SSブログ

John Klemmer (ts) [J (sax)]

* JOHN KLEMMER / BRAZILIA

image884.jpg

john klemmer(ts),
jorge d'alto(p), oscar castro(g), abraham laboriel(elb),
lenny white(ds), airto moreira(per), alex acuna(per),
victer feldman(p,rhodes), bob magnusson(b), paulhiho da costa(per), etc
1979/ABC/

Side A
1 Brazilia
2 Tropical Snowflakes
3 Heartbreak
4 Summertime
Side B
1 Tender Strorm
2 Copacabana
3 Bahia
4 My Love Has Butterfly Wings

ジョン・クレマーもまたフュージョン・シーンで人気のあったテナー・サックス奏者です。
クレマーは何でも出来る幅広い音楽性の持ち主です。
元々がジョン・コルトレーン派のサックス奏者でパワフルかつエネルギッシュな演奏を展開していました。
ジャズの一方の本場であるシカゴ出身でもあり先取の気概を持っていたと言えます。
ただその幅広さがあだとなってどっちつかずの器用貧乏になったとの評価があるのも事実です。
硬軟織り交ぜたバラード奏法には定評があったのでフュージョンにぴったりハマったのは間違いないです。
「Touch」 (1975)、「Barefoot Ballet 」(1976)、「Arabesque 」(1978)などの人気盤がありました。
でも私は完成度が高い今作が一番好きでした。
クレマーの音色にはただ甘いだけじゃない突っ込んでくる鋭さがあります。
今作はブラジルの本場ミュージシャンとの共演が最大の魅力になっていると思います。

(くつろぎ系)

nice!(0)  コメント(0) 

Jane Bunnett (ss,fl) [J (sax)]

* JANE BUNNETT & MAQUEQUE / ON FIRM GROUND / TIERRA FIRME

image1345.jpg

jane bunnett(ss,fl)
danae olano(p,vo), tailin marrero(b,elb,vo), yissy gareia(ds),
mary paz(per,vo), joanna majoko(vo), etc
2019/Linus/

1 The Line-up
2 Monkey See Monkey Do
3 Momentum
4 On Firm Ground
5 Havana At Night
6 Sky High
7 The Occurance
8 Re-united
9 Broken Heart
10 Mystery Of Jane's House
11 Pa' Con Paz
12 Music In The Soul

カナダのジェーン・バネット(sax,fl)は初見、1956年生まれのトロント出身です。
今作は昨年の「みんなのベスト3」でKさんが話題にしていたものです。
先日紹介したポンチョ・サンチェス(cng)でも書きました。
最近私の興味はアフロ・キューバン・リズムというか、ラテン・ジャズに向かっています・
それも純ジャズ路線ではなくてリズムが主になるアルバムが対象です。
バンド名は「マケケ」で今作が私の琴線に触れました。

全12曲は全てメンバーのオリジナルでバネット以外は全員若いキューバンミュージシャンです。
プロデュースはバネットの夫でトランペット奏者のラリー・クレーマーです。
女性だけのアフロ・キューバン・バンドって珍しいと思いますがどうなのかな。
でもメンバー全員がパワフルにエネルギッシュに疾走する。
強力なアフロ・キューバン・リズムに乗ってご機嫌ななラテン・ジャズが展開されています。
私的ベストはジャングル・ムードのバラード(9)「Broken Heart」で聴きどころになりました。
みんなの気合が伝わってくるようでジャズ作品としても十分に通用する内容になっています。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



* JANE BUNNETT & HILARIO DURAN / CUBAN RHAPSODY

image873.jpg

jane bunnett(fl,ss), hilario duran(p)
2011/ALMA Records/

1 Lagrimas Negras
2 Son De La Loma
3 Longina
4 Quirino Con Su Tres
5 Contradanzas
1)La Tedezco
2)El Panuelo De Repa
3)Los Tres Golpes
4)Tarde En La Habana
6 Maria La O
7 Almendra
8 New Danzon
9 Sherezada
10 Danza Lucumi

* JANE BUNNETT & MAQUEQUE / ON FIRM GROUND / TIERRA FIRME (2019/Linus)
のアフロ・キューバン・サウンズを聴いて以来、カナダのジェーン・バネット(fl,ss)は気になるプレイヤーでした。
その彼女がキューバ出身の重鎮ピアニスト、ヒラリオ・デュランとの共演盤ということで手が伸びました。
多分、キューバ音楽のデュオ作品は初めてだと思います。
キューバのピアニストならゴンザロ・ルバルカバは大好きだったし、チューチョ・バルデスもよく聞きました。

