SSブログ

Nathan Davis (ts) [N (sax)]

* SAM RIVERS, ARTHUR BLYTHE, NATHAN DAVIS, CHICO FREEMAN / ROOTS
SALUTES THE SAXOPHONE

image789.jpg

sam rivers(ts), nathan davis(ts,ss), arthur blythe(as), chico freeman(ts,ss),
don pullen(p), santi debriano(b), tommy campbell(ds)
1992/In Out/

1 Cottontail-For Ben Webster
2 Parker's Mood-For Charlie Parker
3 Impressions-For John Coltrane
4 You Don't Know What Love Is-For Eric Dolphy
5 The Panther-For Dexter Gordon
6 Body And Soul-For Coleman Hawkins
7 St,Thomas-For Sonny Rollins
8 Red Top-For Gene Ammons
9 Lester Leaps In -For Lester Young

今作の魅力はメンバーの豪華さにあります。
サックスは年齢順にサム・リヴァース(ts)、ネイザン・ディヴィス(ss)、アーサー・ブライス(as)、チコ・フリーマン(ts)です。
バックはドン・プーレン(p)、サンティ・デブリアーノ(b)、トミー・キャンベル(ds)のトリオです。
サム・リヴァースは88歳、ネイザン・ディヴィスは81歳、アーサー・ブライスは76歳ですでに亡くなっています。
チコ・フリーマン(ts)は最も若く70歳で健在です。
この4人のサックス奏者は伝統に根ざしながらもフリージャズ~ロフト・ジャズ傾向の強いミュージシャン達です。
リヴァースはマイルス・ディヴィスからフリー・ジャズの雄、ディヴィスはエリック・ドルフィ(as)との共演歴が長い、
ブライスは70年代にロフト・ジャズ・シーンで活躍、チコはシカゴ・ジャズの大御所ヴォン・フリーマンの息子です。
当然ながらこの4人のサックス奏者の中心にいるのはサム・リヴァースに他なりません。
共演のドン・プーレンも鍵盤を転がす独特のスタイルとタッチを持つユニークなピアニストで好きした。
残念ながら1995年に53歳の若さで亡くなっています。

全9曲、今作はまた1曲1曲の稀代のサックス奏者の名演に敬意を表しています。
(1)はベン・ウェブスター(ts)、(2)はチャーリー・パーカー(as)、(3)はジョン・コルトレーン(ts)、(4)はエリック・ドルフィ(as)、(5)はデクスター・ゴードン(ts)、(6)はコールマン・ホーキンス(ts)、(7)はソニー・ロリンズ(ts)、(8)ジーン・アモンズ(as)、(9)レスター・ヤング(ts)に捧げる形になっています。
この人選も絶妙で、なるほどこの人達が後のサックス奏者に与えた影響が一番大きいのかと思いました。

このメンバーなら悪かろうはずもなくどれも素晴らしい演奏が詰まっていました。
中でも私的ベストは(4)「You Don't Know What Love Is」になります。
ここでのネイザン・ディヴィスのソプラノ・サックスのバラード・プレイに痺れてしまいました。
彼に関してはエリック・ドルフィとの共演盤を聴いたことがあるだけでほとんど知らなかった。
こんなに凄いプレイヤーだったのかと認識を新たにしました。
(2)「Parker's Mood」のアーサー・ブライスやドン・プーレンのソロもまた心に残る名演です。
(3)「Impressions」ではチコ・フリーマンの強烈なソプラノ・サックス・ソロが聴けました。
(5)「The Panther」のサム・リヴァースの朗々と歌うテナー・サックスのソロなど聴きどころが満載です。
1991年ドイツ/レバークーゼン”フォーラム”での実況録音ですが司会はチコが務めていました。
1990年代の貴重盤の一枚に上げておきます。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)

nice!(0)  コメント(0) 

Nicolas Simion (ts) [N (sax)]

*NICOLAS SIMION GROUP / LIVE IN GRAZ & BRASOV
feat. Lee Konitz & Jancy Korossy

s1054.jpg

nicolas simion(ts,ss,bcl), lee konitz(as),
jancy korossy(p), james singteton(b), peter perfido(ds)
2014(2001Rec)/7dreams Records/

