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Paul Meyers (g) [P (guitar)]

*PAUL MEYERS QUARTET / FEATURING FRANK WESS

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paul meyers(g), frank wess(ts,fl), martin wind(b), tony jefferson(ds)
andy bey(vo)(5)
2009(2007Rec)/Miles High Records/

1 SNIBOR (B.Strayhorn)
2 BLUE LANTURN (P.Meyers)
3 IN THE WEE SMALL HOURS OF THE MORNING (D.Mann/B.Hillard)
4 ONE FOR MISS D. (P.Meyers)
5 LAZY AFTERNOON (J.Latouche/J.Moross)
6 MENAGE A BLEU (F.Wess)
7 JUST ONE OF THOSE THINGS (C.Poter)
8 MY ONE AND ONLY LOVE (R.Mellin/G.Wood)
9 WHO CARES (G&I.Gershwin)
10 I COVER THE WATERFRONT (J.Green/E.Heyman)

ジャズ友のNさんが絶賛していたアルバムです。
私も気になったので購入しました。
ギタリストのポール・メイヤーズは初見、フランク・ウェス(ts,fl)がどんな演奏を聴かせてくれるのか。

全10曲は二人のオリジナル3曲とスタンダード7曲の構成です。
ヴォーカリスト好みの曲が多いのはある種のこだわりが感じられます。
ちなみに今一番興味ある曲がコール・ポーターの「Just One Of Those Things」なんです。
色んな演奏や歌を聴いています・・・これが入っているのも幸いしました。

全体的にバランスが取れた好アルバムだと思います。
しっとりと落ち着いた心地よいサウンドを演出している。
マーティン・ウィンド(b)とトニー・ジェファーソン(ds)の好センスなバッキングも光る。
ただちょっとイメージの違うアンデイ・ベイのヴォーカルは余計だったかも。

メイヤーズはナイロン弦のアコースティック・ギターを使用・・・ギターの音色も素晴らしい。
この心地よさはのルーツは誰だろうかと考えてしまいました。
ジョニー・スミスやチャーリー・バードを思い浮かべたけどそれよりずっといい感じがします。
ウェス・モンゴメリーのオクターブ奏法やケニー・バレルの夜のムードもある。
先日紹介したエド・ビッカートといい、隠れた名手はそれこそいくらでもいますね。
(9)「Who Cares」のスイング感溢れるギター・プレイはもう最高です。

フランク・ウェスは1922年生まれ、2013年に91歳で亡くなっています。
カウント・ベイシー・オーケストラでは10年以上にわたってソロイストとして活躍。
フルートをソロ楽器として認識させた功績もあります
録音時は85歳でした・・・それでこれだけ吹ければ大したものです。
バラードの(8)「My One And Only Love」は聴かせます。
(2)「Blue Lanturn」の突っ込んでくる力強いフルート・プレイにも驚きました。

雰囲気、味わい共に最高、まさにメイヤーズとの相性は抜群でした。
どの曲も素晴らしい出来で目移りしてしまいます。

こういうのを隠れた名盤というんでしょうね。
普通は85歳のフランク・ウェスをそう聴きたいとは思わないでしょう。
そこに落とし穴があります。
ウェス晩年のベスト・プレイが聴けました。
Nさん、どうもありがとう。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)

Philip Catherine (g) [P (guitar)]

*PHILIP CATHERINE QUARTET / PLAYS COLE PORTER

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philip catherine(g),
karel boehlee(p), philippe aerts(b), martijn vink(ds)
2011/Challenge Jazz/

久し振りにフィリップ・カテリーンの名前を見かけたので購入しました。
カテリーンはベルギー出身のギタリストでヨーロッパではよく知られた存在です。
そのコール・ポーター作品集で共演がカレル・ボエリー(p)なら聴いてみたいと思いました。