メドレーを含む全10曲はキューバの良く知られた楽曲を二人がしっとりと演奏するという嗜好です。
実に落ち着いていて大人のキューバン・ミュージックを聴かせてくれています。
クラシックに相通じるところもあって静かでロマンティックな雰囲気を味わうことが出来ました。
ただリズム楽器が入っていないので好みが分かれるとは思います。

(くつろぎ系)


nice!(0)  コメント(0) 

John Doughten (ts) [J (sax)]

* JOHN DOUGHTEN QUARTET / A TIME FOR LOVE

image772.jpg

john doughten(ts,bs,cl),
eddie higgins(p), phil flanigan(b), danny burger(ds)
1996/Sunnyside/

1 You'd Be So Nice To Come Home To
2 Stars Fell On Alabama
3 Once I Loved
4 Body And Soul
5 On The Alamo
6 A Time For Love
7 But Beautiful
8 Let's Fall In Love
9 Little Girl Blues
10 I Remember You
11 Polka Dots And Moon Beams
12 After You've Gone

ちょっと癒し系のテナー・サックスが聴きたいと思って選んだのがこれです。
ジョン・ドーテン(ts)とエディ・ヒギンス(p)・トリオとの共演盤です。
まぁ、相手がヒギンスなら間違いないと思いました。

全12曲はよく知られたスタンダードが並んでいます。
ドーテンのスタイルとしてはウエスト・コースト系のスマートでよくスイングします。
ズート・シムズ(ts)に最も近くアル・コーン(ts)やスタン・ゲッツ(ts)の味わいもあります。
ヒギンスのピアノは相変わらずロマンティックで美しいです。
テナー・サックスで奏でる(2)「星降るアラバマ」にはグッときました。
表題曲になったジョニー・マンデルの(6)「A Time For Love」の哀愁感も良かった。
この曲でドーテンは達者なクラリネットのバラード奏法を披露していますが素晴らしいです。

秋の夜長にグラス片手にゆったりと過ごすには最適なアルバムだと思いますよ。
じんわりと時間が流れていく。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)

nice!(0)  コメント(0) 

James Moody (ts) [J (sax)]

* JAMES MOODY & MARK TURNER / THE TWO TENORS

image766.jpg

james moody(ts), mark turner(ts),
larry goldings(p), ben wolfe(b), clarence penn(ds)
1997/Warner Bros/

1 The Plain But The Simple Truth
2 The Man I Love
3 Ludwig
4 We'll Be Together Again
5 Alone Together
6 If You Could See Me Now
7 Satellite
8 Hesitation Blues

先週のシェリル・ベンティーン盤でジェームス・ムーディ(ts)の名前を見かけました。
そういえば「ムーディも長い間意識して聴いたことがないなぁ~」と思いました。
ムーディは1925年生まれ、ジョージア州出身、2010年に85歳で亡くなっています。
ディジー・ガレスピー(tp)のバンドに加わって知られるようになってきました。
バラードの「I'm In The Mood For Love」が大ヒットしたのでスタイルが決まってしまった。
名前の「ムーディ」のイメージもピッタリだった・・・これが良くもあり悪くもあったかもしれません。
フルートの名手でもあり、実際はモダンなプレイも出来るけれど惜しかったと思います。

マーク・ターナー(ts)は1965年生まれ、オハイオ州出身でバークリーを出ています。
ジョシュア・レッドマン(ts)を継ぐテナー奏者として1990年代に頭角を現してきました。
ブラッド・メルドー(p)、ラリー・グレナディアー(b)、ジョージ・ロッシー(ds)のアート・オブ・ザ・トリオ、カート・ローゼンウィンケル(g)、ブライアン・ブレイド(ds)、ケヴィン・ヘイズ(p)などの錚々たるメンバーと共演して浮揚感のある新感覚ジャズを先導していました。

今作はジェームス・ムーディとマーク・ターナーの共演盤です。
バックはラリー・ゴールディングス(p)、ベン・ウォルフ(b)、クラレンス・ペン(ds)のトリオです。
一般的に超ベテランと若手との組み合わせは上手くいかないと思っています。
なぜなら若手はベテランに気を遣うし、ベテランはすでに力が落ちている場合が多いから。
でも今作はムーディが意外なほど元気なので驚かされました。
モダンなムーディには聴き応えがあるし、十分に2テナー共演盤としてのレベルは保っています。
ラリー・ゴールディングスのピアノ・トリオもいいです。
どうするか、入手を迷った一枚だっただけに良い意味で意外性のあった作品でした。
ジェームス・ムーディ晩年の代表作になりました、お勧めです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



