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Harry Verbeke (ts) [H (sax)]

* HARRY VERBEKE & ROB AGERBEEK QUARTET / GIBRALTAR

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harry verbeke(ts),
rob agerbeek(p), herbie lewis(b), billy higgins(ds)
1979/Timeless/

1 Gibraltar
2 It Could Happen To You
3 Laura
4 Holy Land
5 No Problem.
6 Soul Sister
7 Stardust
8 No Me Esqueca (Recorda Me)

ジャズ仲間のNさんが名盤だと絶賛していたアルバムです。
それならというので入手してみました。
結果は「素晴らしかった」です。

タイムレスはオランダのレーベルですね。
私は1970~80年代にかけて仕事と子育てに忙しく、ほとんどジャズを聴かない時期がありました。
いわば空白の時間です。
そんな時にタイムレスが発足しているのでほんの数枚のLPを持っているだけです。

今作はオランダのハリー・バーヴェク(ts)とロブ・アフルベーク(p)にアメリカのハービー・ルイス(b)とビリー・ヒギンス(ds)の組み合わせです。
フレディ・ハバード(tp)の(1)、シダー・ウォルトン(p)の(4)、デューク・ジョーダン(p)の(5)、ホレス・シルバー(p)の(6)、ジョー・ヘンダーソン(ts)の(8)などのモダン・ジャズの名曲とスタンダードのバラード3曲の構成で選曲も申し分ありません。

特にヴァーベクの自由自在に展開するテナー・プレイに注目しました。
本当に上手いです。
そのテクニシャンぶりと激しく艶やかな音色には驚いてしまいました。
テナー・サックス本来の魅力に溢れています。
どれも良いけれど私的ベストには(5)「No Problem.」を上げたいと思います。
この曲でのバックの3人がまた素晴らしくてアフルベーク~ルイス~ヒギンスの演奏にも痺れました。
確かにオランダ・ジャズの最高峰が聴けました。
まさに名盤と呼ぶにふさわしい作品です。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)

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Hacke Bjorksten (ts) [H (sax)]

*HACKE BJORKSTEN TRIO / TOP THREE

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hacke bjorksten(ts,ss), ulf johansson werre(p,vo), hans backenroth(b)
2014/Do Music Records/

1 Don't Get Around Much Anymore(D.Ellington)
2 After You've Gone(T.Layton/H.Creamer)
3 The Swan / Le Cygne(C.S.Saens)
4 Tricotism(O.Pettiford)
5 Don't Get Sloppy(U.Johansson)
6 Yesterdays(J.Kern)
7 Badinerie(J.S.Bach)
8 What Is This Thing Called Love(C.Poter)
9 Polska Fran Gemala(H.Bjorksten)
10 Fine And Dandy(K.Swift)
11 Adagio(T.Albinoni)
12 Come Rain Or Come Shine(H.Arlen)

スウェーデン発の熟年ドラムレス・トリオの作品です。
「Hacke Bjorksten」は何と読むのか、むずかしいですね。
コールマン・ホーキンスの流れを汲む骨太な音色を持つ中間派のテナー奏者です。
ノスタルジックな味わいを持つ、よく歌うトリオと言ったら良いでしょうか。
全12曲はジャズ・スタンダードが7曲、クラシックが3曲、オリジナルが2曲の構成です。

(2)「After You've Gone」ではピアニストのシブいヴォーカルも聴けます。
(6)「Yesterdays」はこのトリオにはピッタリの選曲か。
(8)「What Is This Thing Called Love」は凝ったアレンジで楽しめました。
サン=サーンスの(3)「The Swan/Le Cygne」では詩的な演奏が聴きどころ、クラシックは他にバッハの(7)「Badinerie」とアルビノーニの(11)「Adagio」が入っています。

ずばり、安定感や安心感を味わう作品だと思います。
刺激は少ないですがじんわりと耳に馴染んできます。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)

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Houston Person (ts) [H (sax)]

* HOUSTON PERSON SEXTET / RAIN OR SHINE

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houston person(ts), warren vache(cor)(1,2,4,6,8), rodney jones(g)(except7),
lafayette harris(p), matthew parrish(b), vincent ector(ds)
2017/High Note/

1 Come Rsain Or Come Shine (J.Mercer/H.Arlen)
2 132nd And Madison (O.A.Gumbs)
3 Everything Must Change (B.Ighner)
4 Learnin' The Blues (D.V.Silvers)
5 I Wonder Where Our Love Has Gone (B.Johnson)
6 Soupbone (R.Jones)
7 Never Let Me Go (J.W.Scott)
8 Our Day Will Come (M.Garson/B.Hilliard)
9 Danny Boy (Public Domain)

ヒューストン・パーソン(ts)は83歳になりました。
まだ意欲は十分に感じる・・・この年でのリーダー・アルバムは凄いです。
多少の衰えは感じるけれどもしょうがない・・・むしろここまで現役でいることだけでも立派です。
パーソンより年上で頑張っているのは84歳になったウェイン・ショーター(ts)以外には思い浮かびません。
どこまで現役でいられるのかには興味があります。
ピアニストだとハンク・ジョーンズの91歳、ジョン・ルイスの90歳が記憶に残っています。

全9曲はメンバーのオリジナル1曲にその他8曲の構成です。
共演者での注目はウォーレン・バシェ(cor)とロドニー・ジョーンズ(g)です。
バシェは意外な組み合わせ・・・ソウル色の強い演奏は初めて聴きました。
同じコルネット奏者のナット・アダレイやルビー・ブラフの影響下にあるのがよく分かりました。
ロドニー・ジョーンズはファンキー&ソウルなギタリストなので相性ピッタリの組み合わせです。
ベストはワン・ホーンでじっくりと聴かせる(3)「Everything Must Change」です。
ここではジョーンズの艶やかでユニークな素晴らしいギター・プレイが聴けました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



*HOUSTON PERSON QUINTET / TO ETTA WITH LOVE

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houston person(ts)
stan hope(p), paul bollenback(g), per-ola gadd(b), chip white(ds)
2004/HIGHNOTE/

今週は熟年の渋いテナー奏者が2枚の紹介になりました。
それぞれの持ち味が大きく異なるので聴き比べてみるのが面白かったです。
お正月はお休みではあるけれど、所用や人の出入りがあってけっこう慌しいですね。
そんな時にホッとしてくつろげるアルバムが欲しくなりませんか。
ヒューストン・パーソンはそんな時には頼りになるお助けマンです。
カクテル・テナー風でどれを聴いても金太郎飴みたいなものですが癒しのテナーとして時々聴きたくなります。
このところ毎年コンスタントにリリースしているので売れているんでしょうね。
これはエッタ・ジョーンズ(vo)に捧げた作品で全10曲は全て唄ものになっています。
唄ものはメロディ・ラインが美しいのでBGMで流しているとちょうど良い按配です。
特にこれといったことはありませんが安心感と安定感が最大の特徴です。
まろやかでやわらかい音色はクール・テナーそのものの趣です。

「It's Magic」、「Love Walked In」、「Don't Misunderstand」、「I Should Care」、
「Don't Go To Strangers」、「For All We Know」、「Since I Fell For You」、
「Ain't Misbebavin'」、「What A Wonderful World」、「Gee Baby Ain't I Good To You」

(くつろぎ系)



*HOUSTON PERSON QUINTET / SOCIAL CALL

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houston person(ts)
stan hope(p), pail bollenback(g), per-ola gadd(b)
chip white(ds)
2003/HIGHNOTE/

ヒューストン・パーソン(ts)もこのところコンスタントに作品をリリースしています。
内容はほぼ同じだと思いながらもつい買ってしまうという感じです。
こういったカクテル・テナー風のジャズにも根強いファンがいるということですね。
今回はメンバーを一新して新味を出していますが雰囲気は相変わらずムーディです。
グラスを片手に気軽に聴きたい一枚。

「Social Call」、「If You Could See Me Now」、「Juicy Lucy」、
「Evening Star」、「The End Of A Love Affair」、「Bewitched」、
「I'll Let You Know」、「Stolen Sweet」、「Day Dream」、
「Easy Walker」、「Some Other Spring」

(くつろぎ系)



*HOUSTON PERSON QUINTET / SENTIMENTAL JOURNEY

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houston person(ts), russell malone(g)(1,3,5,6)
richard wyands(p), peter washington(b), grady tate(ds)
2002/HIGHNOTE/

ヒューストン・パーソン(ts)もコンスタントにアルバムを出しています。
彼みたいな癒し系のテナー奏者にも私を含めて根強い支持がある証拠です。
スタンダードを中心に甘く切ないテナー・サウンドを聴かせてくれます。
たまにはこういうのもよろしいのではないでしょうか。
今作品は前作のメンバーにラッセル・マローン(g)をゲストに迎えて新味を加えています。

「Sentimental Journey」、「A Sunday Kind Of Love」、「It Had To Be You」、
「Fools Rush In」、「Black Velvet」、「Save Your Love For Me」、「What'll I Do」、
「I Love You Yes I Do」、「Canadian Sunset」

(くつろぎ系)



