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Dave O'Higgins [D (sax)]

* DAVE O'HIGGINS TRIO + MAX IONATA / TENORS OF OUR TIME

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dave o'higgins(ts)(right), max ionata(ts)(left)
ross stanley(org), luca santaniello(ds)
2018/Albore/

1 Fourplay (J.Williams)
2 Satosong (M.Ionata)
3 Lady Face (D.O'higgins)
4 Donna (G.Kramer)
5 Medication (D.O'higgins)
6 Song For Cape Town (D.O'higgins)
7 The Eternal Triangle (S.Stitt)
8 The Enigma Of The Day (D.O'higgins)
9 You're Nicked (D.O'higgins)
10 Rainy Day (M.Ionata)

イギリスのデイブ・オ・ヒギンス(ts)は初見、イタリアのマックス・イオナータ(ts)は一時期よく聴いてました。
CDショップで見た時、テナー奏者が率いるオルガン・トリオに興味津々ですぐに購入を決めました。
オルガンをバックにした2テナー・バトルならテナー好きにはたまりませんよ。
ヒギンスが右チャンネル、イオナータが左チャンネルと書いてくれているのも親切ですね。

全10曲は二人のオリジナルが7曲とその他3曲の構成です。
その他の3曲にはジェームス・ウィリアムス(p)(1)とソニー・スティット(as,ts)(7)が選ばれました。
(4)「Donna」はイタリアの古い曲です。
内容は思ったよりずっと大人しくて、オルガン入りとしてはスマートな演奏です。
もう少し激しいバトルを予想していたので迫力はいまひとつ・・・抑えのきいたクールな競演でした。
二人のコンビネーションが良くて各曲におけるテーマの2テナーのユニゾンが心に残ります。
ヒギンス作の(5)「Medication」をベストに上げたいと思います。
アントニオ・カルロス・ジョビンの名曲「Meditation」のパクリみたいな曲だけど・・・。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)

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Dmitry Baevsky (ts) [D (sax)]

*DMITRY BAEVSKY QUARTET / SOMETHIN' SPECIAL

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dmitry baevsky(ts),
fabio miano(p), ignasi gonzalez(b), joe strasser(ds)
2015/Blau Records/

1 Somethin' Special(S.Clark)
2 Fools Rush In(Mercer/Bloom)
3 Cheescake(D.Gordon)
4 Lament(J.J.Johnson)
5 Eclypso(T.Flanagan)
6 The End Of A Love Affair(E.Redding)
7 I Thought About You(J.V.Heusen)

ドミトリー・バエブスキーの名前は知っていましたが聴いたのは今回が初めてです。
名前からロシア系ということは分かります。
予想したよりゴツゴツした感じのサックスだと思いました。
演目の中にある(3)のデクスター・ゴードンや(5)のカリプソを見て納得しました。
つまりバエブスキーのルーツはデックスやソニー・ロリンズにあるというわけですね。
現代のテナー・サックスの主流がコルトレーン派にあるとすればそれだけで個性的です。
バラードのJ.Jの名曲(4)「Lament」も端正にキッチリと吹き切っています。
音色もクリアでテクニックも申し分ありません。
軽い感じで飛ばす(2)「Fools Rush In」も聴きどころになりました。

男性的で豪快とはちょっと違うけれど独特のアクセントを持っていて面白いです。
もう一枚聴いてみたいと思いました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)

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Dayna Stephens (ts) [D (sax)]

*DAYNA STEPHENS DUO & TRIO & QUARTET & QUINTET / PEACE

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dayna stephens(sax), julian lage(g),
brad mehldau(p), larry grenadier(b), eric harland(ds)
2014/Sunnyside/

1 PEACE(H.Silver)
2 I LEFT MY HEART IN SAN FRANCISCO(Cory/Cross)
3 ZINGARO(A.C.Jobim)
4 THE GOOD LIFE(Distel/Reardon))
5 THE DUKE(D.Brubeck)
6 BROTHERS(E.Morricone)
7 DEBORAH'S THEME(E.Morricone)
8 OBLIVION(A.Piazzolla)
9 BODY AND SOUL(Green/Jeyman/Sour)
10 TWO FOR THE ROAD(H.mancini)
11 MOONGLOW(Hudson/Mills/Delange)