実にオーソドックスで端正な演奏です。
シングル・トーンで優しく暖かく、まるで歌を歌っているようなギター・プレイが聴けます。
慌てず騒がずの枯れた味わい・・・十分なキャリアを感じさせる大人のムードは特筆ものです。
カレル・ボエリーのロマンチックなピアノと併せて深夜のBGMにはピッタリじゃないかと思います。
いまひとつ刺激的なスパイスが欲しかったけど・・・。

(くつろぎ系)

「I Concentrate On You」、「So In Love」、「Why Can't You Behave」、
「Dream Dancing」、「From This Moment」、「Get Out Of Town」、
「In The Still Of The Night」、「Everytime We Say Goodbye」、etc



*PHILIP CATHERINE QUARTET / SUMMER NIGHT

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philip catherine(g)
philippe aerts(b), joost van schaik(ds), bert joris(tp,fhn)
2002/DREYFUS/

「Summer Night」、「Time After Time」、「Laura」、
「If I Should Lose You」、「'Round About Midnight」、etc



*PHILIP CATHERINE QUARTET / BLUE PRINCE

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philip catherine(g)
bert joris(tp), hein van de geyn(b), hans van oosterhout(ds)
2000/DREYFUS/

ベルギー出身のギタリスト、フィリップ・カテリーン(g)の新作です。
ご存知ない方も多いでしょうが50歳は過ぎていますしキャリアは長い人ですよ。
自己のアルバムよりも誰かのバックでプレイする方が良いタイプだと思います。
ラリー・コリエル(g)の影響でジャズ・ロックまで出来る幅広い音楽性の持ち主です。
ルーツは無論ジャンゴ・ラインハルト(g)で私はこちら系統の演奏の方が好きです。
今作品は何曲かを除いては中々良いです。特にバート・ヨリス(tp)はソフトな音色でいいなあ。
最近はフランス、ドレイファス・レーベルから意欲的に作品を出しているようですね。

(中間系)

「With A Song In My Heart」、「Memories Of You」、「Sweet Lorraine」



*PHILIP CATHERINE QUARTET / GUITAR GROOVE

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phillip catherine(g), jim beard(p), alfonso johnson(b), rodney holmes(ds)
1998/DREYFUS/

Part A: Groove
1 Merci Afrique
2 Sunset Shuffle
3 Guitar Groove
4 Good Morning Bill
5 Hello George
6 To My Sister
7 Chinese Lamp

Part B: Quiet Moments
8 Stardust
9 Here And Now
10 Nuances
11 Simply
12 For Wayne And Joe
13 Blue Bells

ヨーロッパのギタリストとしては、私が今一番注目しているフィリップ・カテリーンのアルバムです。
ヨーロッパ系のジャズ・ギターと言えば、ルーツはジャンゴ・ラインハルトですけれど、
彼もまさしくその系統で、題名通りグルービーなギター・プレイが聴けます。
共演の三人のアメリカ人がまた中々に凝った人選になっています。
ピアニストはマクラフリンやショーターのグループでお馴染みのジム・ベアード、
ウエザー・リポートのフュージョン系ベーシストのアルフォンソ・ジョンソンも参加しています。
バックも好演、特にアル・ジョンソンの安定したベース・ワークは相変わらずお見事です。

曲想によってパートA、パートBに分かれているのも面白い企画です。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



*PHILIP CATHERINE QUARTET / LIVE

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philip catherine(g)
bert van den brink(p), hein van de geyn(b), hans van oosterhout(ds)
1997/DREYFUS/

1996年、オランダのジャズ・クラブでのライブ盤です。
全10曲はオリジナル6曲とその他4曲の構成。
クリアな音色とキッチリとしたギター・プレイは聴きどころ十分です。

「I Fall In Love Too Easily」、「Stella By Starlight」

Peter Leitch (g) [P (guitar)]

*PETER LEITCH QUARTET / RED ZONE

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peter leitch(g),
kirk lightsey(p), ray drummond(b), marvin"smity"smith(ds)
(1,2,3,4,6,8,9,11)
peter leitch(g)
pepper adams(bs), john hicks(p), billy hart(ds)
(5,7,10)
1988/Reservoir/

名手ピーター・レイチの今作は2セットの組み合わせが聴けます。
そのテクニシャンぶりが満開です。

「My One And Only Love」、「Speak No Evil」、「Lush Life/Daydream」、
「I'm Getting Sentimental Over You」、「Round Midnight」、etc

Peter Bernstein (g) [P (guitar)]

* PETER BERNSTEIN QUARTET / SINGS LIVE !