* JAMES MOODY QUARTET / MOODY PLAYS MANCINI

image768.jpg

james moody(as,ts,ss,fl,vo),
gil goldstein(key,arr), todd coolman(b), terri lyne carrington(ds)
1997/Warner Bros/

1 The Pink Panther
2 Slow Hot Wind
3 Moon River
4 Silver Streak
5 Royal Blue
6 Too Little Time
7 Charade
8 Soldier In The Rain
9 (I LoveYou And) Don't You Forget It
10 Two For The Rosd

ここにきてジェームス・ムーディ(ts)のアルバムを何枚か入手しました。
先週に続いて2枚目の紹介になります。
今回はいかにもムーディらしい企画盤でヘンリー・マンシーニの映画音楽作品集になりました。
これならある程度のイメージがつかめると思います・・・やっぱりムードがピッタリなのでいいですよ。
ムーディは芸達者のエンターテナーのようですね。
(3)と(9)の2曲でヘタウマ的な歌を披露しているけどご愛嬌の域を出ていません。
一般的にジャズ・マンの歌は声が太い、渋い、ナット・キング・コール風と相場が決まっています。
(1)と(8)でフルートを披露していますがこれが達者なんですよ。
(2)と(7)と(10)で聴けるムーディのソプラノ・サックスはクリアで爽やかな音色を持っています。
特に(2)「Slow Hot Wind」はメロディの美しさと相まって最高です。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



* JAMES MOODY QUARTET / YOUNG AT HEART

image770.jpg

james moody(sax,fl,vo),
mulgrew miller(p)(4,7,8,10), larry goldings(p)(1,2,3,5,6,9)
tedd coolman(b), billy drummond(ds), orchestra & others
1996/Warner Bros/

1 Young At Heart
2 Love And Marriage
3 Nancy (With The Laughing Face)
4 That Old Black Magic
5 Only The Lonely
6 The Song Is You
7 In The Wee Small Hours Of The Morning
8 It Was The Very Good Year
9 Come Fly With You
10 A Nightingale Sang In Berkeley Square

ジェームス・ムーディ(ts)の3枚目のアルバム紹介です。
図らずも1996~97年のワーナー盤を入手したことになりました。
3枚の中では最もムーディの往年のスタイルが出ていると思います。
ムーディの代表作に「ウィズ・ストリングス」↓というアルバムがあります。

*James Moody With Strings (Argo/1961)

こちらはオーケストラがバックですが一番それに近い雰囲気が出ています。
ムーディーは端正でスマート、ロマンティックで美しいメロディ・ラインを聴かせてくれました。
ヴォーカルも(1)で披露していますが聴き慣れてくると愛嬌があっていい感じです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)



* JAMES MOODY / MOODY WITH STRINGS

image811.jpg

james moody(ts,fl), orchestra, strings
1960/Argo/

1 Dorothee
2 Love For Sale
3 Another Day
4 All My Life
5 I'm Old Fashioned
6 Fools Rush In
7 Somerset
8 I Remember Clifford
9 Love Walked In
10 A Song Of Love
11 Dorian Mood

ジェームス・ムーディ(ts)の最高傑作と目されているアルバムです。
評価が高いミュージシャンの多くがストリングスをバックにした作品を残していますね。
たとえ売れ行きはもう一つでもそれだけ魅力があるんだろうと思います。
自分に焦点が向き実力がそのまま出るので当たり前といえば当たり前ですが・・・。
さて、今作も良かったです。
ムーディどころか疾走感のあるキレのいいサックスとフルートを聴かせてくれています。
実にモダンな演奏でハード・バッパーとしてのムーディの神髄がここにありました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)

nice!(0)  コメント(0) 

Jim Snidero (as) [J (sax)]

* JIM SNIDERO & JEREMY PELT QUINTET / JUBILATION !
Celebrating Cannonball Adderley

image1263.jpg

jim snidero(as), jeremy pelt(tp),
david hazeltine(p), nat reeves(b), billy drummond(ds)
2018/Savant/

1 Party Time (J.Pelt)
2 Del Sasser (S.Jones)
3 Wabash (J.Adderley)
4 Saudade (W.Booker)
5 Stars Fell On Alabama (M.Parish/F.Perkins)
6 Sack o' Woe (J.Adderley)
7 Ball's 90th (J.Snidero)
8 Work Song (N.Adderley)

ジャズ盤には先人のトリビュート盤も多いですね。
先週はマッコイ・タイナー(p)だったけど今週はキャノンボール・アダレイ(as)です。
ジム・スナイデロ(as)とジェレミー・ペルト(tp)のフロント2管とピアニストはデヴィッド・ヘイゼルタインです。
ナット・リーヴス(b)とビリー・ドラモンド(ds)が脇を固めています。