*HOUSTON PERSON QUARTET / BLUE VELVET

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houston person(ts)
richard wyands(p), ray drummond(b), grady tate(ds)
2001/HIGH NOTE/

ヒューストン・パーソン(ts)、こういったムード・テナーもたまには聴きたくなります。
このところコンスタントに新作を出してくれています。
バックには気心の知れたメンバーを起用してやわらかく温かなサウンドを聴かせてくれました。
リチャード・ワイアンズ(p)やグラディ・テイト(ds)の参加も嬉しいですね。
ボビー・ヴィントンの大ヒット曲、「ブルー・ヴェルベット」を取り上げたのも懐かしかったです。
ムードは満点、深夜のくつろぎのひと時にはピッタリのアルバムです。

「Everyyhing I Have Is Yours」、「Wonder Why」、「Blame It On My Youth」、
「Too Late Now」、「There's No You」、「Be My Love」、「I Want To Talk About You」、
「I Hadn't Anyone Till You」、「Blue Velvet」

(くつろぎ系)



*HOUSTON PERSON QUARTET / IN A SENTIMENTAL MOOD

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houston person(ts),
stan hope(p), george kaye(b), chip white(ds)
2000/HighNote/

1 Don't Get Around Much Anymore
2 Tenderly
3 Skylark
4 You Don't Know What Love Is
5 The Way We Were
6 My Funny Valentine
7 All The Things You Are
8 Good Morning Heartache
9 Without A Song
10 In A Sentimental Mood
11 Embraceable You
12 Deed I Do

ヒューストン・パーソンは1934年生まれで現在82歳です。
未だに現役で頑張ってくれているのは嬉しいです。
元々はソウル色が強いテナー・マン。
1960年代から活躍していますがその頃はまったくのノーマークでした。
その後は長く歌手のエッタ・ジョーンズと行動を共にしていたようなので知らなかったです。
90年代になってHighNote盤を聴いてからCDショップで見かける度に買うようになりました。
ソウル・ジャズやスムーズ・ジャズとは一線を画す、落ち着いた雰囲気のムード溢れるジャズです。
安定した実力の持ち主で太くてソフトな音色はテナー・サックスの魅力が十分です。
いつも甘くムーディな演奏に癒されています。
今作はその特徴が最も強く現れた作品だと思います。

(くつろぎ系)



* TEDDY EDWARDS & HOUSTON PERSON QUINTET / CLOSEENCOUNTERS

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teddy edwards(ts), houston person(ts),
stan hope(p), ray drummond(b), kenny washington(ds)
1999/HighNote/

1 Twisted
2 Blue And Sentimental
3 Pennies From Heaven
4 Night Train
5 I Don't Stand A Ghost Of A Chance
6 The Breeze And I
7 Little Girl Blue

テディ・エドワーズとヒューストン・パーソンのベテラン・テナー・マン共演の作品です。
テディ・エドワーズは西海岸を中心に活躍していました。
一時期クリフォード・ブラウン(tp)&マックス・ローチ(ds)の名コンボに在籍したこともあります。
1924年生まれ2003年に78歳で亡くなっています。
テディの音色はソフトで明るくあっさりタイプです。
ヒューストン・パーソンは1934年生まれなのでテディより10歳若いです。
こちらは84歳で未だ現役なのでジャズ怪物の一人になりますね。
パーソンは本来ソウル色が強かったですがソフトなムード路線に転換して成功しました。
現在はHighNoteレーベルの看板テナー奏者でプロデューサーも兼任しています。

そんな二人のテナー・プレイが満喫できるアルバムで徳用盤です。
特に(7)「Little Girl Blue」が聴きどころで、二人のバラード奏法を聴いて欲しい。
(3)「Pennies From Heaven」の絶妙なノリにも注目しました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



*HOUSTON PERSON QUINTET / SOFT LIGHT

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houston person(ts), russell malone(g),
richard wyands(p), ray drummond(b), grady tate(ds)
1999/HIGH NOTE/

ヒューストン・パーソン(ts)のスタンダード作品集です。
金太郎飴的ではあるけれどこの味は捨てがたいものがあります。

「Here's That Rainy Day」、「I Only Have Eyes For You」、「It Might As Well Be Spring」、
「Do Nothing Till You Hear From Me」、「At Last」、「The Night We Called It A Day」、
「It Shouldn't Happen To A Dream」、「I'll Be Around」、「Hey There」、「If」



* HOUSTON PERSON SEXTET / WHY NOT !

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houston person(ts), philip harper(tp), randy johnson(g),
joey defrancesco(org), winard haper(ds), sammy figueroa(cong,per)
1990/Muse/

1 Why Not ?
2 As Time Goes By
3 Namely You
4 Where Is Love
5 Joey's Blues
6 Blue Gardenia
7 Deed I Do

ヒューストン・パーソン(ts)の1990年のミューズ盤です。
近年パーソンはじわじわと人気上昇中でジャズ友との話題になることも多くなりました。
現在80歳を過ぎてもなおHighNoteレーベルの看板テナー奏者として演奏しているのは凄いです。
私にとっても気になるテナー奏者の一人になっているので見つけたら必ず手が伸びます。
ここはハーパー・ブラザーズとの共演とジョーイ・デフランチェスコ(org)の参加に注目です。
当時若手のデフランチェスコにとっても胸を借りるにちょうど良い相手だったと思います。
ベテランのソウル・テナー奏者との共演は勉強になったのではないかな。

全7曲はパーソンの(1)、デフランチェスコの(5)とその他5曲の構成です。
今から30年近く前のアルバムなのでパーソンも音が若くてパワフルで切れ味もありました。
ビック・トーンでブルージーに聴かせる(2)「As Time Goes By」が素晴らしい。
ゆったりとした流れの(6)「Blue Gardenia」も良かったです。

(くつろぎ系)

Hiromi Masuda 増田ひろみ (as) [H (sax)]

*HIROMI MASUDA QUARTET / MAYBE SEPTEMBER

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増田ひろみ(as),
gene dinovi(p), neil swainson(b), ernesto cervini(ds)
2010/Marshmallow/

今作はライブ会場で購入しました。
初リーダー・アルバムの共演がカナダのジーン・ディノヴィ・トリオになりました。
いきなり超ベテランの名手が相手では相当に緊張したと思います。
でも見事にそれをやり遂げたので大きな自信になったでしょうね。

演目はぶっつけ本番のスタンダードが中心です。
表題曲になったバラードの(4)「MAYBE SEPTENBER)」とラテンの(8)「TICO TICO」がこだわりか。
前者はロマンチックなスロー・バラードにおける表現力と後者はサックスでは至難の曲に挑戦しています。
私的ベストはピアノレス・トリオで演奏された(4)「WHAT IS THIS THING CALLED LOVE」でした。
抜群の緊張感でスウェインソン(b)とチェルヴィーニ(ds)のリズムがいかに素晴らしいかの証明になりました。
(2)「YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO」も負けず劣らずの内容でいいです。
こちらはリフから入る意表を突く展開になりました。
アタックの強さ、スイング感、フレーズ、伸び伸びとプレイしていて申し分ありません。
続いて前述の(8)、(4)、(9)「FLY ME TO THE MOON」、(6)「ALL THE THINGS YOUR ARE」、
(7)「THE SHADOW OF YOUR SMILE」も聴きどころがあります。
スタンダードでもアプローチの仕方によって十分刺激的になることを実感しました。

増田ひろみさんの根っこはレニー・トリスターノ(p)派のリー・コニッツ(as)だと思います。
ライブ・レポートでも書きましたが、ちょっとかすれたような独特の音色は心地良いです。
改めてこれほどクールな感覚を出せる女性プレイヤーは少ないと思いました。
楽器の音色は人の声と同じでそれぞれに好みがありますね。
増田さんの高過ぎず低過ぎずの丸みのある音色は聴いていて疲れません。
まるで歌を聴いているような気分になりました。
もう一人の主役はベーシストのニール・スウェインソンと思います。
そっと寄り添うようで刺激を与えるベース・ラインはまったく素晴らしいです。
随所で展開されるベース・ソロにも聴きどころは十分です。
ディノヴィさんは控え目でしたが(7)、(9)ではさすがのプレイを聴かせてくれました。
若手ドラマーのアーネスト・チェルヴィーニはディノヴィさんの秘蔵っ子のようです。

今作はプレイヤーの音楽性を重視した良心的な作品に仕上がっています。
もちろん、まだ荒削りですがそれをはるかに上回る魅力的なアルバムです。
初リーダー・アルバムでここまで自由にできるのはそうはないと思います。
プロデューサーの厚意を感じました。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(中間系)

Hidefumi Toki 土岐英史 (as) [H (sax)]

*HIDEFUMI TOKI QUARTET / THE GOOD LIFE

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土岐英史(as),
大石学(p), 坂井紅介(b), 日野元彦(ds)
1996/Fun House/