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peter bernstein(g),
brad mehldau(p), christian mcbride(b), gregory hutchinson(ds)
2017/Smoke Sessions Records/

Disk1

1 Blues For Bulgaria 17:59
2 Hidden Pockets 11:37
3 Dragonfly 18:42
4 Jive Coffee 19:03
5 Pannonica (T.Monk) 8:47

Disk2

1 Useless Metaphor 11:51
2 Let Loose 15:22
3 All Too Real 13:19
4 Resplendor 8:41
5 Crepuscule With Nellie / We See (T.Monk) 14:34
6 Cupcake 13:49

ピーター・バーンステインは現在世界で最も多忙なジャズ・ギタリストですね。
それこそどこにでも出ているので寝るヒマがあるのかと思います。
それだけジャズメンの信頼が厚いということでしょうか。
確かに何でも出来る実力の持ち主で確実性があり、安心感、安定感は十分です。

今作は2015年1月に行われたリンカーン・センターのライブ2枚組です。
発売までに時間がかかったのはメンバーの契約問題だと思います。
ここはやはりメンバーが魅力的で手が伸びました。
バーンステイン、ブラッド・メルドー(p)、クリスチャン・マクブライド(b)、グレゴリー・ハッチンソン(ds)。
このメンバーなら見逃すことは出来ません。

全11曲はセロニアス・モンク(p)の2曲を除いて全て自身のオリジナルです。
そのほとんどが10分を超える長丁場になっています。
20分近い曲もいくつかあるので気合を入れて聴かねばなりませんよ。
バーンステインのクリアで切れ味鋭いギター・プレイが満喫出来ます。
各人にも十分なソロ・スペースが与えられていて聴き応えは十分です。
ただ愛聴盤にするには1曲づつが長いのでちょっと厳しいかも知れません。
そんなに緊張感は続かないから・・・。
それよりも現在の最高峰のメンバーによるライブという記録盤としての価値が出るような気がします。
やはりメルドーの存在が大きいと思います。
今作がバーンステインの代表作になるのは間違いないです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)



*PETER BERNSTEIN + 3 / STRANGER IN PARADISE

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peter bernstein(g)
brad mehldau(p), larry grenadier(b), bill stewart(ds)
2004/VENUS RECORDS/

このピーター・バーンスタインのアルバムは今年の年初に出たものですがずっと迷っていました。
注目のブラッド・メルドー(p)・トリオとの共演ですからね、気になって結局買うことにしました。
ピーター・バーンスタインは特に誰に似ているということはありません。
新旧取り混ぜた独自のスタイルを持っていると思いますがもう一つインパクトが欲しいところです。
テクニシャンでも派手さがないので典型的な玄人?好みのプレイヤーではないでしょうか。
メルドーも自己のアルバムよりはリラックスしていてストレートな表現で聴きやすいです。
この二人は旧知の間柄でクリス・クロス盤などでの共演も多くお互いに慣れ親しんだ仲です。
白眉の1曲は(4)の「HOW LITTLE WE KNOW」でトリオとのバランスは最高です。
4者一体のドライブ感が素晴らしい、各人のインター・プレイにはゾクゾクしました。
4ビートで奏でるギター・プレイが魅力の(6)、ブルージーな演奏を聴かせる(8)など。
曲目もバラエティに富んでいてよく考えられている構成だと思います。
それにやっぱりメルドーの一味違うアプローチは楽しめました、聴きどころの一つになっています。
メルドー・トリオをバックにしたこのギター・アルバムは貴重な一枚になるかもしれません。