全10曲はスナイデロとペルトのオリジナルが1曲づつと8曲のキャノンボールのヒット曲が並んでいます。
まぁね、こういう企画は本物に優るものはないけれどやりたくなる心情は分かります。
ここでの聴きどころは(5)「Stars Fell On Alabama」(邦題:星降るアラバマ)です。
このバラードは曲自体がキレイで良いですがキャノンボール・アダレイに決定的な演奏があります。
だからこそみんなが取り上げるんだけど足元にも及びません。

* Cannonball Adderley Quintet In Chicago (1959/Emarcy)

上記のアルバムでで聴けるのでまだの方は是非聴いてみて下さい。

全体的によく出来た仕上がりで(6)「Sack o' Woe」や(8)「Work Song」も聴きどころになりました。
特に「Work Song」は名演だと思います。
キャノンボール・トリビュート盤としてはお勧めの一枚です。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)

nice!(0)  コメント(0) 

JD.Allen(ts) [J (sax)]

*JD.ALLEN QUARTET / RADIO FLYER

image1221.jpg

jd allen(ts),
liberty ellman(g), gregg august(b), rudy royston(ds)
2017/Savant/

1 Sitting Bull
2 Radio Flyer
3 The Angelus Bell
4 Sancho Panza
5 Heureux
6 Daedalus
7 Ghost Dance

JD・アレン(ts)を聴くのも久し振りです。
ちょっとは重たいものも聴かないといけないかなと思って手が伸びました。
アレンは硬派のテナー奏者でベースとドラムスの不動のピアノレス・トリオを率いています。
今回は新たにギターが加わったワン・ホーン・アルバムに興味を引かれました。
ジョン・コルトレーン~ファラオ・サンダースにプラス、ソニー・ロリンズはギンギンの主流派と言えると思います。
それにオーネット・コールマンやアルバート・アイラーといったところのアプローチもあります。

全7曲は全てアレンのオリジナルで1曲目から彼の世界が広がっていました。
テーマはあってもないようなもので基本的にはフリー・スタイルを貫き通しています。
ソロイストの主張にメンバーが即座に反応する・・・即興性のジャズの魅力が詰まった作品と言えます。
特にルディ・ロイストンのドラムとの絡みが素晴らしくて、ここが一番の聴きどころになるかな。
リバティ・エルマンのギターがまた長年のレギュラーのようにメンバーに馴染んでいるのにも驚かされました。
まったく違和感がありません。
先の展開の見えないスピリチュアルな演奏が魅力です。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)



*JD.ALLEN QUARTET / PHAROAH'S CHILDREN

s1092.jpg

J.D.allen(ts)
orrin evans(p), eric revis(b), gene jackson(ds)
jeremy pelt(tp)(1,3,11)
2002/CRISS CROSS/

J.D.アレン(ts)の初リーダー・アルバムだそうです。
たまには若い新進プレイヤーの作品も聴かないといけません。
アレン29歳、オーリン・エバンス(p)27歳、さらに注目の若手トランペッターのジェレミー・ペルトが3曲にゲスト出演しています。
11曲中、10曲が本人のオリジナルで残りの1曲はメンバーのエリック・リーブス(b)です。
元気でフレッシュなサウンドを楽しむことが出来ます。
表題曲のファラオズ・チルドレンのファラオはファラオ・サンダース(ts)を指しているのでしょうね。
特にジェレミー・ペルトの名前は覚えておくと良いと思います。

(まじめ系)

nice!(0)  コメント(0) 

Jerry Weldon (ts) [J (sax)]

* JERRY WELDON QUARTET / ON THE MOVE !

s1083.jpg

jerry weldon(ts),
bobby pierce(org), steve homan(g), mike clark(ds)
2015/Doodlin' Records/

1 Do You Know A Good Thing When You See One ? (S.Scott)
2 Black Velvet (I.Jacquet)
3 Donald Duck (D.Patterson)
4 Stringin' The Jug (G.Ammons)
5 You've Changed (B.Carey/C.Fischer)
6 There Are Such Things (S.Adams/A.Bauer/G.Meyer)
7 Till There Was You (M.Willson)
8 On The Move ! (J.Weldon)

ジェリー・ウェルドン(ts)は初見です。
テナー・サックスのワン・ホーンでバックがオルガン・トリオとくればコテコテ・ジャズ路線と相場は決まっています。
演目もシャーリー・スコット(org)、イリノイ・ジャケー(ts)、ドン・パターソン(org)、
ジーン・アモンズ(ts)といったその系統のジャズ・メンの曲が並んでいます。
当然ながらファンキー&ソウルフルでゴリゴリな演奏を予想しました。
でも聴いてみると全体的にスムーズでスマートに展開しています。
ウェルドンのテナーはビック・トーンで豪快・・・よく鳴っていて抜けがいいです。
ストレートな音色は魅力がありますがいかんせんバックのオルガン・トリオが弱いです。
まとわりつくようなソウルやグルーブ感が感じられないのは致命的だと思います。
この編成ならやはりブルージーな泥臭さやベトベトとしたコッテリ感が欲しいですね。