1 Concertino (N.Simion)
2 Body & Soul (J.Green)
3 Stella By Starlight (V.Young)
4 What's New (B.Haggart)
5 Impressions From Brasov (N.Simion/L.Konitz)
6 It's You (L.Konitz)
7 Thingin' (L.Konitz)

ルーマニアのニコラス・シミオン(ts)の名前は知っていたけど聴くのは今回が初めてです。
リー・コニッツ(as)とヤンシー・キョロシー(p)との共演とあっては見逃せません。
どんなサウンドが飛び出してくるのか?・・・久々に期待でドキドキしました。

全7曲はオリジナル4曲とスタンダード3曲です。
コニッツはきっちりとハマっていました。
というよりヨーロッパでのコニッツ・サウンドそのものと言っても過言ではありません。
それほどにコニッツがヨーロッパの先進ジャズ・メンに与えた影響が大きかったといえます。
(1)「Concertino」はピアノレス・カルテットで(4)「What's New」はコニッツのワン・ホーン・カルテットです。
バス・クラリネットは(1)と(6)で使用しています。
(2)「Body & Soul」でコニッツのソロからシミオンのソロへの繋がりはまったく違和感がありません。
続くキョロシーの緊張感をたたえたピアノ・ソロなど、もうたまりませんよ。
刻々と表情を変える(3)「Stella By Starlight」、コニッツのバラード・プレイが堪能出来(4)「What's New」、 一番の長丁場15分強の(7)「「Thingin'」も聴かせます。

ピアノレス、ドラムスやベースとのデュオなど、各曲の中で編成が自在に変化していきます。
これが独特の表情を与えていて底辺には強力なスイング感もある。
各人の実力と相まって重厚かつスリリングな第一級のジャズ・アルバムに仕上がりました。
まったく素晴らしいと思います。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)




*JANCY KOROSSY & NICOLAS SIMION QUARTET / LIVE IN BRASOV

s1056.jpg

nicolas simion(ts,ss),
jancy korossy(p), james singteton(b), peter perfido(ds)
2014(2001Rec)/7dreams Records/

1 Blues For Garay (J.Korossy)
2 You Wouldn't Believe (R.Oschanitzky)
3 Shuffle In Graz (N.Simion)
4 For Oscar (J.Korossy)
5 Meditation (J.Korossy)
6 The Game With The Ball (J.Korossy)
7 Sweet Home (N.Simion)
8 Romanian Boogie(N.Simion)

ピアニストにヤンシー・キョロシーを迎えたニコラス・シミオン(ts)のワン・ホーン作品です。
先日のリー・コニッツ入りが良かったのでもう少し聴いてみたいと思いました。

全8曲は1曲を除いてシミオンとキョロシーのオリジナルです。
ジャズ王道をゆく重厚なカルテットが聴けました。
自由自在かつスムーズに展開するシミオンのサックスとトリッキーなキョロシーのピアノ、
野太い音色で存在感抜群のベースと堅実なドラムスが織りなすサウンドについ聴き惚れてしまう。
13分を超す長丁場の(3)「Shuffle In Graz」がベスト・プレイか。
(4)「For Oscar」はピアノ・トリオで、それこそオスカー・ピーターソン張りのピアノが聴けました。
ソプラノ・サックスとピアノの絡みが面白い(7)「Sweet Hopme」、ピアノレス・トリオで演奏される(8)「Romanian Boogie」の凝った構成など聴きどころも多いです。

これがライブ盤ということを考えるとその完成度の高さに驚いてしまいます。
あっという間に時間が過ぎてしまった。
ルーマニア・ジャズの実力を示した一枚です。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)

Nir Naaman (ts) [N (sax)]

*NIR NAAMAN QUARTET & QUINTET / INDEPENDENCE

image1081.jpg

nir naaman(ts,as,ss), marcus printup(tp)(1,8,10)
geroge cables(p)(1,3,5,6,8,9,10), roy assaf(p)(2,4,7)
dezron douglas(b),
gregory hutchinson(ds)(1,3,5,8,10), ulysses owens jr(ds)(2,4,6,7)
2014/Naaman/