(中間系)



*PETER BERNSTEIN QUARTET / HEART'S CONTENT

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peter bernstein(g)
brad mehldau(p), larry grenadier(b), bill stewart(ds)
2002/CRISS CROSS JAZZ/

1 Little Green Men
2 Heart's Content
3 Relativity
4 Constant Conversation
5 Dedicated To You
6 Simple As That
7 Public Domain
8 Blood Count

ピーター・バーンステインもこのところ精力的に活動していますね。
比較的オーソドックスなギター・スタイルの持ち主です。
全8曲中、6曲が自身のオリジナルになっています。
ここでの魅力はメンバー構成ということになるでしょうか。
今や超人気のピアニスト、ブラッド・メルドーとは再会セッションになります。
それぞれの道を歩んでからの共演ということで、お互いに思い入れもあったでしょうね。
二人の個性のぶつかり合いも聴きどころの一つになっています。
彼の代表作の一枚になるのは間違いないと思います。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



*PETER BERNSTEIN QUINTET / BRAIN DANCE

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peter bernstein(g), larry goldings(org), billy drummond(b),
eric alexander(ts), steve davis(tb)
1996/CRISS CROSS JAZZ/

現在ジョシュア・レッドマンやルー・ドナルドソンのグループでも活躍するピーター・バーンステインの通算3枚目のリーダー作は今最もジャズ界の話題を独占しているエリック・アレキサンダーを迎えたクインテット編成。
(帯中よりの抜粋)

Paul Jackson Jr (g) [P (guitar)]

*PAUL JACKSON JR / THE POWER OF THE STRING

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paul jackson jr(g,key)
ronnie foster(key), david woods(key), sam riney(altofl)
bony james(sax), paulinho da costa(per), wayne linsey(key), etc
2001/BLUE NOTE/

私は時々フュージョン系も聴きたくなります。
今回はポール・ジャクソン・ジュニア(g)の新作を買ってみました。
これはブルー・ノートのスムース・ジャズ路線の1枚なんですが中々いいですよ。
音色から感じるのはウェス・モンゴメリー~ジョージ・ベンソンのラインでしょうか。
オーソドックスながら切れ味のあるギターで非常に上手な人だと思いました。
何曲かヴォーカルも起用していますがそのバックで入る歌伴も至極官能的でお気に入りです。
ソフト・アンド・メロウなサウンドでゆったりとくつろぐには最適のアルバムです。

(くつろぎ系)

Pat Metheny (g) [P (guitar)]

*PAT METHENY UNITY BAND

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pat metheny(g), chris potter(ts), ben Williams(b), antonio sanchez(ds)
2012/Nonesush /

1 New Year
2 Roofdogs
3 Come and See
4 This Belongs to You
5 Leaving Town
6 Interval Waltz
7 Signals (Orchestrion Sketch)
8 Then and Now
9 Breakdealer

パット・メセニー(g)の新譜です。
近年、メセニーも精力的な活動が続いています。
前作はソロ・ギターでしたが今度は強力なグループを組んできました。
最も刺激的なサックス奏者のクリス・ポッターと暴れん坊ドラマーのアントニオ・サンチェス、
ベースのベン・ウィリアムスは2009年のモンク・コンペの優勝者で期待の若手です。
全9曲は全てメセニーのオリジナルです。
メセニーはアコースティック・ギターとエレクトリック・ギターを使い分けて新味を出しています。

メンバー構成からみても先進のジャズが聴けるのは予想できました。
予想通りスリリングな展開になっています。
ファンキーな(3)「Come and See」、スピード感溢れる(9)「Breakdealer」、
凝った演出の(7)「Signals」が印象に残りました。
メセニー、ポッター、サンチェス、ウィリアムスの4人が真正面からぶつかり合います。
この夏の熱い1枚ではありますね。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)