私的ベストはスタンダードの(5)「You've Changed」です。
このバラードが素晴らしくて、多分これがこのグループの持ち味だと思います。
スマートで夜のムード満点・・・つまりあえてコテコテ・ジャズを選曲する必要はなかった。

(くつろぎ系)

nice!(0)  コメント(0) 

Junior Cook (ts) [J (sax)]

*JUNIOR COOK QUINTET / YOU LEAVE ME BREATHLESS

sonet1066.jpg

junior cook(ts), valery ponomarev(tp),
mickey tucker(p), john webber(b), joe farnsworth(ds)
1992/SteepleChase/

元ジャズ・メッセンジャーズのヴァレリー・ポノマレフ(tp)を迎えた2管編成。
盟友ミッキー・タッカー(p)は不変、後にエリック・アレキサンダー(ts)・グループで人気を博す、
ジョン・ファーンズワーズ(ds)とジョン・ウィーバー(b)が参加しています。

「Warm Valley」、「You Leave Me Breathless」、「Mr.P.C.」



*JUNIOR COOK QUARTET / ON A MISTY NIGHT

sonet1065.jpg

junior cook(ts),
mickey tucker(p), walter booker(b), leroy willams(ds)
1990/SteepleChase/

1 On A Misty Night
2 Innocent One
3 Wabash
4 You Know Who
5 Make The Girl Love Me
6 My Sweet Pumpkin
7 Nothing Ever Changes
8 I'll Go My Way By Myself

近頃これほど琴線に触れたアルバムは稀です。
なんか、あまりにしっくりとくるので久し振りに背筋がゾクゾクとしました。
同時にこれほどイメージが狂わされたのも珍しいです。
ジュニア・クック(ts)が話題になることはほとんどないので私も忘れていたんですが、
最近、ジャズ・メッセンジャーズやホレス・シルバー・クインテットを聴き直す機会がありました。
ちょうどそんな時にCDショップの中古品コーナーで偶然このアルバムを見つけたんです。
今までメッセンジャーズに比べてシルバー・クインテットのフロントは小粒などと解釈していました。
”リー・モーガン&ウエイン・ショーター”に対する”ブルー・ミッチェル&ジュニア・クック”。
ジャズ・メッセンジャーズはより自由度が高く、シルバー・クインテットはシルバー色の強いサウンド重視。
プレイヤーの個性発揮という点ではメッセンジャーズが優っていたと思います。
それでシルバーの元ではクックのこともちょっと野暮ったいかと思っていたんです。
だからあえてリーダー作も持っていなかった。
ところが、これを聴いてとんでもない間違いということに気が付きました。
「ジュニア・クックってこんなにモダンでスマートだったっけ」というのが正直な感想です。
クックはウエイン・ショーターとは同年代、ジョン・コルトレーンより8歳も年下です。
当然、コルトレーンの影響下にあります、その点まったくショーターと変わりないわけです。
もう少し下にはジョー・ヘンダーソンがいるので地味なクックは埋もれた感じがします。
テナーの音色はいいし、トーン・コントロールもうまい、私はジュニア・クックを再評価しました。
全体を通して心地良いスイング感に溢れ、 (5)「MAKE THE GIRL LOVE ME」のバラードも秀逸。
続く(6)「MY SWEET PUMPKIN」がベスト・トラックで、ここではミッキー・タッカーが素晴らしいプレイを聴かせます。
バックのメンバーも好演、特にミッキー・タッカー(p)がシブいです。
録音もいいのでお勧め。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



*JUNIOR COOK QUARTET / THE PLACE TO BE

sonet1064.jpg

junior cook(ts),
mickey tucker(p), wayne dockery(b), leroy willams(ds)
1989/SteepleChase/

久々にジュニア・クックを聴いて再評価したので買ったアルバムです。
しっとりと落ち着いたモダンなテナー奏者がここにいました。

「Are You Real ?」、「Gnid」、「Over The Rainbow」



* JUNIOR COOK QUARTET / MOMENT TO MOMENT

image598.jpg

junior cook(ts),
mickey tucker(p), cecil mcbee(b), leroy williams(ds)
junior booth(b)(2,3)
1977Rec/M&I/