土岐英史(as)さんの珠玉のバラード演奏集です。
あるCDショップの中古盤売り場で見つけました。
数年前までは中古盤売り場もけっこうマメに見ていましたが最近はすっかり根気がなくなりました。
いつもは見ないんだけど久し振りに何気なく見ていたらポツンとあったんです。
それも田村博(p)さんのアルバムと一緒に並んでいました。
最初は「一瞬、何でここにあるの?、ホントかなぁー」と思いましたよ。
まさかこんなところで出合うとは思わなかったですが探していたアルバムだったので嬉しかったです。
さしづめ「犬も歩けば棒にあたる」かな・・・やっぱり出歩いてみるもんですね。
改めてレコードやCD蒐集はマメに動いている人が強いと思いました。

スタンダード中心のバラード集ですがオリジナルの3曲がアクセントになっている構成もいいです。
じっくりと聴かせる土岐さんのプレイもさることながら美しく瑞々しい大石さんのピアノも光ります。
圧巻はピアノレス・トリオで演奏される(5)「MY ONE AND ONLY LOVE」で10分強の熱演。
紅介さんのベース、元彦さんのブラシのコンビネーションもよく最高の仕上がりです。
(8)「BODY AND SOUL」はベースとのデュオ、小品ですが素晴らしかった。
ゆったりとした気分で心に沁み入る演奏を聴きたいと思います。

この作品はジャズ仲間のAさんのジャズ聴きのキッカケになったアルバムだそうです。
聴けばそれも十分納得できます。
このラインにはもう一枚「イン・ナ・センチメンタル・ムード」(1992Rec)があります。
土岐英史(as,ss)、鈴木宏昌(p)、野力奏一(p)、桜井郁雄(b)、日野元彦(ds)
現在は2枚共に入手困難になっているのは残念です。
土岐さんのライブは2006年の6月に行ってますがそれ以来3年近くも見ていないのはまずいですね。
早速、機会を見つけて出かけようかと思っています。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(くつろぎ系)



*HIDEFUMI TOKI QUARTET / IN A SENTIMENTAL MOOD

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土岐英史(as),
鈴木宏昌(p), 野力奏一(p)、桜井郁雄(b), 日野元彦(ds)
1992/Fun House/

1 In A Sentimental Mood
2 How Insensitive
3 You Are Too Beautiful
4 My Foolish Heart
5 Wyeth
6 Blues For Toko & Yoko
7 Who Cares ?
8 Smoke Gets In Your Eyes

セクシーでソウルフルなバラード・プレイを中心とした土岐英史のニュー・アルバム。
(帯中よりの抜粋)

これがまた素晴らしいアルバムです。



* HIDEFUMI TOKI / BRASIL TOKI & SAMBA FRIENDS

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土岐英史hidefumi toki(as),
helio celso(p,elp), 中村善郎yoshiro nakamura(g), albert beserra(elb),
aemand araujo(ds), francis silva(per), leila maria(vo),
Guest
松岡直也naoya matsuoka(synth), 向井滋春sigeharu mukai(tb), 和田アキラakira wada(g)
1981/RVC/

Side A
1 Maracana
2 Morena
3 Aquarela do Brasil
Side B
1 Recado
2 Dindi
3 Tijuca
4 Minha Saudade

土岐英史(as)さんのフュージョン盤です。
本場ブラジルのミュージシャンが繰り出すリズムをバックに吹きまくっています。
この頃日本を代表するアルト・サックス奏者として輝いていました。
もちろん今でも第一線で活躍中ですがやっぱり若さって凄いですよ。
大成するミュージシャンは例外なく音に特徴があります。
聴けば一目瞭然でその素晴らしさが実感できると思います。
切れ味の鋭さ、音の美しさ、魅力的なフレージング、スピード感に溢れる演奏に痺れました。
ボサノバ・ギターの第一人者の中村善郎(g)さん、松岡直也(p)&ウィッシングの松岡さん、土岐さんとは同年代の向井滋春(tb)さん、プリズムの和田アキラ(g)さんの名前も見えます。

(くつろぎ系)

Herb Geller (as) [H (sax)]

*HERB GELLER & LORRAINE GELLER QUARTET/ GELLERS

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herb geller(as) lorraine geller(p) keith mitchell(b), mel lewis(ds)
1955/Emarcy/

西海岸のアルト・サックスの名手、ハーブ・ゲラーと奥方のロレインの双頭バンドです。
パワフルでエネルギッシュな超絶テクニックが聴けます。

「Come Rain Or Come Shine」、「If I Were A Bell」、「Bewitched」

Harry Allen (ts) [H (sax)]

* DAVE BLENKHORN & HARRY ALLEN / UNDER A BLANKET OF BLUE

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dave blenkhorn(g), harry allen(ts)
2020/GAC Records/

1 There's A Small Hotel (R.Rodgers/L.Hart)
2 We'll Be Together Again (C.T.Fischer/F.Laine)
3 Dindi (A.C.Jobim)
4 Bewitched, Bothered And Bewildered (R.Rodgers/L.Hart)
5 Under A Blanket Of Blue (J.Livingston/M.Symes/A.J.Nelburg)
6 Street Of Dreams (V.Young/S.M.Lewis)
7 La Mer (C.Trenet)
8 Imagination (J.V.Heusen/J.Burke)
9 The Bloody Happy Song (H.Allen)
10 Solitude (D.Ellington/E.Delange/I.Mills)

古い良い曲探しでお気に入りのロジャース&ハートの「There's A Small Hotel」をここで見つけた。
何という偶然なのか、不思議なものですね・・・聴きたいと思っていると向こうからやってくる。

今作はギターとテナー・サックスのデュオ作品で全10曲は落ち着いたスタンダードが中心です。
ギタリストのデイヴ・ブレンクホーンは初見、オーストラリア出身で現在はヨーロッパで活躍中とあります。
ご存知ハリー・アレン(ts)は多作家で有名、スコット・ハミルトン(ts)を継ぐ安心感、安定感の持ち主です。
家でのんびりとBGMで流すには最適でゆったりとリラックスした演奏が聴けました。
表題曲の「Under A Blanket Of Blue」や「Street Of Dreams」もめったに聴けない古い曲です。

久し振りの新譜紹介だけどコロナ禍でアメリカとフランスをオンラインで繋いでのレコーディングです。
これからはこういう形が増えてくるのかも知れませんね。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)



* HARRY ALLEN QUARTET / FRENCH LULLABY

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harry allen(ts),
jacob fischer(g), hans backenroth(b), kristian leth(ds)
2018/Venus/

1 I Will Wait For You (M.Legrand)
2 La Mer (C.Trenet)
3 C'est Si Bon (H.Betti)
4 THe Summer Knows (M.Legrand)
5 Chateau En Suede (Senechal)
6 Autumn Leaves (J.Kosma)
7 C'est Magnifigue (C.Porter)
8 My Way (C.Francois/J.Revaux)
9 LA Vie En Rose (L.Guglielmi/Louiguy)
10 I Love Paris (C.Porter)
11 I Wish You Love (C.Trenet)
12 What Are You Doing THe Rest Of Your Life (M.Legrand)

エリック・アレキサンダー(ts)を聴くとなぜかハリー・アレン(ts)が聴きたくなります。
私にとってはエリックとハリーは一対のような気がします。
手持ちのCDもエリック同様に多いです。

全12曲、ハリー・アレンの新作はフランスにちなんだ名曲を演奏したものになりました。
ハリーにとっては何度も演奏してきた馴染みのある曲ばかりだと思います。
緊張感ゼロの手慣れた感じで安定感は十分、貫禄の一枚になっています。
ハリーのテナーは本当に上手いと思うけどあんまり同楽器での共演はないですね。
相性の良さそうなスコット・ハミルトン(ts)との共演盤を聴いたことがあるだけかな。
ギター入りカルテットではジョー・コーン(g)とのコンビが知られています。

今回のギタリストがヤコブ・フィッシャーというのが新味です。
フィッシャーはデンマークを代表するギタリストでアコースティック・ギターが美しい。
あと面白いのがユニークな歌舞伎のジャケットだと思います。
これは海外で人気になるんじゃないかな。

(くつろぎ系)



*HARRY ALLEN NEW YORK SAXOPHONE BAND / THE CANDY MEN

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harry allen(ts), gary smulyan(bs), eric alexander(ts), grant stewart(ts)
rossano sportiello(p), joel forbes(b), kevin kanner(ds)
2016/Arbors/

1 Four Brothers (J.Jiuffre)
2 The One For You (H.Allen/J.Carmichael)
3 How Are Things In Glocca Morra ? (E.Y.Harburg/B.Lane)
4 After You've Gone (H.Creamer/T.Layton)
5 I Wished On The Moon (D.Parker/R Rainger)
6 Blues In The Morning (H.Allen)
7 I Can See Forever (H.Allen/J.Carmichael)
8 The Red Door (G.Mulligan/Z.Sims)
9 The Candy Man (L.Bricusse/A.Newley)
10 So There (H.Allen)
11 Nobody's Heart (L.Hart/R.Rodgers)
12 The Party's Over (B.Comden/A.Green/J.Styne)