*PAT METHENY / WHAT'S IT ALL ABOUT

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pat metheny(g)
2011/Nonesuch/

1 The Sound Of Silence
2 Cherish
3 Alfie
4 Pipeline
5 Garota De Ipanema
6 Rainy Days And Mondays
7 That's The Way I've Always Heard It Should Be
8 Slow Hot Wind
9 Betcha By Golly, Wow
10 And I Love Her

思うにパット・メセニー(g)の登場も印象的でした。
ドイツのECMレーベルからのデビュー・・・それで最初はヨーロッパの人かと思ったんです。
もう30年以上も前のことですがあまりに鮮やかなのでこれがジャズかなと思いました。
誰にも似ていない、今までにない新しいタイプのギタリストが現れたという気がしました。
メセニーのギターは一人オーケストラ
今でも誰にも真似できない独特の感性を持つ孤高のギタリストだと思っています。

メセニーとの出会いは当時足繁く通っていたジャズ喫茶のマスターとの会話がキッカケです。
私:「だれか、最近いい人いますか?」
マスター:「パット・メセニーがいいよ」
私:「え~、そうなの・・・他には?」
マスター:「ビリー・コブハム(ds)もいいねぇ~」
もうかなりの年だったのに・・・先進のプレイヤーの名前が出てきた・・・驚いたのを思い出した。

さて、今作はソロ・ギターです。
オリジナルは1曲もなしのメセニーにしては異色のアルバムといえるでしょうね。
選曲はメセニーの若い頃、周りにはこういう曲があったということだと思います。
自分が好きな曲を好きなように弾いてみたというアルバムです。
原曲のイメージが狂うものもあるけれど俺ならこう弾くというメセニーの世界が広がっている。
いかにも私的なアルバムという感じがするので秘蔵盤という言い方がぴったりくるかもしれません。
近い年齢の人ならそれぞれに思い入れのある曲があると思います。
当時の出来事や思い出に重なるんじゃないかな。
私にも何曲かありました・・・不覚にも(3)「ALFIE」には涙が出そうになった。
好きだった(10)「AND I LOVE HER」も沁みた。
ソフトであたたかいアコースティックの調べは心にそっと寄り添ってくるような感じがする。
ちなみに音量はやや小さめがいいと思うよ。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)



*PAT METHENY & BRAD MEHLDAU / QUARTET

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pat metheny(g), brad mehldau(p)
larry grenadier(b), jeff ballard(ds)
metheny/mehldau duets (2,4,6,11)
2007/NONSUCH RECORDS/

1 A Night Away
2 The Sound Of Water
3 Fear And Trembling
4 Don't What
5 Towards The Light
6 LOng Beforer
7 En La Tierra Que No Olvida
8 Santa Cruz Slacker
9 SEcret Beach
10 Silent Movie
11 Marta's Theme

去年の「メセニー&メルドー」の続編です。
メンバーも同じ、同日録音なので悪かろうはずがない。
が、しかし、現実的で迷う問題にぶち当たります・・・「もう1枚買う必要があるかどうか?」です。
結局、2枚買っても聴くのはどちらか1枚になるのは今までの経験則から分かっています。
前作はデュオが中心でカルテットが2曲、今作はカルテットが中心でデュオが4曲の構成。
混ざっているからなおさら悩む・・・「さあー、どうしますか?、お客さん」。

結論から言えば、やはりこれは買って良かったと思いました。
最初から2枚出す予定でいたようだし、それぞれのコンセプトは考えられていたのでしょうね。
デュオ中心ならしっとり系、こちらのカルテット中心はより弾けている感じがしました。
なにしろメセニーが凄い、空間にこれだけ音の広がりを感じさせるギター奏者はいません。
自在な表現力と創造力で小宇宙を形成する・・・稀代の名手、パット・メセニーがここにいます。
これほどのギタリストを現在進行形で聴けるのは幸せだと思っています。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



