

カーメル・ジョーンズは真面目な性格だと思います。
音にそれが現れています・・・端正で美しく、清潔、清冽といった表現がピッタリきます。
クリフォード・ブラウン(tp)の小型化というか、逆に突き抜けたところがないのが弱みだったかも・・・。
朴訥でゴツゴツとしたハロルド・ランドとのコンビネーションもいいです。
あとフランク・ストラッツェリのピアノも聴けます。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)

Charles Tolliver (tp) [C (trumpet)]

*CHARLES TOLLIVER BIG BAND / WITH LOVE

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charles tolliver(tp)
david guy(tp), chris albert(tp), keyon harrold(tp)(1,3,7), david weiss(tp), james zollar(tp)(2,4,5,6),joe fiedler(tb)(3), clark gayton(tb), stafford hunter(tb), jason jackson(tb), aaron johnson(btb) , odd bashore(as), jimmy cozier(as)(5), craig handy(as,ss,cl,fl), billy harper(ts), bill saxton(ts,cl), howard johnson(bs,bcl), stanley cowell(p)(2,3,4), robert glasper(p)(1,5,6,7), cecil mcbee(b), victor lewis(ds), ched tolliver(g)(6)
2006/BLUE NOTE/MOSAIC RECORDS/

1 Rejoicin'
2 With Love
3 'Round Midnight
4 Mournin Variations
5 Right Now
6 Suspicion
7 Hit The Spot

先週のアンドリュー・ヒルで久々に聴いたチャールス・トリバー(tp)はやっぱり良かったです。
多分、同じ思いをした人もたくさんいたんでしょうね。
早速、トリバーをリーダーとしたビック・バンドのアルバムが登場してきました。
モンクの1曲を除いてはトリバーのオリジナル、コンダクターとしての才能もあると再評価しました。
メンバーには往年の仲間達、ビリー・ハーパー(ts)、スタンリー・カウエル(p)、セシル・マクビー(b)、ビクター・ルイス(ds)などの顔が見えます。
特筆すべきは期待のピアニスト、ロバート・グラスパーが起用されていることです。
ハービー・ハンコック派とみていましたが、こうなってくるともっと幅広く、奥行きがあるかも知れませんね。
分厚いアンサンブルとハーモニーをバックに各自のソロが展開され刺激的な内容になっています。
出来れば大音量で聴いてもらいたいです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)



* CHARLES TOLLIVER QUARTET / LIVE IN BERLIN
At The Quasimodo / Vol.1

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charles tolliver(tp),
alain jean-marie(p), ugonna okegwo(b), ralph van duncan(ds)
1988Rec/Strata-East/

1 Ruthie's Heart
2 Ah, I See
3 Stretch
4 On The Nile

チャールス・トリバー(tp)は純然たるフリー・ジャズ・マンではないけれどフリーにも通じるスタイルを持っています。
ブルー・ノート後期盤にジャッキー・マクリーン(as)やホレス・シルバー(p)との共演盤があって名前を知りました。
トリバー自身の才能を明らかにしたのはスタンリー・カウエル(p)と組んだ「ミュージック・インク」の結成でした。
当時の先鋭的で強力なブラック・ジャズの中核になっていたグループです。
「ミュージック・インク」の活動期間は7~8年というところかな。
トリバーは自己のレーベルを立ち上げて新人の育成に努めたりと精力的に活動していた時期があります。

全4曲は全て自身のオリジナルです。
ライブ盤なので1曲づつが長くうち3曲が16分強の長丁場になっています。
ここの注目はピアニストのアラン・ジェーン・マリーだと思います。
カリブ海出身の知る人ぞ知るビギンの名手でもあるけれど切れのあるピアノが魅力です。
私的ベスト・トラックの(3)「Stretch」ではアランの圧倒的なピアノとトリバーの鋭角なトランペットが聴けました。
ただライブ盤でもあまりライブの臨場感が感じられないのは残念でした。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)

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