気になっていたサックス奏者、ディナ・ステファンズをようやく入手しました。
実際、これほどいいとは思いませんでした。
一気に3回も聴いてしまった。
2日間で10回ほどは聴いたでしょうか。

メンバー的にも申し分ありませんね。
ブラッド・メルドー(p)、ジュリアン・レイジ(g)にラリー・グレナデァ(b)、エリック・ハーランド(ds)ですよ。

全11曲はデュオ、トリオ、カルテット、クインテットが楽しめる大徳用盤です。
スタンダード作品集ですが興味深い曲目が並んでいます。
ディナ・ステファンズにスタンダードを演奏させる。
テーマは美しいメロディ・ラインを持つ名曲ということになりますか。
狙いは見事に当たりました・・・プロデューサーのマット・ピアソンはさすがです。

ベースとのデュオ・・・(11)
ベース、ドラムスとのトリオ・・・(9)
ギター、ベースとのトリオ・・・(4)
ピアノ、ギターとのトリオ・・・(6)
ピアノ・カルテット・・・(1)、(2)
ギター・カルテット・・・(5)、(8)、(10)
クインテット・・・(3)、(7)

表題曲の(1)「Peace」はホレス・シルバーの名曲、
続くトニー・ベネットの大ヒット曲(2)「I Left My Heart In San Francisco」はメルドー・トリオがバック、ジョビンのボサノバ(3)「Zingaro」はクイテットで、(4)「The Good Life」はレイジのギター・トリオで、ピアソラの(8)「Oblivion」でステファンはソプラノ・サックスを使用、哀愁の漂うメロディと共にここでのレイジには心底痺れました。
(9)「Body And Soul」はピアノ、ギターレスのトリオで演奏されます。
マンシーニの(10)「Two For The Road」も素晴らしい展開です。

何といってもステファンズの音色がいいです。
音量豊かで余裕十分、抑揚を抑えた超クールなスタイルに一発で参ってしまいました。
想像以上の大物かもしれませんね。
もっと聴いてみたいので早速一枚注文していまいました。

メルドーはさすがの演奏ですが5曲では物足りないかな・・・もう少し聴いてみたいと思いました。
ラリー・グレナディア(b)も大きくフューチュアーされる場面があるので聴きどころになります。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(中間系)



*DAYNA STEPHENS QUARTET & QUINTET & SEXTET / TODAY IS TOMORROW

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dayna stephens(ts),
aaron parks(p), kiyoshi kitagawa(b), donald edwards(ds),
michael rodriguez(tp)(2,6), julian lage(g)(4,6,7), raffi garabedian(ts)(3)
2012/Criss Cross/

1 Skylark(H.Carmichael)
2 Kwooked Street(Stephens)
3 Radio-Active Earworm(Stephens)
4 De Pois Do Amor, O Vazio(R.C.Thomas)
5 Loosy Goosy(Stephens)
6 Black Narcissus(J.Henderson)
7 Haden's Largo(Stephens)
8 Hard-Boiled Wonderland(A.Parks)
9 The Elite(Stephens)
10 Cartoon Element(A.Parks)

先週紹介したダイナ・ステフェンズの「PEACE」が良かったのでもっと聴いてみたいと思いました。
今作は2枚目のリーダー・アルバムでジャズ・メジャー・レーベルからの初登場になります。
ステフェンズは1978年ニューヨーク生まれというから34歳の作品です。
デビュー作が2007年の「TIMELESS NOW」(CTA)は29歳の時、それから5年が経っています。
やや遅咲きのプレイヤーといえるでしょうか。

全10曲は自身のオリジナルが5曲、メンバーのオリジナル2曲とその他3曲の構成です。
スタンダードはカーマイケルの「Skylark」、ジョー・ヘンの「Black Narcissus」を取り上げるのは珍しいかな。