*PAT METHENY & BRAD MEHLDAU / METHENY & MEHLDAU

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pat metheny(g), brad mehldau(p)
larry grenadier(b)(4,7), jeff ballard(ds)(4,7)
2006/NONSUCH/

1 Unrequited
2 Ahmid-6
3 Summer Day
4 Ring Of Life
5 Legend
6 Find Me In Your Dreams
7 Say The Brother's Name
8 Bachelors 3
9 Annie's Bittersweet Cake
10 Make Peace

このパット・メセニー(g)とブラッド・メルドー(p)の組み合わせはタイミングといい絶好の企画だと思いました。
二人共に独自の世界を持っているので聴き応えは十分、特にプロデュースしたメセニーには意欲を感じます。
才気溢れる両者のコンビネーションも抜群で、これほど相性がいいとは思いませんでした。
デュオの名盤として後世に残るのは間違いのないところです。
(4)、(7)はそのままメルドー・トリオ+メセニーで変化を持たせていますが、この構成が微妙・・・・・。
好き嫌いは別にしてもジャズ・ファン必聴のアルバムなんてそうそうあるものではありません。
2000年代のジャズを語るには欠かせない”「歴史的名盤」になる”との予感がしています。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



*PAT METHENY TRIO / TRIO 99-00

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pat metheny(g), larry grenadier(b), bill stwart(ds)
2000/Warner Bros/

パット・メセニーの純ジャズ・ギター・トリオが聴けます。

「Giant Steps」



*PAT METHENY TRIO / QUESTION AND ANSWER

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pat metheny(g), dave holland(b), roy haynes(ds)
1990/GEFFEN/

パット・メセニーのデイブ・ホランド&ロイ・ヘインズとのスーパー・トリオ。
ストレート・アヘッドなジャズ・スタンダードが聴けるのが嬉しい。

「Solar」、「All The Things You Are」、「Old Folks」



*PAT METHENY / 80/81

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pat metheny(g), charlie haden(b), jack dejohnette(ds),
dewey redman(ts), mike brecker(ts)l
1980/ECM/

パット・メセニーの登場は新しいジャズ・ギターの可能性を感じさせました。
これほど音の広がりをもつジャズ・ギタリストはいなかったから。
パットの代表作になると同時に80年代、ジャズ名盤の一枚です。

Pat Martino (g) [P (guitar)]

* PAT MARTINO TRIO & QUINTET / FORMIDABLE

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pat martino(g), pat bianchi(org), carmen intorre jr(ds),
adam niewood(ts)(1,2,3,5,7,9), alex norris(tp)(1,2,3,5,7,9)
2017/High Note/

1 El Mino (J.Calderazzo)
2 Hipsippy Blues (H.Mobley)
3 Homage (G.Niewood)
4 Duke Ellington's Sound Of Love (C.Mingus)
5 El Hombre (P.Azzara)
6 In Your Own Sweet Way (D.Brubeck)
7 Nightwings (P.Azzara)
8 In A Sentimental Mood (D.Ellington)
9 On The Stairs (P.Azzara)

パット・マルティーノ(g)の新譜です。
「恐るべし、パット・マルティーノ」のライオン・ジャケットにも惹かれました。
マルティーノはいくつになったんだろう?・・・調べたら73歳でした。
古き良き時代を知る最後のギタリストといってもいいかもしれませんね。
当時はコルトレーンと同様にインドや中近東の複合リズムに傾倒していた最先端のギタリストでした。
30代後半に病魔に倒れ、40代に復活してからは吹っ切れたように思い切りのいいプレイを展開しています。
ハード・バップの熱いギタリストとしてジャズ・シーンに確固たる地位を築いています。

全9曲は自身のオリジナルが3曲とその他6曲の構成です。
なお作曲者名のパット・アッツァーラはマルティーノの本名です。
パット・ビアンチとアレックス・ノリスは近年注目のオルガン奏者とトランペット奏者。
その他の共演者もマルティーノに起用されるのは実力のある証拠になりますね。
今作の一番の聴きどころはトリオで演奏される(4)、(6)、(8)の3曲になりました。
それぞれ曲も良いけれどオルガンをバックにマルティーノのギター・プレイが堪能できます。
オリジナルではやはり(5)「El Hombre」がカッコ良かったです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