1 Sweet Lotus Lips.
2 The Crucifier
3 The 8th Cat
4 Not Quite That
5 Yardbird Suite
6 Moment To Moment Part1
7 Moment To Moment Part2

ジュニア・クック(ts)の1977年の作品です。
久々にCDショップの中古盤コーナーを見ていて見つけました。
「オオ、ラッキー」・・・こういうことがあるから中古盤漁りは止められません。

クックが名前を知られるようになったのはホレス・シルバー(p)・クインテットに入ってからです。
フロント2管の相手はブルー・ミッチェル(tp)で約5年間シルバー・グループに在団しました。
その間出したリーダー作はたった1枚だけです。

* JUNIOR COOK QUINTET / JUNIOR'S COOKIN' (1961/Jazzland)

まぁね、キャリアのわりにこれほどの寡作家はいませんね。
超控え目なクックの人柄が表れていて好ましい限りです。
過小評価の最たるテナー・サックス奏者がジュニア・クックだと思います。


ジュニア・クックは90年代になってから再評価したテナー・サックス奏者です。
その作品がこれです。

*JUNIOR COOK QUARTET / ON A MISTY NIGHT (1990/SteepleChase)

驚いたのなんのって・・・もうぶっ飛んでしまいました。
「ジュニア・クックってこんなにモダンでスマートだったっけ」というのがその時の正直な感想です。
良くも悪くもシルバー・クインテットはシルバーのワンマン・バンドでクックの個性は埋もれてしまった。
クックもまた「他人のバンドでやる方が気が楽だった」と言うからどうしょうもありません。

さて今作はクックの2枚目のリーダー作で1枚目からは実に15年以上も空いています。
盟友ミッキー・タッカー(p)のオリジナルが2曲とその他4曲の構成です。
ここでのクックを聴いてみても実にモダンでモーダルな演奏を聴かせてくれています。
クックが単なるハードバッパーでないことは一目瞭然です。
ジョン・コルトレーン~ウェイン・ショーター・ジュニア・クック~ジョー・ヘンダーソンのラインもあったかと思います。
事実、クックの次にシルバー・クインテットに加わったのはジョー・ヘンダーソンだった。
クックの上手さが際立つのがチャーリー・パーカー(as)の(5)「Yardbird Suite」です。
パーカーは難曲なのでアルト奏者以外は取り上げることが少ないですがクックは難なくこなしています。
ヘンリー・マンシーニの表題曲(6)「Moment To Moment」もコルトレーン張りの演奏に痺れました。
ジュニア・クックは凄いです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)

Joshua Redman (ts) [J (sax)]

*JOSHUA REDMAN QUARTET / ROUNDAGAIN

image1358.jpg

joshua redman(ts,ss),
brad mehldau(p), christian mcbride(b), brian blade(ds)
2020/Nonesuch Records/

1 Undertow (J.Redman)
2 Moe Honk (B.Mehldau)
3 Silly Little Love Song (J.Redman)
4 Right Back Round Again (J.Redman)
5 Floppy Diss (C.Mcbride)
6 Father (B.Mehldau)
7 Your Part To Play (B.Blade)

ジョシュア・レッドマン(ts)を買うのも久し振り、調べたらなんと18年振りでした。
「え~、もうそんなになったのか」という思いがした・・・まったく月日の経つのは早いです。
レッドマンのデビューは1993年で24歳の時でした。
そのデビュー作にはこんな言葉が躍っていました。

今世紀最大で最後の逸材の華麗なるデビュー。
父デューイ・レッドマンの名を出すまでもなく、天賦の才の才能で数々の賞を獲得してきたジョシュア。
魅力的なサウンドで様々なストーリーを語る24歳の実力派テナー・サックス・プレイヤー、絶賛の中でデビュー。
(帯中よりの抜粋)

注目の新人ならやっぱり聴かなくちゃということで1枚目から3枚目までは続けて買いました。
前置きが長くなりましたが今作のメンバーはその3枚目のアルバムと同じです。
26年振りになりますね。

*JOSHUA REDMAN QUARTET / MOOD SWING (1994/Warner Bros)
joshua redman(ts), brad mehldau(p), christian mcbride(b), brian blade(ds)

実はこの作品は私が一番好きな作品で聴いた回数も一番多いです。

レッドマンはフレーズを短く切って飛び跳ねる演奏が特徴ですが当時は物凄く新鮮に聴こえました。
この系統には弟子筋にあたるのかな、もう一人マーク・ターナー(ts)がいます。
全7曲はレッドマン3曲、メルドー2曲、マクブライド1曲、ブレイド1曲の構成で全てメンバーの自作です。
演奏自体はそれぞれが実力者揃いなので手慣れたものだと言えます。
リズムとコード進行はベースに任せてあとはソロイストに合わせていくスタイルです。
私的ベストは(1)「Undertow」で最も今っぽい感じで面白かったです。
安心感があったのは(2)「Moe Honk」で自在に変化するリズムが心地良かったです。
バラードの(3)「Silly Little Love Song」も聴きどころになりました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