まずはステフェンズが持つ柔らかな音色は素晴らしいと思います。
決して熱くならず超クールな印象・・・まるで包み込まれるような気がする。
アーロン・パークス(p)とコンビネーションは抜群の雰囲気を醸し出します。
超クールの二人の組み合わせは何とも憎い。
アーロン作の(8)「Hard-Boiled Wonderland」と(10)「Cartoon Element」は最高です。
自身のオリジナルではバラードの(7)「Haden's Largo」が聴きどころになりました。
パークスやジュリアン・レイジ(g)との絡みに痺れた。
(2)「Kwooked Street」やセクステットの(6)Black Narcissus」も凝った展開です。
(5)「Loosy Goosy」では北川潔(b)さんの存在感が光ります。

改めてこのダイナ・ステフェンズは面白いと思いました。
ちょっと追いかけてみたい気がする。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)

Dylan Cramer (as) [D (sax)]

*DYLAN CRAMER QUARTET / REMEMBERING SONNY CRISS

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dylan cramer(as),
ron johnston(p), leroy vinnegar(b), john nolan(ds)
2000/Casa/

珍しいソニー・クリス(as)作品集です。

Doug Webb (ts) [D (sax)]

* DOUG WEBB QUINTET / FAST FRIENDS

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doug webb(ts), michael dease(tb),
michel forman(p), chris colangelo(b), roy mccurdy(ds)
2018/Posi-Tone/

1 Last Trane To Georgia (D.Webb)
2 Friends Again (L.Morgan)
3 High Groove, Low Feedback (H.Mobley)
4 Surfing The Webb (D.Webb)
5 Ah-Leu-Cha (C.Parker)
6 Dease Things (D.Webb)
7 Dream Stepper (L.Konitz)
8 A Night In Tunisia (D.Gillespie)
9 Dig Doug (M.Dease)
10 The Things We Did Last Summer (J.Styne)
11 Nopolo (D.Webb)

ダグ・ウエッブ(ts)のリーダー作を買うのは2枚目です。
今作はトロンボーン奏者のマイケル・ディーズとにフロント2管に惹かれました。
あとロイ・マッカーディ(ds)にも注目しました。
ご存知キャノンボール・アダレイ・クインテットのドラマーです。
もう80歳を過ぎていますが元気な演奏を聴かせてくれました。

全11曲は自身のオリジナル4曲、ディーズ1曲、その他6曲の構成です。
リー・モーガン(tp)、ハンク・モブリー(ts)、チャーリー・パーカー(as)、リー・コニッツ(as)、ディジー・ガレスピー(tp)のモダン・ジャズ曲とスタンダードが1曲入っています。
選曲からウエッブはストレートなハード・バップ・サウンドを目指しているのがよく分かります。
ただ安定感はあるけれど突き抜けるところがないのでいまひとつ物足りないところが残りました。
辛くも甘くもなく中途半端な味になっています。
そんな中でベストはディーズのトロンボーンが光る(8)「A Night In Tunisia」でした。
このグループは地味系なので思いっきりアップ・テンポで派手な曲が合うと思います。

(中間系)



*DOUG WEBB QUARTET / RENOVATIONS

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doug webb(ts,ss), stanley clarke(b), gerry gibbs(ds),
joe bagg(p)(1,5,6), larry goldings(p)(2,4,8), mahesh balasooriya(p)(3,7)
2010/Posi-Tone Records/

1 Satin Doll
2 Then I'll Be Tired Of You
3 I Can't Get Started
4 I've Never Been In Love Before
5 You've Changed
6 They Cant Take That Away From Me
7 Bluesette
8 Slow Hot Wind

ダグ・ウェブ(ts,ss)は初見、多分このレーベルも初めてです。
ジャケットには楽器もメンバーも書いていないので「何の人?」ってお店の人に聞いてしまいました。
こういうのは紛らわしくていけません。
でも裏には曲目が書いてあって、これがスタンダードばかりなので「まぁ~問題ないか」と思いました。
家に帰って開封してみるとスタンリー・クラーク(b)やラリー・ゴールディングス(p)の名前がありました。
実際、「メンバーは誰なんだろう」と楽しみな気分もありましたよ。
ベースのスタンリー・クラークは上原ひろみさんと組んで今年のグラミー賞を取ったのは記憶に新しいところ。
ピアニストが3人聴けるのもお徳用です。