* PAT MARTINO WITH GIL GOLDSTEIN / WE ARE TOGETHER AGAIN

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pat martino(g), gil goldstein(p)
2013/Warner Music/

パット・マルティーノは1944年生まれの現在69歳です。
このところの精力的な活動は喜ばしい限りです。
先日の来日公演でも元気な姿を見たとの話を聞きました。

マルティーノの人気も根強いですね。
リアル・タイムで進行するハード・バップの洗礼を受けた最後の年代です。
今や当時の面影を残した熱いプレイを聴けるのはマルティーノだけかもしれません。
30代後半に病魔に倒れますが40代で見事に復活してきました。
それからのマルティーノは吹っ切れたように思い切りのいいプレイを展開しています。

さて今作は1976年発表の「We'll Together Again」の再現だそうです。
ギル・ゴールドステイン(key)とのデュオです。
残念ながらこのアルバムは知らなかったし聴いたことがありません。
選曲もいいので楽しみにトレイに乗せてみると・・・拍子抜けしてしまいました。
マルティーノが持つアグレッシブでファンキーな雰囲気はどこにもなかったからです。
音使いを少なくして長音を多用・・・実に内向的で静謐な作品でした。
深く静かにゆったりと時間が流れていきます。
いわば私の知るマルティーノらしくないマルティーノがここにいました。
ゴールドステインはあまり目立たずそっと寄り添うだけです。

好き嫌いがはっきりする・・・聴く人を選ぶ作品だと思います。
マルティーノの異色作・・・私は正直物足りなさが残りました。
マルティーノにはもっとガンガン弾いてほしいので。

ちなみにギル・ゴールドステインとの共演では同じ時期に発売された「Exit」が良かった。

(くつろぎ系)



*PAT MARTINO QUARTET / UNDENIABLE
LIVE AT BLUES ALLEY

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pat martino(g),
eric alexander(ts), tony monaco(org), jeff"tain"watts(ds)
2011/HighNote)/

パット・マルティーノの新譜はジャズ仲間の評判も上々のようです。
マルティーノはある意味、最も人気のあるギタリストかもしれませんね。
現在67歳、デビューは60年代の初めで20歳そこそこでした。
リアル・タイムで進行するハード・バップの洗礼を受けた最後の年代です。
当時の面影を残した熱いプレイを聴けるのはマルティーノだけかも。
同年代のジョージ・ベンソン(g,vo)は純ジャズ路線から離れてしまいました。
80歳にして現役のジム・ホールは別格だけどこちらはクールが持ち味です。

マルティーノは若い頃、ギターのジョン・コルトレーン(ts)といわれていました。
コルトレーンと同様にインドや中近東の複合リズムに傾倒していたからです。
当時は一風変わったギタリストでした。
30代後半に病魔に倒れますが40代で見事に復活してきました。
それからのマルティーノは吹っ切れたように思い切りのいいプレイを展開しています。
後輩のギタリストに与えた影響も大きいでしょうね。
今作でもスイング感溢れるファンキーなギター・プレイを聴かせてくれています。
これだけ魅力的なファンキー・ギターを弾ける人はそういないんじゃないかな。

共演のエリック・アレキサンダーも文句なしです。
エリックはコルトレーンを最もモダンな形で聴かせてくれるテナー奏者です。
よどみないフレージングと艶のある音色は魅力十分。
私はちょっと前ならクリス・チーク、クリス・ポッター、マーク・ターナー辺りを注目していましたが
今またエリック・アレキサンダーやハリー・アレンをよく聴いています。