私は常々ハリー・アレン(ts)とエリック・アレキサンダー(ts)の共演が聴きたいと言ってきました。
それが図らずもこんな形で実現するとは思わなかったです。
ゲイリー・スマリアン(bs)とグラント・スチュアート(ts)を加えたサックス4本の作品。
狙いは明らかに1940年代に人気を博したウディ・ハーマン楽団の「Second Herd」です。
ウェスト・コースト・ジャズのクール・サウンドをビックバンドで演奏した。
4人のサックス奏者はスタン・ゲッツ(ts)、ズート・シムズ(ts)、ハービー・スチュワード(ts)、サージ・チャロフ(bs)。
テナー・サックス3本にバリトン・サックス1本の組み合わせ。
それを現代に再現しようという試みです。

内容は申し分ありません。
それぞれが実力者なので安定した仕上がりです。
スマリアンのバリトン・サックスが決め手になってアンサンブルやハーモニーが重厚になりました。
私的ベストは何といっても(8)「The Red Door」です。
ジェリー・マリガンのビック・バンドにズート・シムズが客演したのが初演で思い入れが深いです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



*HARRY ALLEN QUARTET / LONDON DATE

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harry allen(ts),
andrea pozza(p), simon woolf(b), steve brown(ds)
2016/Trio Records/

1 This Is My Lucky Day (Allen/Carmichael)
2 ATime For Love (Mandel/Webster)/You Are There (Mandel/Frishberg)
3 June Song (Allen/Carmichael)
4 Where No Man Has Gone Before (Theme From Star Trek) (Courage)
5 Here's That Rainy Day (Van Heusen/Burke)
6 (Back Home Again In) Indiana (Macdonald/Hanley)
7 Our Love Is Here To Stay (Gershwin)

ハリー・アレン(ts)のライブ盤を聴くのは久し振りです。
アレンはエリック・アレキサンダーと対で聴くことが多いので一応収集対象ではあります。
でも数が多いので追いかけきれないでいます。
エリックほど思い入れがないのも事実ですが。

今作はしっとりとしたシックな仕上がりです。
余りの心地良さに私は眠くなってしまいました。
ゆるやかに流れるスイング感に包まれるような感じがします。

ライブということもあって1曲の時間が長いです。
その分、じっくりとアレンやメンバーの演奏を聴くことができました。
ピアノはイタリアの名手アンドレア・ポッザ、プロデューサーはベーシストのサイモン・ウールフです。
(2)のスロー・バラードではアレンの安定したサックスの音色が素晴らしい。
ゆったりとしたテンポをやわらかく吹き切る・・・この人は本当に上手いと思います。
逆にそれが仇になって器用貧乏に陥っていることがあるかもですね。
ボサノバのハリー・アレンという評価も片手落ちで純ジャズ路線でも十分聴き応えがあります。
そのボサノバは(4)で聴けるけど手慣れたものです。
(5)のビブラート奏法なんて現代テナーの最高峰が聴けます・・・正に絶品です。

私は常々「エリックと共演させたいなぁ~」と思っています。
どういう展開になるんだろうか?
興味は尽きませんが誰か企画してくれませんかね。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



*HARRY ALLEN QUARTET / SOMETHING ABOUT JOBIM

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harry allen(ts),
helio alves(p), odolfo stroeter(b), tutty moreno(ds)
guest:joyce (vo,g) (2,5,10)
2015/Stunt/

1 Dinzi
2 Chovendo Na Roseira
3 Captain Bacardi
4 Sue Ann
5 Theme For Jobim
6 Mojave
7 Falando De Amor
8 Antigua
9 Angela
10 Voce Vai Ver
11 Tema Jazz

ずっと気になっていたハリー・アレン(ts)の作品です。
加えて鮮やかな黄色のジャケットも印象に残っていました。
共演にヘリオ・アルヴェス(p)、ゲストはジョイス(vo,g)、とくればどうしても聴いてみたかった。
ジョビンを取り上げた作品ですが聴き易いボサノバ盤とは一線を画してそう甘くないです。
ハリーの上手さが際立つ硬質なジョビン作品集に仕上がました。
ゲストのジョイスは3曲に参加してしていて独特の味をを持つヴォーカルが心に響きます。
さらに特筆すべきは才人ヘリオ・アルヴェスのピアノが各所で輝きを放ちます。
特に(6)「Mojave」におけるプレイが聴きどころでハリーとのコラボレーションも素晴らしいです。
ハリー、ヘリオ、ジョイス・・・3人の名手が織りなす究極のジョビンが聴けました。
名盤だと思います。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



*HARRY ALLEN & JAN LUNDGREN QUARTET / QUIETLY THERE

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harry allen(ts), jan lundgren(p), hans backenroth(b), kristian leth(ds)
2014/Stunt/

1 SURE AS YOU ARE BORN
2 EMILY
3 THE SHING SEA
4 QUIETLY THERE
5 A TIME FOR LOVE
6 CINNAMON AND CLOVE
7 THE SHADOW OF YOUR SMILE
8 JUST ACHILD
9 SUICIDE IS PAINLESS

ハリー・アレン(ts)とヤン・ラングレン(p)・カルテットのジョニー・マンデル作品集です。
ジョニー・マンデルはコンポーザー、アレンジャー、トロンボーン奏者です。
1958年の映画「私は死にたくない」の楽曲を書いて注目されることになりました。
この映画には当時の人気バンドのジェリー・マリガン・セクステットも出演していました。
マンデルの代表曲は言わずと知れた「The Shadow Of Your Smile」ですね。
永遠の大スタンダード・ナンバー・・・もちろんここでも演奏されています。
(2)「Emily」や(5)「A Time For Love」もジャズ・マン好みの曲でよく耳にします。

ハリー・アレンとヤン・ラングレンとくればある程度の予想はつきます。
予想通りしっとりと落ち着いた作品で、美しいバラードが詰まっていました。
特に前述の(7)「The Shadow Of Your Smile」が素晴らしいです。
テーマ部分ではラングレンのピアノにアレンのテナーが絡み、続く二人のソロが聴きどころになります。
ラフさは微塵もなくてやや面白味には欠けるけれど実にきっちりとして真面目な作品です。
丁寧、端正な仕上がりでいかにもこの二人ならではという感じがしました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)



*HARRY ALLEN TRIO / I WALK WITH MUSIC

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harry allen(ts), rossano sportiello(p), joel forbes(b)
2013/Harry Allen/

久々にハリー・アレンの新作を聴いてみたいと思いました。
レギュラー・クインテットからギターとドラムスを抜いたトリオでホギー・カーマイケル作品集です。
カーマイケル特集というのは案外珍しいかもしれませんね。
ところでこれが不思議なアルバムです。
レコード会社がどこにも書いてありません・・・自主制作盤みたいな感じがします。
個人的な発想の私的録音という趣です。
プロデュースは演奏者3人で解説はホギー・カーマイケルの息子さんが書いています。

ハリー・アレンがメロディを忠実に追っています。
やっぱりこういう古風な雰囲気を出すにはハリーが最適だと思います。
ゆったりとした流れの落ち着いた仕上がりになっていてハリーのテナー・サックスが満喫できました。
有名曲のほか、普段めったに聴けない曲も入っています。
バラードがいいです・・・ひそやかにささやくように、時にムードたっぷりに歌う。
(3) 「I Get Along Without You Very Well」は抜群の上手さ。
(5)「The Nearness Of You」、(10)「Georgia On My Mind」には痺れた。

不思議といえばカーマイケル作品集に「Stardust」が抜けているのも相当変ですね。
意識的だと思うのでこの意図がいまひとつ分からない。
ファンに対しては”画竜点睛を欠く”ことになったと思う。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



*HARRY ALLEN QUINTET / PLAYS MUSIC FROM THE SOUND OF MUSIC

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arry allen(ts), joe cohn(g),
rossano sportiello(p), joel forbes(b), chuck riggs(ds)
rebecca kilgore(vo), eddie frickson(vo)
2011/ARBORS RECORDS/

ハリー・アレンのミュージカル・シリーズの第三弾です。
「GUYS AND DOLLS(野郎どもと女達)」、「SOUTH PACIFIC(南太平洋)」に続く3作目。
この「サウンド・オブ・ミュージック」は1965年公開、
ロバート・ワイズ監督、ジュリー・アンドリュース、クリストファー・プラマー主演、
音楽は作詞オスカー・ハマースタインⅡ世、作曲リチャード・ロジャースのコンビです。

「サウンド・オブ・ミュージック」には大スタンダードの「マイ・フェバリッと・シングス」がありますね。
ジョン・コルトレーンのソプラノ演奏で一気に定番になりました。
ここでもハリーのテナー・プレイが聴きどころになります。
その他、(3)「ドレミの歌」、(10)「サウンド・オフ・ミュージック」、(14)「エーデルワイス」などが知られています。
全14曲、インストは3曲、前作同様にRebecca Kilgore、Eddie Ericksonのヴォーカルが入りです。

近年はミュージカルを題材にしたものは見ないのでこのシリーズは楽しみにしています。
次には何が出てくるでしょうか。

(くつろぎ系)



*HARRY ALLEN QUARTET & QUINTET / NEW YORK STATE OF MIND

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harry allen(ts),
rossano sportiello(p), joel forbes(b), chuck riggs(ds),
john allred(tb)(1,4,6,8,9,10)
2009/CHALLENGE/