やはり西海岸の流れを踏襲しているのか、スマートな雰囲気を持っていると思います。
テナー・サックスが(1)、(4)、(5)、ソプラノ・サックスが(2)、(3)、(6)、(7)、(8)です。
テナーは(5)「YOU'VE CHANGED」、ソプラノは(2)「THEN I'LL BE TIRED OF YOU」がゆったりとした流れ、
ジャズ的にはポスト・バップの香りが強い(7)「BLUESETTE」と(8)「SLOW HOT WIND」が秀逸でした。
柔らかなビック・トーンの持ち主、オーソドックスで聴き易く、意外に拾い物のサックス・アルバムだと思います。
面白いはソプラノでこちらは身体に似合わぬ繊細なプレイを聴かせてくれました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)

Don Wilkerson (ts) [D (sax)]

*DON WILKERSON QUARTET / SHOUTIN'

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don wilkerson(ts),
grant green(g), john patton(org), ben dixon(ds)
1963Rec/Blue Note/

ブルーノートのソウル・ファンク・ジャズの一枚です。
オルガン&テナーの組み合わせはブルーノートの代表的なユニット。
ドン・ウィルカーソンもそんなテナー・マンの一人。
根強い人気がありました。
ジョン・パットンも好演しています。

スタンダードは「Easy Living」



*DON WILKERSON QUINTET / PREACH BROTHER !

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don wilkerson(ts), grant green(g),
sonny clark(p), butch warren(b), billy higgins(ds)
1962Rec/Blue Note/

一時期、コテコテ・ジャズにハマったことがあります。
ドン・ウィルカーソン(ts)もそんな時に買った1枚です。
ブルー・ノート盤で共演がグラント・グリーン(g)、ソニー・クラーク(p)とくれば決まりです。
全6曲は全てウィルカーソンのオリジナル。
(3)「デム・タンバリンズ」はUKクラブ・シーンを熱狂させた名曲。

ジャズ・メンだっていつもゴリゴリ・ガチガチのジャズをやっていたわけではありません。
だからソウルフル、ダンサブルな曲も大好きなんですね。
みんな、楽しそうにノリノリで演奏しています。
これでもかのリフレイン・・・コテコテのジャズが聴けました。

(くつろぎ系)

Donny McCaslin (ts) [D (sax)]

*DONNY McCASLIN TRIO / RECOMMENDED TOOLS

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donny mccaslin(ts), hans glawischnig(b), johnathan blake(ds)
2008/Koch/

二人の方が去年の「みんなのベスト3」に名前を挙げているドニー・マッカスリン(ts)の作品です。
1曲を除いてはオリジナルでテナー、ベース、ドラムスのトリオで演奏されています。
個性的な演奏、ノリもいい、グイグイと突っ走る独特の音楽空間には魅力がいっぱいです。
存分にサックスを手の内に入れているというか、しゃべるが如く自在に操るのには驚きました。
フレーズを短く切ってパッパッパと吹く・・・まるで言葉を発しているみたいに聞える。
そう、ラップ・ミュージックのようです。
テナー・サックス奏者では中々に似た人はいないかもしれません。
でもエリック・ドルフィー(as,fl、bcl)には近いのではと思いましたよ。

私的ベストはビリー・ストレイホーンの手になるただ1曲のスタンダードでした。
印象的なテーマを持つバラードの(5)「ISFAHASN」でこれが素晴らしい出来です。
本来は野太く豪快なテナーをか細く弱々しく頼りない音色で吹くのは現在の流行か。
表現方法がグンと広がるので多くのサックス奏者が積極的にこの奏法を取り入れています。
そういえば最近「草食系男子」なる言葉をよく聞きますね。
全体的にジョナサン・ブレイク(ds)の存在感が光り、二人のコンビネーションも聴きどころになっています。
その他の曲ではやや一本調子の感があるところが残念だったかも知れません。
あと1、2曲くらいのスタンダードか、ゲストが入ればもっと良かったと思います。
(5)が素晴らしかっただけに惜しい・・・今作は多分ここが評価の分かれ目になると思います。