全7曲は1曲を除いてマルティーノのオリジナルです。
1曲目の「LEAN YEARS」は幕開けにふさわしくスリル満点、このノリはもうたまりませんよ。
これで一気に引き付けられてしまいました。
3曲目「GOIN' TO A MEETING」は観客の盛り上がりも最高潮です。
ファンキー・サウンドは「これでもか」という同じフレーズの繰り返しに熱く燃えます。
ブルージーな(5)「MIDNIGHT SPECIALl」ではオルガンのトニー・モナコがフューチュアーされました。
(6)「'ROUND MIDNIGHT」はバラード・・・マルティーノのバラードはいまひとつだと思います。
未だに枯れていない証拠かもしれませんね。
プレイが若々しいです。

ファンキー&グルービーなサウンドならオルガン・トリオが一番でしょう。
オルガン・トリオが醸し出す雰囲気はもう最高!!
自然に身体が揺れてくるんです。
パット・マルティーノとエリック・アレキダンダーには色気があります。
二人のユニゾンには痺れました。
ビシバシとワイルドなドラミングを聴かせるジェフ・ワッツが引き締め、
トニー・モナコのオルガンが全体のムードをぐっと高めています。
このアルバムは良かった。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



*PAT MARTINO TRIO / LIVE AT YOSHI'S

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pat martino(g), joey defrancesco(org), billy hart(ds)
2001/Blue Note/

孤高のジャズ・ギタリストが限界まで弾き倒した怒涛の76分。
ブルー・ノート第3弾はオルガン・トリオ編成によるライブ・レコーディング!
--帯中よりの抜粋--


強烈なスイング感と抜群のテクニックが素晴らしい。

「Oleo」、「All Blues」、「Blue In Green」



*PAT MARTINO QUINTET / STONE BLUE

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pat martino(g), eric alexander(ts),
delmar brown(key), james genus(elb), kenwood dennard(ds)
1998/Blue Note/

スペシャル・ゲスト:エリック・アレキサンダー
神技極まる!!超絶技巧を駆使してジャズ・ギターの深遠に迫る。
復活!ジョイアス・レイク・バンドとの最新作登場!!
--帯中よりの抜粋--

全9曲は全てマルティーノのオリジナルです。



*PAT MARTINO QUARTET / FOOTPRINTS

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pat martino(g),
richard davis(b), billy higgins(ds), bobby rose(second guitar)
2003(1975Rec)/Savoy(Muse)/

1 The Visit
2 What Are You Doing The Rest Of Your Life ?
3 Road Song
4 Footprints
5 How Insensitive
6 Alone Together

輸入ジャズ廉価版シリーズを見ていて欲しくなりました。
オリジナルは1975年発売のパット・マルティーノ(g)・カルテットです。
シルバー・ジャケットで知られるMuse原盤は珍しいかもしれません。

ここは選曲に興味を持ちました。
ウェス・モンゴメリー(g)の(3)「ROAD SONG」、ジョビンの(5)「HOW INSENSITIVE」、ウエイン・ショーター(ts)の(4)「FOOTPRINTS」など。
いわゆるジャズのスタンダードをマルティーノがどう料理しているのかが聴きたかった。

間延びして途切れるように終わってしまう(2)「WHAT ARE YOU DOING~」は何とも。
それ以外は聴き味がいいです。
近年の疾走感のある刺激的な演奏とは一線を画します。
大きく鷹揚である種の気だるさもありました。
特に「ROAD SONG」や「HOW INSENSITIVE」がいいですね。
この2曲を何度も聴いてしまいました。
じっくりと聴いているとマルティーノのボサノバがこんなにいいとは思わなかった。
表題曲のショーターの「FOOTPRINTS」はちょっと凝り過ぎた感があります。
この曲は今でこそ当たり前ですが当時のギタリストが取り上げたことが驚きです。

今作はウエス・モンゴメリーに捧げる作品にもなっているようですね。
マルティーノがどれほどウエスを敬愛していたのかがよく分かりますよ。
存在感のあるリチャード・デイヴィスのベース・プレイにも注目しました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)

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