1 OHALI BLUES
2 DREAM
3 ESHAL ELOHAI(S.Shabazi)
4 THE VERY THOUGHT OF YOU(R.Noble)
5 DILEMMA
6 FALL
7 WINTER SUN
8 INDEPENDENCE
9 POLKA DOTS AND MOONBEAMS(J.Van-Heusen)
10 NEW ORLEANS TWIST

ニア・ナーマンは初見、イスラエル出身の新進テナー・マンです。
近年、ジャズ・シーンではイスラエル出身のジャズ・メンの活躍が目覚ましい。
ここは共演者に引かれたところがあります。
ジョージ・ケイブルス(p)とマーカス・プリンタップ(tp)です。
普段演っているのはロイ・アッサフ(p)、デズロン・ダグラス(b)、ユリシス・オウエンス(ds)あたりか。
つまり2セットの演奏が聴けるお徳用盤なんです。
注目のベーシスト、デズロン・ダグラスは先週のルイス・ヘイス盤に続いての登場です。

今作のキーはジョージ・ケイブルス(p)の参加にあると思います。
ナーマンはケイブルスとの共演を強く望んだのかな。
経験豊かなケイブルスがプロデュースしているのでソツがありません。
全10曲中、7曲が自身のオリジナルでその他3曲の構成です。
2曲のスタンダードと母国イスラエルの曲が入りました。
よく考えられた選曲と並びになっていて興味深いです。
さらに曲によってメンバーを変え、曲想も豊かで飽きさせません。

ナーマンはやさしくてやわらかな音色の持ち主です。
根っこにバップ・テイストやジョン・コルトレーンがいるので安心感もありました。
ベストは(3)「Eshai Elohai」で中近東サウンドが色濃く出ました。
クインテットによるバップ風ブルース、(1)「Ohali blues」からスタート、
スタンダードの(4)「The Very Thought Of You」、(9)「Polka Dots And Moonbeams」はバラード、
(5)「Dilemma」の疾走感、コルトレーン風味の(6)「Fall」も聴きどころになりました。
バックのケイブルスのノリと切れ味は抜群で随所でメリハリのある演奏が聴けました。
ナーマンと同じイスラエル出身のピアニスト、ロイ・アッサフにも注目です。
面白いのはベテランのケイブルスのほうが若いアッサフよりずっと激しかったことです。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(中間系)

Nobuya Sugawa 須川展也 (sax) [N (sax)]

*MOBUYA SUGAWA & RON CARTER / AIR

s416.jpg

須川展也(ss,as), ron carter(b)
2000/EASTWORLD/

クラシックとジャズをバックボーンに持つ二人のストリングス入りデュオ・アルバムです。
今回の共演は須川さんの方からロンにアプローチをして実現したそうです。
全体的にはクラシック色が強い作品ですがさすがにサックスの音色は美しいですよ。
私としては珍しいタイプの愛聴盤で新鮮な気持で毎日聴いています。

(くつろぎ系)

Nobuo Tanabe 田辺信男 (ts) [N (sax)]

*NOBUO TANABE & EAST WINDS / ROMANCE

s415.jpg

田辺信男(ts)、大橋高志(p)、小林真人(b)、八城邦義(ds)
2001/AKL/

1 Stuffy
2 Just You Just Me
3 My Romance
4 Danny Boy
5 Lester Leap In
6 Body And Soul
7 Rifftide
8 Dear Old Southland
9 Stardust
10 Blue And Sentimental
11 After You've Gone
12 Harlem Nocturne
13 Poor Butterfly

ベテラン・スイング・テナー 待望のリーダー・アルバム。
(帯中よりの抜粋)

森寿男とブルー・コーツの看板プレイヤーとして活躍した田辺信男さんの初リーダー・アルバムです。
艶のある音色とスイング感溢れる演奏が聴けました。

Nick Brignola (bs) [N (sax)]

*NICK BRIGNOLA / ALL BUSINESS

s414.jpg

nick brignola(bs,ss), dave pike(vib)
chuck d'aloia(p), john patitucci(b), billy hart(ds)
1999/Reservoir/