ハリー・アレン(ts)のスタンダード作品集はオーストリア盤です。
テーマはニューヨーク、ハリーも多作家であちこちでこの手の作品を連発しています。
内容は推して知るべしですが魅力的な曲があるとつい買ってしまいます。
今回はビリー・ジョエルの名曲(7)「NEW YORK STATE OF MIND」でした。
(4)「HARLEM NOCTURNE」をムードたっぷりにサム・テイラー(ts)ばりに吹ける人は少ないです。
トロンボーンとのコンビネーションも落ち着いていてBGMにはピッタリだと思います。
ボサノバやスイング系のテナー・サックス奏者としてイメージが固まるのはどうでしょうか。

(中間系)



*HARRY ALLEN-JOE COHN QUARTET / PLAYS MUSIC FROM SOUTH PACIFIC

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arry allen(ts), joe cohn(g), joel forbes(b), chuck riggs(ds)
rebecca kilgore(vo), eddie frickson(vo)
2009/ARBORS RECORDS/

今はなんとなく軽いジャズが聴きたい気分です。
それでハリー・アレン&ジョー・コーン・カルテットを選んでみました。
ミュージカルの「南太平洋」を題材にしたものです。
2007年に「GUYS AND DOLLS(野郎どもと女達)」をリリースしているので同じ企画です。
多分前作が好評だったので2匹目の柳の下のどじょうを狙ったものだと思います。

15曲中12曲がボーカル入りですが、予想通り、軽快なジャズに仕上がっています。
映画の「南太平洋」にも思い出がありますよ。
主演はロッサノ・ブラッツィとミッチー・ゲイナーです。
信じられないほどの美しい風景がそこにありました。
これで一気に南太平洋に憧れましたが実際はハワイのカウアイ島だったんですね。
(11)「魅惑の宵」、(8)「ワンダフル・ガイ」、(9)「ハッピー・トーク」、
(15)「バリ・ハイ」など記憶に残る名曲がいっぱいありました。
作詞はオスカー・ハマースタイン2世、作曲はリチャード・ロジャースです。
ここでも「魅惑の宵」はロマンチックでした。
ジャズ・ファンには映画好きも多いのでこういう企画は嬉しいですね。
私としては最も印象深い「ウエストサイド物語」をやってもらいたいけど・・・。

(くつろぎ系)



*THE HARRY ALLEN - JOE COHN QUARTET / STOMPIN' THE BLUES

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harry allen(ts), joe cohn(g), joel forbes(b), chuck riggs(ds)
guests : john allred(tb), scott hamilton(ts)(1,4,8)
2008/ARBORS/

私は最近このハリー・アレン&ジョー・コーン・カルテットにすっかりはまっています。
このカルテットは人気があるようでコンスタントにアルバムをリリースしています。
それも当然、これほど気持ち良くスイングさせてくれるグループはそうはありませんよ。
このカルテットを聴いて思い出すのはルビー・ブラフ(cl)&ジョージ・バーンズ(g)・カルテットです。
1970年代にスイング感溢れるプレイと心地良いサウンドで人気を博したのグループです
こういった聴き易くて居心地が良いジャズはいつの時代でも一定の評価を得るものですね。
ここでも抜群のスイング感でホントに気持ちがいいです。
トロンボーンの効果が抜群・・・サックス、ギターの音色が絶妙にマッチしてたまりません。
テンポのある曲はもちろんですがバラードの(4)「MY OLD FLAME」もいいです。
クインシー・ジョーンズの(7)「I ONLY HAVE EYES FOR YOU」はもう最高だった。
スコット・ハミルトン(ts)も3曲に参加しています。
”スイングがなければ意味がない”・・・自然に身体が揺れてくる感覚を楽しみましょう。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)



*HARRY ALLEN QUINTET / DOWN FOR THE COUNT

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harry allen(ts), joe cohn(g),
ray kennedy(p), joel forbes(b), chuck riggs(ds)
2007/Swing Bros/

1Topsy
2 I'll Darlin
3 Whirly Bird
4 The Second Time Around
5 Jumpin' At The Woodside
6 I Wanna Be Around
7 Splanky
8 Cute
9 April In Paris
10 Doggin' Around
11 Wives And Lovers

ハリー・アレン(ts)のカウント・ベイシーへのオマージュ盤。

カウント・ベイシーにはスイングの神髄があり、彼の音楽は最高のジャズであり、ジャズそのものである。
(ハリー・アレン)



*HARRY ALLEN / MEETS TRIO DA PAZ

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harry allen(ts),
romero lubambo(g), nieson matta(b), duduka da fonseca(ds),
2007/SWING BROS/

1 Sunday In New York
2 Avotcja
3 Dearly Beloved
4 Like someone In Love
5 Watch What Happens
6 My Girl Is JUst Enough Woman For Me
7 Alone ogether
8 My Romance

ハリー・アレン(ts)とトリオ・ダ・パズのスタンダード作品集です。
今作はラテン・ファンなら誰でもが聴きたいと思う絶好の企画でしょうね。
ハリーはボサノバものが得意で何枚もの作品を残しています。
でもこれはちょっと毛色が違っていて、主役はトリオ・ダ・パズでハリーが客演した感じかな。
それほどサンバやボサノバのリズムが特徴的です。
トリオ・ダ・パズはニューヨークで活躍するブラジル人の人気グループです。
ロメロ・ルバンボ(g)の生ギター中心としたこの3人が繰り出すリズムと雰囲気が素晴らしい。
ハリーがまたバックにピタリとハマった軽快で味のある演奏を聴かせてくれました。
ハリーとルバンボのデュオで演奏された(6)「I CONCENTRATE ON YOU」は心に響いた。
やわらかなブラジルの風に乗った一味違うスタンダード集で楽しめました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)



*THE HARRY ALLEN - JOE COHN QUARTET / GUYS AND DOLLS

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harry allen(ts), joe cohn(g), joel forbes(b), chuck riggs(ds)
special guests:rebecca kilgore(vo), eddie erickson(vo)
2007/ARBORS RECORDS/

なんだか急にハリー・アレン(ts)が聴きたくなって購入しました。
ことテクニシャンということに関してはハリーに並ぶものはいないでしょうね。
現役では最も達者なテナー・サックス奏者だと思っています。
レスター・ヤング~スタン・ゲッツを受け継ぐプレイヤーとしても重要な位置を占めています。
加えてクラシカルなスイング・ジャズの感覚も持ち合わせています。
ソニー・ロリンズ~ジョン・コルトーレーン系のエリック・アレキサンダーとは対照的です。
ハリーが42歳、エリックが40歳で年齢的にも近くこの二人が主流派テナーを引っ張っていく存在になると思います。

さて今作はブロードウエイで何度も上演されている「Guys And Dolls」の作品集です。
1950年代が初演ですがストーリーも面白く大人気のミュージカル、作詞作曲はフランク・レッサーです。
マーロン・ブランド、フランク・シナトラ主演で「野郎どもと女達」の題名で映画化されています。
CDを聴いていたらまた映画を見たくなってしまいましたよ。

ギタリストのジョー・コーンは著名なテナー奏者のアル・コーンの息子さんです。
ゲストの二人のヴォーカリストについてはまったく知りませんでした。
でも、とてもいい雰囲気なので引き込まれました。
エディー・エリクソンの本職はバンジョー、ギター奏者のようですがボーカルも味わいがあります。
ハリーのバッキングがまた素晴らしく惚れ惚れとしました。
「LUCK BE A LADY」はもう最高。
このジャケットには孫娘が興味津々、デザインに惹かれるところがあるのかもしれませんね。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)



*HARRY ALLEN & MONTY ALEXANDER TRIO / SOUL OF MY LIFE

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harry allen(ts)
monty alexander(p), hassan shakur(b), herlin riley(ds)
2006/SWINGBROS/

洗練されたクールな音色のハリー・アレン(ts)はボサノバで人気を博しました。
レゲエのジャマイカ出身のモンティ・アレキサンダー(p)は陽気で明るい音色が持ち味です。
この二人がソウル?・・・明らかにミスマッチだと思いました。
でも、逆に聴いてみたいと思ったのではどうしょうもありませんね。
1曲目のサム・クック:「YOU SEND ME」の選曲は憎い、サム・クックは大好きでした。
あとはスティービー・ワンダーの曲が3曲入っているのが目立ちます。
内容はと言えばあまり感情移入せずにサラリと演奏しているのが良かったです。
実はこれが狙い目だったのかも知れません。
これだけあっさりと演奏されてしまうとかえってさっぱりしました。
ソウルな曲がスマートなジャズに変身したという印象です。
思えばモンティ・アレキサンダーも好きで初来日公演を見に行ったのを思い出しました。
モンティはナット・キング・コール張りの歌もいいのですが聴いたことがありますか。
若い頃、ナイト・クラブで弾き語りをしていた名残りだそうです。

「You Send Me」、「You Are The Sunshine Of My Life」、
「Killing Me Softly With His Song」、「Georgia On My Mind」、
「I Can't Stop Loving You」、「Isn't She Lovely」、「Smoke Gets In Your Eyes」、etc

(くつろぎ系)



* HARRY ALLEN & JOE TEMPERLEY QUINTET / COCKTSAILS FOR TWO

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harry allen(ts), joe temperley(bs),
john bunch(p), greg cohen(b), jake hanna(ds)
2006/Sackville/