*JOSHUA REDMAN TRIO/ ELASTIC

sonet1063.jpg

joshua redman(sax), sam yahel(org,key), brian blade(ds)
2002/WARNER BROS/

いつも気になっているテナー奏者、ジョシュア・レッドマンの新作です。
なぜ気になるかといえば新感覚派のテナー奏者のトップを走っているからです。
マーク・ターナーやクリス・チークが彼に続いていると思います。
今作の全12曲は全て彼のオリジナルで占められています。
オルガンやフェンダーローズを起用したトリオ演奏に新味を出しています。
新しい感覚の作品ですがそれほどの堅苦しさは感じられませんでした。
ブライアン・ブレイド(ds)は売れっ子ですね。ここでも相変わらず目立っています。

(中間系)



*JOSHUA REDMAN QUARTET / PASSAGE OF TIME

sonet1062.jpg

joshua redman(ts)
aaron goldberg(p), reuben rogers(b), gregory hutchinson(ds)
2001/WARNER BROS/

ジョシュア・レッドマン(ts)の作品を無視するのはむずかしいですね。
なんだかんだ言っても間違いなく時代をリードするスター・プレイヤーの一人だからです。
今作品は全8曲、全て彼のオリジナルで占められています。
実験的要素もありますが彼には常に新しいジャズを模索している姿勢が感じられます。
聴いていて必ずしも面白いわけではないけれど何かを主張したい気持は伝わってきますね。

(まじめ系)



*JOSHUA REDMAN / TIMELESS TALES

sonet1061.jpg

joshua redman(ts,as,ss)
brad mehldau(p), larry grenadier(b), brian blade(ds)
1998/Warner Bros/

時代から時代へと吹き継がれる普遍の物語。
若手人気No.1サックス・プレイヤー、ジョシュア・レッドマンが
新たなカルテット編成で贈る、初のセルフ・プロデュース作。
(帯中よりの抜粋)

93年のデビュー以来、賞賛を欲しいままにしてきたジョシュア・レッドマン。
最近では「ブルース・ブラザーズ2000」出演したり、ローリングストーンズのライブ公演に飛び入り参加するなど
幅広い活躍を見せている。
ファッション・ブランドDKNYのイメージ・キャラクターに起用されたこともある彼はそのハンサムなルックスと
シックな雰囲気で、ジャズ通だけでなく、若い世代からも熱い支持を受けている花形アーティストだ。
初のセルフ・プロデュースとなる、通算6作目の今作は全編カバー集で、
この百年間に登場した、代表的ソングライターの作品で構成されている。
名スタンダードの「サマータイム」、「春の如く」、に始まり、ジョニ・ミッチェルの「私の王様」、
ボブ・デュランの「時代は変わる」、プリンスの「つれない仕打ち」、ビートルズの「エリナー・リグビー」等々、
ジョシュアが幼少時代から愛聴してきた、普遍的かつ美しい’10の不朽の物語’がここに収録されている。
彼が90年代を代表する、最も驚異的なプレイヤーであることを立証する超強力盤だ。
(小川隆夫)

ジョシュア・レッドマン自身のプロデュースによるワン・ホーン・カルテット
によるスタンダードとポピュラーヒット曲演奏集です。
スタンダートといっても気楽に流しているという感じがしないのはさすがです。
やはりこの人は一味も二味も違うなぁという印象です。
ブラッド・メルドー(p)にも注目して下さい。

「Summertime」、「Visions」、「Yestyerdays」、「I Had A King」、
「The Times They Are A-Changin'」、「It Might As Well Be Spring」、
「How Deep Is The Ocean」、「Love For Sale」、「Eleanor Rigby」、
「How Come U Don't Call Me Anymore」

(まじめ系)



*JOSHUA REDMAN QUINTET / FREEDOM IN THE GROOVE

sonet1060.jpg

joshua redman(ts,ss), peter bernstein(g)
peter martin(p), christopher tomas(b), brian blade(ds)
1996/Warner Bros/

ジョシュア・レッドマンの新たな挑戦。
ギターとピアノの2コード楽器を使った分厚いサウンドが聴けます。
全10曲は全て自身のオリジナルでサックスとギターのユニゾンが新鮮です。
やはりジョシュアの目の付け所は違います。
このスタイルは以後大ブームになりました。
この時期、時代の先頭に立っていたのは間違いなくジョシュア・レッドマンでした。