これまたベテラン(64歳)バリトン・サックス奏者のニック・ブリグノラの登場です、
ペッパー・アダムス、ジェリー・マリガン、ハーリー・カーネイを上手くミックスしたスタイルです。
最もオーソドックスなバリトン奏者と言えます。 クラリネットやソプラノの名手でもあります。
ジェリー・マリガン以降、一番すんなりきたバリトン奏者です。
どの作品を聴いても期待を裏切らない安定感のあるプレイヤーだと思います。
またこの新作には才人デイブ・パイク(vib)が参加していました。
「へぇー、こんなとこにいたのか」という感じですね。

(中間系)



*NICK BRIGNOLA QUARTET / THE FLIGHT OF THE EAGLE

s413.jpg

nick brignola(bs),
kenny barron(p), rufus reid(b), victor lewis(ds)
1996/Reservoir/

1 Gerrylike
2 The Flight Of Theb Eagle
3 Diz
4 A Pretty Girl Is Like A Melody
5 Body And Soul
6 Rollerblades
7 My Foolish Heart
8 The Last Of Moe Hegan

私はジェリー・マリガン(bs)からジャズに入ったのでバリトン・サックスには特別の思い入れがあります。
ニック・ブリグノラ(bs)は1936年ニューヨーク生まれ、2002年に65歳で亡くなっています。
バークリーに入学、その後ウディ・ハーマンやバディ・リッチのビック・バンドで働いたようです。
多分、その他あちこちのビック・バンドで演奏したと思います。
バリトン・サックスは希少価値があるので特にビック・バンドには引っ張りだこになる傾向があります。

ブリグノラはペッパー・アダムス、ジェリー・マリガン、ハーリー・カーネイを上手くミックスしたスタイルです。
最もオーソドックスなバリトン奏者と言えます。 クラリネットやソプラノの名手でもあります。
ジェリー・マリガン以降、一番すんなりきたバリトン奏者です。
どの作品を聴いても期待を裏切らない安定感のあるプレイヤーだと思います。

さて今作はブリグノラのワン・ホーン作品でバックはケニー・バロンのレギュラー・トリオです。
バリトン一本で通していることもあって私的には一番好きなアルバムです。
ブリグノラにしては持ち味の熱っぽさを抑えて、大人しく落ち着いて吹いています。
1曲目に「Gerrylike」とあるようにマリガンに近いクールな表情を見せてくれました。
特に「Body And Soul」や「My Foolish Heart」のバラード奏法が聴きどころになります。
それぞれの演奏も良く、音色もクリアなので完成度が高いです。

(中間系)



*NICK BRIGNOLA QUINTET / LIKE OLD TIMES

s412.jpg

nick brignola(bs,ss,cl), claudio roditi(tp),
john hicks(p), george mraz(b), dick berk(ds)
1994/Reservoir/

ニック・ブリグノラ(bs)とクラウディオ・ロディティ(tp)のフロント2管。
バックはジョン・ヒックス・トリオで熱い演奏が繰り広げられています。
(4)「More Than You Know」のクラリネットに痺れました。

「When Lights Are Low」、「More Than You Know」、
「The Night Has A Thousand Eyes」、「You Go To My Head」



*NICK BRIGNOLA QUARTET / RAINCHECK

s411.jpg

nick brignola(bs,ts,ss,cl),
kenny barron(p), george mraz(b), billy hart(ds)
1988/Reservoir/

ニック・ブリグノラ(bs)はペッパー・アダムスの熱とジェリー・マリガンの静を合わせ持つ。
主役はバリトン・サックスですがテナー、ソプラノもこなすマルチ・プレイヤーです。
バックはケニー・バロン・トリオ。
(2)「Tenderly」では達者なクラリネットが聴けました。
クリフォード・ブラウンの(8)「Joy Spring」は最高です。

「Raincheck」、「Tenderly」、「My Ship」、「I Wish I Knew」、
「Joy Spring」、「Darn That Dream」、「Jitterbug Waltz」

Nat Simpkins (ts) [N (sax)]

*NAT SIMPKINS / CAPE ANN ESCAPE

s410.jpg

nat simpkins(ts)
michael cochrane(p), calvin hill(b), cecil brooks(ds)
1999/BLUEJAY RECORDS/