1 Cocktails For Two
2 Blues In The Closet
3 My Romance
4 I've Got The World On A String
5 Tangerine
6 Everything Happens To Me
7 Polka Dots & Moonbeams
8 In A Mellotone
9 Sweet & Lovely
10 Jumpin' At The Woodside

未紹介だったハリー・アレン(ts)の2006年作品です。
ベテラン・バリトン・サックス奏者のジョー・テンパーレイとの共演盤です。
アレンが40歳でテンパーレイが76歳時の録音、ちなみにテンパーレイは86歳で亡くなりました。

全10曲は全てスタンダード作品です。
ジャム・セッション的雰囲気もあるのでみんなが知っている曲になったと思う。
アットホームでリラックスした演奏を聴くことが出来ました。
マット・デニスの(6)「Everything Happens To Me」とエリントンの(8)「In A Mellotone」は大好きな曲です。
(2)「Blues In The Closet」や(4)「I've Got The World On A String」、(9)「Sweet & Lovely」も良かった。
こういうスイング系の演奏をやらせたらアレンの横に出る人はいませんね。
抜群の安定感を誇る・・・だからベテラン・ジャズメンとの相性も抜群です。

つくづくアレンは貴重なテナー・サックス奏者だと思います。
レスター・ヤング~スタン・ゲッツ、ズート・シムズ、アル・コーンの系図を見事に受け継いでいます。
同時にベン・ウェブスター~スコット・ハミルトンのラインも持っています。
ハリー・アレンにはこの系統を守っていってほしいです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)



* HARRY ALLEN QUARTET / RECADO BOSSA NOVA

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harry allen(ts),
joe beck(g), hassan shaker(b), adriano santos(ds)
2006/Swing Bros/

1 He Loves And She Loves
2 I Wish I Were (In Love Again)
3 Corcovado
4 Manha De Carnaval
5 Recado Bossa Nova
6 Do I love You (Because You're Beautiful)
7 Ela E Carioca
8 Bim-Bom
9 The Windmills Of Your Mind
10 E Luxo So
11 The Girl From Ipanema
12 So Danco Samba

あまりに寒いのでせめてボサノバでも聴いて夏の雰囲気を出そうか。
ということでハリー・アレン(ts)のボサノバ盤を一枚選びました。
一応、ハリー・アレンは収集対象の一人ですが多作家なのでとても追いかけ切れません。
多分、現役のジャズ・メンの中では一番じゃないでしょうか・・・まぁ、それだけ人気のある証拠ですが。
ぼちぼちと集めていて紹介していない作品も何枚か持ってます。

アレンのボサノバはポスト・スタン・ゲッツ(ts)の大本命で定評があります。
まぁね、どれを聴いても金太郎飴的ではあるけれど有名曲やリズムが同じではしょうがないです。
でもこの心地良い調べからはどうしても離れることが出来ません。
今作もいいですよ・・・アレンのボサノバ盤の上位にあげてもいいと思う。
ここはジョー・ベック(g)が新味だけどベックのシブいギター・プレイが聴きどころです。
ベックはフュージョン・シーンで一時代を築いた名手ですが2008年に62歳で亡くなっています。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)



*THE HARRY ALLEN - JOE COHN QUARTET / THIS IS...

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harry allen(ts), joe cohn(g), joel forbes(b), chuck riggs(ds)
2004/SWINGBROS/

絶妙なコンビネーション、息の合った仲間ならではのグルーヴィーなスイング感。
(帯中よりの抜粋)

(くつろぎ系)



*HARRY ALLEN QUINTET & SCOTT HAMILTON / JUST YOU, JUST ME

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harry allen(ts), scott hamilton(ts),
bucky pizzarelli(g), john bunch(p), john webber(b), jake hanna(ds)
2003/BMG/

ハリー・アレンとスコット・ハミルトンの共演は誰でもが考えたくなる企画です。
その実現は狙い通りだったと思います。
レスター・ヤング、フィリップ・フィリップス、イリノイ・ジャケーなどの作品も取り上げています。

(くつろぎ系)



*HARRY ALLEN / I LOVE MANCINI

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harry allen(ts)
kenny werner(p,synth), johannes weidenmueller(b), tim horner(ds)
laura friedman(vib), park stickney(harp), gilad(per) with strings
2002/BMG/

ハリー・アレン(ts)の作品は癒し系で買い安心感があります。
ハリーのスタイルにはヘンリー・マンシーニの美しいメロディがぴったりですね。
このところボサノバ、スタンダード作品集と売れ筋の企画が続いています。
しかし、そろそろストレート・アヘッドなジャズ作品も聴きたいと思っています。
ジャム・セッション的なものはいかがでしょうか。
2、3本のホーンを絡めてちょっと荒っぽく演奏してほしいです。
ちょうどスタン・ゲッツ(ts)がジャム・セッションで底力を発揮したように・・・。
バックのケニー・ワーナーは好きなピアニストです。

「Breakfast At Tiffany's」、「Charade」、「Dear Heart」、「The Days Of Wine And Roses」、
「Moon River」、「Too Little Time」、「Whistling Away The Dark」、「Mr.Lucky」、etc

(くつろぎ系)



*HARRY ALLEN / I CAN SEE FOREVER

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harry allen(ts)
guilherme monteiro(g), jay berliner(g), ron carter(b)
grady tate(ds), joe ascione(per), sumiko fukatu(fl)
2002/BMG/

毎年この時期になると聴きたくなるなるのがボサノバ・アルバムです。
レコード会社の方もソツはないのでちゃんとファンの要望に応えてくれますね。
ハリー・アレン(ts)の4枚目のボサノバ作品になるそうです。
今回はロン・カーター(b)やグラディ・テイト(ds)の両ベテランを配し
フルートや2ギターの絡み合いで新味を出しています。
心地良いジャズ・ボッサが楽しめます。
ジャケットも可愛く印象に残りました。

「Wave」、「So Many Stars」、「O Grande Amor」、「I Can See Forever」、
「A Time For Love」、「And I Love Her」、「The Summer Knows」、etc

[ Swing Journal : ゴールド・ディスク ]

(くつろぎ系)



*HARRY ALLEN QUARTET / COLE PORTER SONGBOOK

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harry allen(ts), benny green(p)
russell malone(g), peter washington(b)
2001/BMG/

1 You Do Something To Me
2 I Get A Kick Out Of You
3 In The Still Of The Night
4 Goodbye Little Dream Goodbye
5 Use Your Imagination
6 It'S All Right With Me
7 Dream Dancing
8 I Concentrate On You
9 You're The Top
10 Do I Love You
11 Night And Day
12 I Love You Samantha
13 Why Should't I
14 Silk Stockinhs
15 Bein The Beguine
16 Everything I Love
17 All Of You

ハリー・アレン(ts)の新作はコール・ポーター作品集です。
全17曲はかなり多くて13曲がベニー・グリーン(p)とのデュオ、
残り4曲がラッセル・マローン(g)とピーター・ワシントン(b)入りのカルテットです。
最初に見た時、私は彼がデュオの相手にベニーを選んだことが意外に思いました。
本質的に二人の持ち味が違うのではないかと思ったからです。
その反面、だからこそ緊張感が出て面白いかも知れないとも思いました。
ご存知の通り、ベニーはオスカー・ピーターソン系でハリーはスタン・ゲッツの影響が強いです。
普通ホーンとピアノのデュオではどうしてもピアノがホーンの引き立て役に回ることが多いですね。
でも、ここではお互いに相手に合わせるというわけではなく対等な立場で共演しています。
5分5分の姿勢を貫くというのも興味深く聞くことが出来ました。
4曲のカルテット演奏を入れたのはメリハリがついて良かったと思います。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



*HARRY ALLEN / DREAMER

sonet864.jpg

harry allen(ts)
dori caymmi(g,vo), bill cantos(p,synth), jerry watts(b)
michael shapiro(ds,per), kevyn lettau(vo)
2001/BMG/

暑い夏にボサノバとくれば現在ではハリー・アレン(ts)でしょうね。
今年もやはり出してきましたよ、レコード会社もファン心理をよくつかんでいます。
ハリー・アレンのボサノバ・シリーズの第3弾です。
ちょっとムードを出し過ぎた感がありますがストリングスをバックに心地良いサウンドを聴かせてくれました。
昼下がりにウトウトしながら聴けば気分は最高、ウエスト・コーストの爽やかな風を運んでくれます。

「Change Partners」、「A Night In Tunisia」、「Dindi」、
「Bye Bye Blackbird」、「The Shadow Of Your Smile」、「Estate」、etc

[ Swing Journal : ゴールド・ディスク ]

(くつろぎ系)



*HARRY ALLEN / WHEN I GROW TOO OLD TO DREAM

sonet863.jpg

harry allen(ts)
ray brown(b), jeff hamilton(ds), herb ellis(g)
2000/BMG/

ハリー・アレンの新作はピアノレス・トリオを試みてきました。
大ベテランのレイ・ブラウンとジェフ・ハミルトンを起用したのが正解でしょう。
ギターのハーブ・エリスが4曲にゲスト出演しています。
今までの心地良いジャズとは一味違ってハリーの作品としては最も辛口に仕上がりました。
相変わらずの古風なスタイルはともかくとして素直にテナー・サウンドを楽しみましょう。