私はマッカスリンを何年か前に何度か聴いたことがありましたがまったくのノーマークでした。
幅広い音楽性を持ち可能性を感じさせるテナー奏者。
こういうプレイヤーに目が向くのは大したものだと思います。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(まじめ系)

Don Menza (ts) [D (sax)]

*DON MENZA & JOE HAIDER TRIO /BILEIN

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don menza(ts,fl),
joe haider(p), christopher gordan(b), paul kreibith(ds)
1998/JHM Records/

ドン・メンザ(ts)の珍しい名前を見かけたので購入してみました。
1998年の作品なので、以前、見たような気がしますが買ってから気が付いた。
最近どうもこういうことが多くなってきました。
名前や曲名を思い出せないことも多い・・・ちょっと前なら思い出そうとした・・・でも今はそのままにしています。
無理に思い出そうとすると疲れるからねぇ~・・・・・もうダメか。

ジョー・ハイダーはドイツ出身のヨーロッパでは知られたピアニスト、レーベルも彼個人のものです。
そのトリオにメンザが客演したアルバムでリラックスした演奏を聴くことができました。
メンザは長くビックバンドで活躍していたテナー、フルート奏者ですがその実力は確かです。
豪快な音色の持ち主で、ここでも多彩な表現力を駆使していて大張り切りなのがうかがえます。
オリジナルが中心だけれど全体を覆う大人のムードは味わい深いものがあります。
(1)「BILEIN」のノリ、(2)「IT'S APRIL AGAIN」のバラードを聴けばその素晴らしさが分かると思います。
ジョー・ハイダー・トリオは文句なしの出来、(3)「BROADBOTTOM」では痺れました。
メンザは正直、少々抑えのきかないところもありますがそこはご愛嬌というところか。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(中間系)



*DON MENZA QUINTET / VERY LIVE AT GROOVY

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don menza(ts), markku johansson(tp,fhn),
esko linnavalli(p), jesper lundgaardt(b), esko rosnell(ds)

1 A NIGHT IN TUNISIA(D.Gillespie)
2 MY ONE AND ONMLY LOVE(Wood/Mellin)
3 HIP POCKET(F.Strazzeri)
4 IF WE WERE IN LOVE(J.Williams))
5 BODY AND SOUL(J.Green)
6 EL CAPITANO(Menza)
7 DEXTERITY(C.Parker)
8 TRANE'S BLUES(J.Coltrane)

テナー・サックス奏者、ドン・メンザのフィンランドでのライブ盤です。
メンザは長くビックバンドで活躍していたテナー、フルート奏者ですがその実力は確かです。
豪快な音色と共に多彩な表現力を持っています。
1936年生まれ、1983年の録音時は47歳のまさに脂の乗りきっている年齢です。
今作はヘルシンキのジャズ・クラブでのライブ盤でレア盤の一枚といえるでしょうか。
トランペットとのフロント2管のクインテット編成はモダン・ジャズの王道です。
真正ハード・バップ・ジャズを聴かせてくれました。
共演者は北欧の名手達でデンマークのベーシスト、イェスパー・ルンゴーの参加も嬉しい。
ルンゴー、29歳の時です。
フィンランドのピアニストのエスコ・リンナバリは何度か耳にしたことがあります。
マルク・ヨハンソン(tp)は初見ですがその実力は十分です。
メンザとの共演でもまったく遜色はありません。