*JOSHUA REDMAN QUARTET / MOOD SWING

sonet1059.jpg

joshua redman(ts),
brad mehldau(p), christian mcbride(b), brian blade(ds)
1994/Warner Bros/

新たなジャズの伝説、ここに生まれる。
93年のデビュー以来、破竹の勢いで進化を続けるジョシュア・レッドマンが、自身のグループを率い、
パフォーマー&クリエーターとして最高の力を発揮した素晴らしきサード・アルバム。
(帯中よりの抜粋)

全11曲は全て自身のオリジナルです。
3作目にしてようやく全貌が見えた気がします。
今作はジョシュアの作品群の中で一番聴いたアルバムです。

ブラッド・メルドー(p)とブライアン・ブレイド(ds)が初参加。
特にメルドーはここがスタート台になってめきめきと頭角を現すことになりました。



*JOSHUA REDMAN QUARTET / WISH

sonet1058.jpg

joshua redman(ts),
pat metheny(g), charlie haden(b), billy higgins(ds)
1993/Warner Bros/

ジョシュア・レッドマン(ts)の2作目はパット・メセニー(g)を迎えたワン・ホーン・アルバムです。
全10曲はメンバーのオリジナル6曲とその他4曲の構成です。
野太い音色でリラックスした演奏振りは天才の名に恥じない堂々としたもの。
時代の先端になった「浮揚感のあるサウンド」の原点がここにあります。

「Turnaround」、「Make Sure You're Sure」、「Moose The Mooche」、「Tears In Heaven」



*JOSHUA REDMAN QUARTET / JOSHUA REDMAN

sonet1057.jpg

joshua redman(ts),
kevin hays(p), chritian mcbride(b), gregory hutchnson(ds)
1993/Warner Bros/

今世紀最大で最後の逸材の華麗なるデビュー。
父デューイ・レッドマンの名を出すまでもなく、天賦の才の才能で数々の賞を獲得してきたジョシュア。
魅力的なサウンドで様々なストーリーを語る24歳の実力派テナー・サックス・プレイヤー、
絶賛の中でデビュー。
(帯中よりの抜粋)

ジョシュア・レッドマンの初リーダー・アルバムはいきなりのメジャー・レーベルです。
それだけでも期待の大きさが分かると思います。
演目は多岐に渡っていてジョシュアのルーツを探るには絶好のアルバムになっています。
全11曲は自身のオリジナル6曲とその他5曲の構成です。
たしかにこれがまだ24歳とは思えない完成度の高い演奏が詰まっていました。

メンバーもみんな若いです。
ケヴィン・ヘイズ(p)24歳、グレゴリー・ハッチンソン(ds)23歳、
クリスチャン・マクドナルドにいたってはまだ20歳ですよ。

「Trinkle Tinkle」、「I Got You」、「Body And Soul」、
「Salt Peanuts」、「On The Sunny Side Of The Street」

Joshua Douglas Smith (ts) [J (sax)]

*JOSHUA DOUGLAS SMITH QUARTET / UNSTUCK IN TIME

sonet1056.jpg

joshua douglas smith(ts,ss)
ben monder(g), ron McClure(b), billy hart(ds)
2004/STEEPLECHASE/

ジョシュア・ダグラス・スミスはたしかこれが2枚目のリーダー・アルバムだと思います。
デビュー作は気になっていたのですが結局入手しませんでした。
彼はニューヨーク生まれのまだ22歳になったばかりだそうです。
ジョン・コルトレーン(ts)、ソニー・ロリンズ(ts)、ウエイン・ショーター(ts)、ジョーヘンダーソン(ts)
に影響され、近年ではジョシュア・レッドマン(ts)、ブラッド・メルドー(p)、マーク・ターナー(ts)、
クリス・ポッター(ts)、ジョージ・ガーゾーン(ts)を聴いて勉強したとのことです。
現状では迫力不足はいがめず、スタンダードも標準的、それより4曲のオリジナルに魅力を感じました。
特に表題曲の自作の「UNSTUCK IN TIME」とショーターの「TOY TUNE」は健闘しています。
ギターのベン・モンダーは中々、ロン・マックレア(b)とビリー・ハート(ds)は文句のない人選でしょう。
性格が大人しいのか落ち着いています。年令的にはもう少しがむしゃらなところが欲しい気がしますね。
このまま小さくまとまって欲しくありません。
いかんせん、まだ若いのでこれからの成長を期待したいと思います。

「I'll Be Seeing You」、「Like Someone In Love」、「African Flower」、「Toy Tune」

(中間系)

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。