ナット・シンプキンス(ts)はほとんど知られていないサックス奏者だと思います。
しかし、これが結構いいんですよ。スタンレー・タレンタイン系のテナーでソウル色が強い人です。
ここではよりアッサリ風味でスタンダードを吹いているのですっかり気に入ってしまいました。
マイケル・コクラン(p)もこんなところにいたのかという感じですけれど好演しています。
まあ、なんていうことはない作品ですが時々聴きたくなってしまう・・・そんな感じの1枚です。
みなさんにも経験がありますよね。のんびりとBGMで流すには最適のアルバムなんです。

(くつろぎ系)

「On A Misty Night」、「All The Way」、「Begin The Beguine」、
「Violets For Your Furs」、「Skylark」、「Exactly Like You」、
「A Foggy Day」、「Someone To Watch Over Me」

Naoki Iwane 岩根直樹 (as) [N (sax)]

*NAOKI IWANE QUINTET & SEXTET / DESERTED ISLAND

s409.jpg

岩根直樹(as), 池田和裕(g),
george dulin(p), chris tordini(b), tommy crane(ds)
george garzone(ts)(5,6,7,8)
2007/What'sNew Records/

リーダーの岩根直樹(as)さんをはじめ全員が初見のフレッシュなメンバーです。
もちろん、ゲストのジョージ・ガーゾーン(ts)を除いてはですが。
岩根さんはガーゾーンが絶賛している期待のアルト奏者です。
元々はピアノ~ドラム奏者だったようですがサックスに転向したと書いてありました。

初リーダー・アルバムですが全曲がメンバーのオリジナルです。
自分達の音楽を発信するとの意気込みを感じました。
現在のニューヨーク・コンテンポラリー・シーンの先頭を走っているのは誰か?
ひとつは間違いなくカート・ローゼンウィンケル(g)&マーク・ターナー(ts)の路線だと思います。
1曲目の「TWENTIETH CENTURY BEBOP」を聴いた時にはそのラインだと思いました。
ところが聴いているうちに段々違ってきてより軽快で東洋風な感じが出てきました。
ふと思ったんですが、か細く頼りない音色でフレーズをつないでいく奏法が今流行っているのではないかと。
一般的に賞賛の言葉として使われる「力強く切れのある奏法」とは一線を画した音作りです。
(5)、(6)を聴くと日本の雅楽に通じるというか、そんな感じがしました。

もう変拍子は当たり前ですね。
師匠のガーゾーンが目立たずそのサウンドに合わせているのが面白かったです。
(5)「TUNE NUMBER ZERO」における掛け合い、(7)では弾け具合といった聴き比べも楽しかった
(8)「CONCEPT OF PEACE」はテーマを持った組曲になっていてフリーの要素もあります。
岩根直樹さんと池田和裕さんの名前は忘れないでおきましょう。

--帯中よりの抜粋--
「直樹の音色、アイデア、クリエイティビティーは新鮮かつ独創性に満ちあふれ、
彼の音楽は常に新たな領域を作り出している」
--ジョージ・ガーゾーン--

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(まじめ系)

Nao Takeuchi 竹内直 (ts,bcl) [N (sax)]

* NAO TAKEUCHI QUARTET / BALLADS

image1335.jpg

takeuchi nao竹内直(ts),
ichikawa hideo市川秀男(p), pat glynn(b), gene jackson(ds)
2017/T-TOC Records/

1 Dedicated To You
2 Turn Out The Stars
3 I'm Glad There Is You
4 Lush Life
5 Zingaro
6 Tchaikovsky Cmy#5 2nd
7 Lost In The Stars
8 You Must Believe In Spring
9 The Star-Crossed Lovers
10 Lotus Blossom
11 You Are So Beautiful