心で聴こえる。
迫力のベース、メロディアスなドラムス、
色気漂うサックスが醸し出す、琥珀色のジャズ・サウンド。
(帯中よりの抜粋)

「Here's That Rainy Day」、「You Are My Everything」、「I Wish You Love」、
「Detour Ahead」、「Love Walked In」、「All The Things You Are」、etc

[ Swing Journal : ゴールド・ディスク ]

(中間系)



*HARRY ALLEN / PLAYS ELLINGTON SONGS

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harry allen(ts)
bill charlap(p), peter washington(b), kenny washington(ds)
1999/BMG/

ハリー・アレンのデューク・エリントン作品集です。
エリントン生誕100周年を記念して、この手の企画盤が多いですが、これはいいですよ。
このところ、好アルバムを連発しているハリーですけれど、これが最高傑作ではないでしょうか。
今まで彼はゲッツやシムス、ウエブスターといった人達の影響を強く感じさせるプレイをしてきました。
しかしこのアルバムでは彼のオリジナリティが十分に発揮されていると思います。
バックのビル・チャーラップ・トリオも抜群の出来ですよ。
チャーラップ独特の乗りと両ワシントンの好サポート、本当にいい作品になりました。
一発目の「C-JAM BLUES」で私はもう参ったなあ。

「C-Jam Blues」、「Solitude」、「Mood Indigo」、「It Don't Mean A Swing」、
「Lush Life」、「Just Squeeze Me」、「Caravan」、「Take The A Train」、
「Cotton Tail」、「Sophisticated Lady」、etc

[ Swing Journal : ゴールド・ディスク ]

(中間系)



*HARRY ALLEN / ONCE UPON A SUMMERTIME

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harry allen(ts)
larry goldings(p), dori caymmi(g), joen cohn(elg),
dennis irwin(b), duduka da fonseca(ds), mancha adnet(vo)
1999/BMG/

ハリー・アレンの「I Won't Dance」↓に続くボサノバ・アルバムの第二弾です。
全13曲中、ジョビンの作品が8曲あります。

「The Girl From Ipanema」、「Song Of The Jet」、「I've Got You Under My Skin」、
「How Insensitive」、「One Note Samba」、「Once Upon A Summertime」、etc




*HARRY ALLEN / DAY DREAM

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harry allen(ts)
tommy flanagan(p), peter washington(b), lewis nash(ds)
1998/BMG/

最近やたらと聴きたくなるハリー・アレンのアルバムです。
全11曲のうち、トミー・フラナガンとのデュオが6曲で残りがカルテットでの演奏です。
今まではスタン・ゲッツやズート・シムスでしたが、ここではベン・ウエブスターを演じています。
珠玉の名曲、名演集・・・ハリーのテナー・プレイをじっくりじっくりと味わうには最適です。
スコット・ハミルトンもそうですがこういう安心感のあるプレイヤーはどこかで誰かが評価するものです。

「A Sleepin' Bee」、「Maybe September」、「I'm Cheking Out, Goodbye」、
「A Child Is Born」、「Day Dream」、「Low Life」、「The Christmas Song」、etc

(くつろぎ系)



*HARRY ALLEN / I WON'T DANCE

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harry allen(ts)
larry goldings(p), dori caymmi(g), joen cohn(elg),
dennis irwin(b), duduka da fonseca(ds), mancha adnet(vo)
1998/BMG/

日本でのハリー・アレンの人気を決定的にしたボサノバ・アルバムです。
スタン・ゲッツ=ボサノバの後を受け継ぐのはハリー・アレンしかいません。
それほどにハリーの持つ音色がボサノバのリズムとしっくりきます。
まさかこれほど良いとは・・・驚きました。

「O Pato」、「Corcovado」、「Desafinado」、「Once I Loved」、「Meditation」、
「No More Blues」、「I Won't Dance」、「If You Never Come To Me」、etc

[ Swing Journal : ゴールド・ディスク ]



*HARRY ALLEN QUARTET / HERE'S TO ZOOT

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harry allen(ts),
dave mckenna(p), michael moore(b), jake hanna(ds)
1997/BMG Japan/

どうも私はこのハリー・アレンとエリック・アレキサンダーを1セットとして考えるフシがあるようです。
最近エリックを聴いたのでこんどはハリー聴きたくなりました。
選んだのが1997年に発売されたこのアルバムです。
この時ハリーは30歳そこそこで今作は初来日記念盤ということになっています。
BMGから立て続けに3枚出していますがこの頃すでにハリーのスタイルは完成されていたと思います。
テクニックも音色も風格十分で、そのよどみないフレーズの素晴らしさには驚くばかりです。
今作は一応ズート・シムズに捧げるという形になっていますがそれはあんまり関係ありません。
あくまでハリーのスタイルを表に出している作品です。
よく知られたスタンダード集でそれぞれいい出来ですが私は特に(5)「GROOVEYARD」が気に入っています。
このテンポでのこのノリは何回聴いてもたまりませんでした。この時期のハリー・アレンは本当にいいです。
デイブ・マッケンナ(p)、マイケル・ムーア(b)、ジェイク・ハナ(ds)のバックも一工夫あって楽しめました。

この当時、エリックがツッパリならハリーは優等生という感じで安定感、安心感はリードしていました。
ひとつ懸念されるとすれば器用貧乏におちいる可能性があったということでしょうね。
エリックはストレートなハードバップ一辺倒ですがハリーはスイングでもボサノバでも何でもできます。
それが良いか悪いかは別にして迷いがない分だけエリックの方が成長度が大きかったかもしれませんね。
10年経って聴き比べてみるとどうもそんな感じになってきたと思いますがどうでしょうか。
スポーツの世界でも完成されているより荒削りの方が魅力的だとよく言われています。
もちろん、ハリー・アレンの実力も十分なので巻き返しもあると思っています。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)



*HARRY ALLEN / TENORS ANYONE ?

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harry allen(ts)
john pizzarelli(g), ray kennedy(p), martin pizzarelli(b)
1997/BMG/

ハリー・アレンにドラムレスのジョン・ピザレリ・トリオによるスタンダード第2集です。
「2匹目のどじょう」狙いですが2匹目のほうが大きかった好例になりました。
ハリーがいかに達者なテナー・サックス奏者か、聴いてみれば一目瞭然です。

これがテナーだ。
楽器の持つ魅力を存分に引き出すハリーのプレイ。
それがジャズ本来の楽しさを聴くものに感じさせる。
(帯中よりの抜粋)

「It Was Just One Of Those Things」、「Blue And Sentimental」、「Flying Home」、
「My Favorite Things」、[Lester Leap In」、「Somewhere Over The Rainbow」、
「America, The Beautiful」、「The Peacocks」、「Tea For Two」、etc

[ Swing Journal : ゴールド・ディスク ]

(くつろぎ系)



*HARRY ALLEN QUARTET / LIVE AT RENOUF'S

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harry allen(ts),
john colianni(p), phikl flanigan(b), duffy jackson(ds)
1996/Mastermix/

1 IN A MELLOTONE(Ellington)
2 THE MAN I LOVE(G&I.Gershwin)
3 A NIGHTINGALE SANG IN BERKELEY SQUARE(Maschwitz/Manning)
4 THE SHADOW OF YOUR SMILE(Mandel/Webster)
5 TOO CLOSE FOR COMFORT(Back/Holofcener/Weiss)
6 EVERY TIME WE SAY GOODBYE(Poter)
7 ONE NOTE SAMBA(Jobim/Mendonca)
8 DANNY BOY(Weatherly)

先日の中古盤漁りで出会いました。
ジャケットの微笑ましさといい、なぜ発売時に見逃したのかと不思議でした。
思うにマイナー・レーベルということとバックが今ひとつ地味だったからかも知れません。
もっともハリー・アレンは多作家でもあり、ここまで手が回らなかったのかな。
ハリーの作品は企画ものが多いですがこのような自然体の作品は少ないと思います。
それもライブ盤なんてね、実に貴重です。

スタンダード作品集ですが、ここはまた曲目が良いです。
もうもう大好きな(6)「Every Time We Say Goodbye」をはじめ、(1)「In A Mellotone」、
(3)「A Nightingale Sang In Berkeley Square」、(4)「The Shadow Of Your Smile」も入っている。
収録時間が75分強の大徳用盤。
名手ハリー・アレンのテナー・サックスを満喫しました。
ジョン・コリアーニのピアノがまた渋いんだなぁ~。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



*HARRY ALLEN / MEETS JOHN PIZZARELLI TRIO

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harry allen(ts)
john pizzarelli(g), ray kennedy(p), martin pizzarelli(b)
1996/BMG/

ハリー・アレンにドラムレスのジョン・ピザレリ・トリオによるスタンダード集です。
重たいジャズを聴いた後の口直しにはピッタリだと思います。
スタン・ゲッツやズート・シムスが好きな人なら、なおさらいいでしょうね。
秋の夜長に聴くと、また格別の味わいですぞ。