全8曲は自身のオリジナル1曲を除いてはジャズ・スタンダード7曲の構成です。
メンザのクネクネ、引きずりテナーはここでも全開で個性溢れる演奏を繰り広げています。
独特のフレージングはパワフルで刺激的、実に魅力的です。
圧倒的な存在感を放つ・・・ライブにおける真のメンザがここにいました。
圧巻はそのバラード奏法です。
特に(2)「My One And Only Love」は素晴らしいと思う。
ヨハンソンは(5)「Body And Soul」や(6)「El Capitano」が聴きどころ。
バラードでもフューチュアーされますがしっかりとしたテクニックを持っています。
続くメンザのソロにも注目しました。
(7)のパーカー、(8)のコルトレーンはサックス奏者としては外せないところか。

楽器がよく鳴っています・・・白熱のライブ盤でお薦め。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(中間系)

Donald Harrison (as) [D (sax)]

*DONALD HARRISON QUINTET / REAL LIFE STORIES

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donald harrison(as), chritian scott(tp), eric reed(p)
jonathan lefcoski(p)(4,5), vicente arvher(b), john lamkin(ds)
2002/NAGEL HEYER/

アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ出身のドナルド・ハリソン(as)の新譜です。
その後しばらくの間はテレンス・ブランチャード(tp)とも双頭バンドを組んでいましたね。
もう少し目立ってもいいプレイヤーだと思いますが案外と地味な感じです。
4曲の自己のオリジナルに加えて4曲のスタンダードを演奏しています。
ゆったりとしたテンポが特徴でしょうか。
ある種の緊張感が漂っていますがやや大人しいというのが私の印象です。
共演ではエリック・リード(p)に興味がありました。

聴き直してみると意外にいいので驚きました。
切れ味の鋭い斬新なソロ・フレーズを連発・・・ハリソンの実力をいかんなく発揮しています。
骨太のリードのソロにも注目。
リードのオリジナル(6)「Strannge Day」が聴きどころになりました。

「Oleo」、「A night In Tunisia」、「Take Five」

(中間系)

Dewey Redman (ts) [D (sax)]

*DEWEY REDMAN QUARTET / MUSICS

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dewey redman(ts,musette,vo,harp),
fred shimmons(p,), mark helias(b), eddie moore(ds,per)
1978Rec/Galaxy/

今作も再発廉価盤の一枚です。
フリー系のマルチ奏者のデューイ・レッドマンの作品です。
デューイは1931年テキサス生まれ、2006年に75歳で亡くなっています。
今をときめくジョシュア・レッドマン(ts)の父親と言ったほうが馴染みがあるかもしれませんね。

デューイはオーネット・コールマンの盟友でキース・ジャレットの「アメリカン・カルテット」の一員でもありました。
豪快なテキサス・テナーの流れを汲み西部の牧歌的ブルース・フィーリングを持っています。
多くの楽器を演奏するのはオーネットの影響でしょうか。
ここでもテナー・サックス、ミュゼット、ハープを駆使してヴォイス、ヴォーカルなども聴かせています。
今作は表題に「Musics」とあるようにデューイの音楽性が良く分かる作品です。
全6曲は自身のオリジナル5曲とその他1曲の構成です。
当時リーダー作までは手が回らなかったのでゆっくり聴く機会もなかったけど改めて「いいなぁ~」と思いました。
多分、デューイの作品としては最も聴きやすいアルバムだと思います。
ガツンときたのがミュゼットの(4)「UNKNOWN TONGUE」でアフリカ回帰のサウンドです。
ギルバート・オサリヴァンのヒット曲、(3)「ALONE AGAIN」の朗々とした歌い方にも注目しました。
ボサノバ・リズムの(1)「NEED TO BE」、ハープは(5)「ONE BEAUTIFUL DAY」で聴けます。
その他にも聴きどころが多いです。

デューイの演奏を聴いていると、迷いがなくしっかりと大地に根を下ろしている感じがする。
自分の音楽を最大限に表現する・・・何をやりたいかがハッキリしています。
だからこそ強烈なメッセージとして聞き手に伝わってきます。
こんな父親の姿を見て育ったジョシュアが一筋縄ではいかないのも当然かも・・・。

私のイメージとしてギャラクシー・レーベルはもっと軟派だと思っていたので思いを新たにしました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)


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