竹内直(ts)さんのバラード作品集です。
ライブハウスのセット間の休憩時間にひっそりと聴こえてきました。
ちょうど好きな曲の「I'm Glad There Is You」だったので耳に留まりました。
「これはいいねぇ~、一体誰なんだ?」・・・尋ねてみたら竹内直さんでした。
知らなかった・・・こんなにいいアルバムを出していたのに気付かずに失礼しました。
ライブハウスのスケジュールで直さんの名前を見かけることは多いけど近年はご無沙汰してました。
ピアノには超ベテランの市川秀男さん、パット・グリン(b)にジーン・ジャクソン(ds)というメンバーです。

直さんについてはサキソフォビアでの活躍も忘れられません。
サックス4管のユニットとしてはワールド・サキソフォン・カルテットの日本版です。
もう20年近く続いているのかな。
メンバーは岡淳(ts,篠笛)、緑川英徳(as,ss)、竹内直(ts,bcl)、井上"JUJU"博之(bs,fl)です。
ちなみにワールド・サキソフォン・カルテットは1970年代にジュリアス・ヘンフィル(as)、オリバー・レイク(as)、デヴィッド・マレイ(ts)、ハミエット・ブルーイェット(bs)の4人のサックス奏者で組まれたユニット。
強力メンバーによる強烈な演奏が人気を博しました。
後にヘンフィルの代わりにアーサー・ブライス(as)等が加わりました。

ちょっとかすれさすようなテナー・サックスの音色・・・色っぽい表現力は絶妙な感覚です。
ファルセットのような高音部がとても綺麗に出ていてコントロールがよく利いている。
多分、直さんは繊細な神経を持っているんでしょうね。
今作もまたこれからの季節に一杯やりながらまったりと過ごすには最適だと思います。
やっぱり「I'm Glad There Is You」は最高でしたよ。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



*NAO TAKEUCHI DUO & TRIO / OBSIDIAN

s408.jpg

竹内直(bcl)
中牟礼貞則(g)、山下洋輔(p)、井上陽介(b)、江藤良人(ds)
2010/What's New Records/

1 Oblivion
2 Obsidian
3 Try A Little Tenderness
4 I Let A Song Go Out Of My Heart
5 Prelude
6 Beautiful Love
7 Kurdish Dance
8 All The Way
9 Shoter Than This
10 You Are My Everything

3月に竹内直さんのライブを聴きに行った時に入手しました。
その後であの大震災が起こって紹介するのが延び延びになりました。

これははっきりと面白いアルバムです。
バス・クラリネットだけの珍しくユニークな作品ということだけではありません。
オリジナル、ピアソラ、ショパン、エリントン、スタンダードetc・・・。
曲想も変化に富んでいて内容的にも充実した素晴らしい作品になりました。
それぞれがデュオかトリオで演奏されています。
こういうところもミュージシャン同士の対話を大事にする竹内さんのこだわりの一つだと思います。
バスクラ&ピアノ、ギター、ベース、ドラムスのデュオと色んな組み合わせのトリオが楽しめます。
どの曲もいいので目移りして選ぶのもむずかしいです。
多分、聴く人によって選ぶ曲がまったく違ってくるでしょうね。
私は(4)「I LET A SONG GO OUT OF MY HEART」、(6)「BEAUTIFUL LOVE」を選びました。

井上陽介(b)さんと江藤良人(ds)さんは竹内・カルテットのレギュラー・メンバーです。
ここに山下洋輔(p)さんと中牟礼貞則(g)さんが参加する興味深い顔合わせになりました。
竹内&中牟礼の組み合わせはライブでたまに聴くことがありますが中々面白いです。
ここでは(1)、(4)、(5)、(8)で聴けます。
一見異質なので緊張感が生じる・・・飄々とした二人のコラボレーションには味があります。
山下さんの変拍子、(7)「KURDISH DANCE」や(3)の展開も良かったです。
井上さんとの低音楽器同士のデュオ(2)、(6)、(10)にも注目しました。
(7)は江藤さんをフューチャーしたベースを加えたトリオです。

バス・クラだけのアルバムって今まで聴いたことがありません。
ジャズにおけるバス・クラリネットはエリック・ドルフィ(as)によって知られることになりました。
その音色は癒し系・・・人の声に近く、深く渋味のある音色は落ち着きます。
(注:バス・クラリネットはB♭調楽器、テナー・サックスやソプラノ・サックスと同じ)

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。