白人系のノスタルジックなテナー・奏者の登場。
ドラムレスのジョン・ピザレリ・トリオがサポート。
新時代のジャズ・スタンダード集。
(帯中よりの抜粋)

「Pennies From Seven」、「Dear Old Stockholm」、「Early Autumn」、
「These Foolish Things」、「Body And Soul」、「Polka Dots And Moonbeams」、etc

[ Swing Journal : ゴールド・ディスク ]

(くつろぎ系)



* HARRY ALLEN QUARTET / THE KING

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harry allen(ts),
john bunch(p), dennis erwin(b), duffy jackson(ds),
1994Rec/Nagel Heyer/

1 'Deed I Do
2 Close Your Eyes.
3 But Beautiful
4 The King
5 Did You Call Here Today
6 Honeysuckle Rose
7 This Time The Dream's On Me
8 My Heart Stood Still
9 Everyday I Have The Blues
10 Limehouse Blues

今作もまた先日のCD整理中にポロっと出てきた一枚です。
ハリー・アレン(ts)も先週のペト同様に収集対象なのに忘れていました。
ハリー・アレンは1966年10月生まれ、現在52歳になりました。
ラインとしてはコールマン・ホーキンスとレスター・ヤングの両巨頭の中間に位置していると思います。
ベン・ウェブスター~ズート・シムズ、スタン・ゲッツ~スコット・ハミルトン~ハリーのラインもある。
初リーダー作は21歳時録音なので早い方だと思う。

Harry Allen Quartet / How Long Has This Been Going On ? (Progressive/1989)

さて、今作はハリーが27歳時に吹き込んだものですでにその実力は知れ渡っていました。
だから表題が「THE KING」というわけだけど27歳で「キング」って凄いと思いませんか。
事実、聴いてみれば一目瞭然ですがハリーは滅茶苦茶に上手いです。
ドイツのハンブルグでのライブ盤なんだけどあまりにスムーズ、あまりの上手さに驚いた。
抜群のテクニシャン、まさに老成していて、これが20代のプレイヤーとは誰も思いませんよ。

ハリーはムーディなスイング・ジャズ作品が売れて日本ではゲッツ風ボサノバ作品も多くなりました。
それはそれでいいんだけれど私は本格的なジャズ作品も聴きたいと思っています。
今作はボサノバがヒットする前なのでストレートなジャズをやってます。
ハリーは上手過ぎる分、ある意味損をしているかもしれませんね。
テクニックに走り易く、何でも出来るのは器用貧乏になる可能性もあるから。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



*HARRY ALLEN QUITET / A NIGHT AT BIRDLAND

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harry allen(ts), randy sandke(tp),
brian dee(p), len skeat(b), oliver Jackson(ds)
1994/Nagel-Heyer/

この頃のハリー・アレン(ts)はランディ・サンドケ(tp)と組んでクールなハード・バップをやってました。
これはバード・ランドでのライブ盤です。
亡くなったオリバー・ジャクソン(ds)の追悼盤にもなっているようです。

「My Heart Stood Still」、「On The Slow Boat To China」、「Tickle Toe」、
「You Took Advantage Of Me」、「Stardust」、「How Deep Is The Ocean」、
「I Got It Bad And That Ain't Good」、「The Man I Love」、etc

(中間系)



* HARRY ALLEN TRIO / I KNOW THAT YOU KNOW

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harry allen(ts), john colianni(p), michael moore(b)
1992/Mastermix/

1 Call Me Irresponsible(Van Hausen/Cahn)
2 Legs(N.Hefti)
3 I Want To Laugh You Right Out Of My Life(Coleman/McCarthy)
4 Baby Won't YOu Please Come Home(Warfield/Williams)
5 It Was Just One Of Those Thing(C.Poter)
6 I Get Along Without You Very Well(Herb/Carmichael)
7 Drifting(B.Caper)
8 I Know That You Know(V.Youmans)
9 Souriya(T.Hayes)
10 Desafinado(Jobim)
11 Sleep(E.Lebreg)
12 There'll Never Be Another Spring(P.Lee)

気になっていながらなんとなく見逃しているアルバム。
みなさんにもありますよね。
これもまたそんな中の一枚でした。
ハリー・アレン(ts)のドラムレス・トリオの作品です。
サックスのドラムレスは少ないので貴重というか、異色作品になると思います。

1992年作品・・・ハリーは1966年生まれなのでこの年26歳の若さです。
スタンダードでも一ひねりある演目にこだわりを感じました。
イギリスの名手、タビー・ヘイズ(ts)が1曲入っているのも思い入れの深さですね。

この若さでこれだけ落ち着いた演奏ができるというのも驚きました。
思うにハリーは30歳前後でひとつのピークを迎えるのでこの頃はその助走期間かな。
体力も創造力も溢れるほど持っています。
演奏の上手さは折り紙付き。

ピアノのジョン・コリアーニはライオネル・ハンプトンやメル・トーメと共演していた
スイング系のピアニストです。
マイケル・ムーアはアヴァンギャルドなベーシストと記憶しています。
つまりメンバー的にも興味深い作品です。

(中間系)

Harold Ashby (ts) [H (sax)]

*HAROLD ASHBY QUARTET / ON THE SUNNY SIDE OF THE STREET

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harold ashby(ts),
horace parlan(p), wayne dockery(b), steve mcraven(ds)
1992/Timeless/

デューク・エリントン楽団出身のハロルド・アシュビー(ts)のワン・ホーン・アルバム。
スタンダード作品集・・・ホレス・パーラン・トリオとの共演も貴重です。
独特のビブラートを効かせた奏法も楽しめます。

「Out Of Nowhere」、「There Is No Greater Love」、「Honeysuckle Rose」、
「Pennies From Heaven」、「Satin Doll」、「These Follish Things」、
「On The Sunny Side Of The Street」、「In My Solitude」、「Just Squeese Me」

Hans Ulrik (sax) [H (sax)]

*HANS ULRIK QUINTET / SLOW PROCESSION

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hans ulrik(sax,afl), kasper tranberg(tp),
eivind aarset(p), anders jormin(b), audun kleive(ds)
2009/Stunt Records/

デンマークのハンス・ウルリク(ts)を聴くのは2枚目になります。
前回は5年程前、スティーブ・スワロー(b)とヨナス・ヨハンセン(ds)とのピアノレス・トリオでした。
今作はギター・トリオをバックにトランペッターを起用したクインテット編成です。
全て自身のオリジナルで占められ、特徴的なのは電気的な音作りと多重録音です。
ホワァーン・ホワァーンとしたサウンドは心地いいような悪いような、どちらにもとれる印象があります
この間延びしたのんびりとしたサウンドに癒される人もいると思う。
ウルリクは一体どういうプレイヤーなのか?・・・軟らかいのか、硬いのか。
狙いは電気マイルス路線か・・・分からないのは癪だけど私はこういうのはイマイチです。

(まじめ系)



*HANS ULRIK TRIO / TIN PAN ALIENS

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hans ulrik(sax), steve swallow(b), jonas johansen(ds)
2005/STUNT RECORDS/

管楽器のピアノレス・トリオは演奏者の実力がもろに出てしまうのでなかなか勇気がいることだと思います。
モダン・ジャズ・ファンの中でも、特にこだわりのリスナーが好む編成でもありますね。
スティーヴ・スワロー(b)、ヨナス・ヨハンセン(ds)をバックにハンス・ウルリク(sax)は期待に十分応えてくれています。
全12曲は全てメンバーのオリジナルで演奏時間は5分強までと比較的短いです。
その分中身が濃く充実した内容になっているので3人のコンビネーションを楽しむには最適のアルバムです。
デンマークのスタント・レーベルは私と相性がいいのでほとんど外れはありません。

(まじめ系)

Hank Mobley (ts) [H (sax)]

*HANK MOBLEY SEXTET / REACH OUT !

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hank mobley(ts), woody shaw(tp.fhn), george benson(g),
lamont johnson(p), bob cranshaw(b), billy higgins(ds)
1968Rec/Blue Note/

ジョージ・ベンソンも参加。
フォー・トップスの全米No.1ヒット「Reach Out I'll Be There」をカバーした意欲作。
(帯中よりの抜粋)

ハンク・モブレイ(ts)はブルー・ノートのスター・ミュージシャンの一人です。
60年代後期、ブルーノートの4200番台になると迷いが見えます。
リアル・ジャズが行き詰まりジャズ人気が低迷、フュージョンへの移行期です。
ベンソンを迎えてよりポップなサウンドを目指しています。



*HANK MOBLEY QUINTET / WORK OUT

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hank mobley(ts), grant green(g),
wynton kelly(p), paul chambers(b), philly joe jones(ds)
1961Rec/Blue Note/

ハンク・モブレイ(ts)の作品群の中でも好きな一枚です。
ウィントン・ケリー・トリオにグラント・グリーンなら申し分ありません。
表題曲の(1)「Work Out」~(2)「Uh Huh」の流れは最高。
モブレイが持つファンキーな雰囲気が満喫できます。

スタンダードの「Three Coins In The Fountain」が追加収録されました。

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