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Patrice Rushen (p) [P (piano)]

* PATRICE RUSHEN / BEFORE THE DAWN

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patrice rushen(elp,p,synthesizers, clavinet)
oscar brashear(tp,flh), george bohanon(tb), hubert laws(fl),
hadley caliman(ts), lee ritenour(g), charles meeks(b),
ndugu(ds), harvey mason(ds), kenneth nash(per),
nate alfred(per), josie james(vo)
1975/Prestige/

Side A
1 Kickin' Back
2 What's The Story
3 Jubilation
Side B
1 Before The Dawn
2 Razzia

パトリース・ラッシェンもまたフュージョン・シーンで名を上げたピアニストです。
ジャケットからは小柄で可愛らしい女性を想像していました。
実際にライブで見た時には意外にゴツくて男っぽいので驚いたのを覚えています。
動きが激しく、物凄くエネルギッシュな演奏を展開していました。
作曲能力に優れ歌も歌えるしプロデューサーとしての実力もあるので才人です。
今ではR&Bやソウル系、スムース・ジャズ・シーンでの大御所になっています。

今作はパトリースの出世作になります。
全5曲は全て自身のオリジナルで彼女の作曲能力の非凡さを感じることが出来ました。
スタンリー・クラーク(b)やここでも共演しているリー・リトナー(g)とは盟友関係にあります。

(くつろぎ系)

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Pim Jacobs (p) [P (piano)]

*PIM JACOBS TRIO FEATURING RUUD BRINK / JUST FRIENDS

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pim jacobs(p), wim overgaauw(g), ?(b)
ruud brink(ts) 
1990Rec/PINK RECORDS/

1 Just Friends
2 My Romance
3 Polka Dots And Moonbeams
4 Our Love Is Her To Stay
5 The Touch Of Your Lips
6 Easy Living
7 Taking A Chance Of Love
8 East Of The Sun
9 The Man I Love
10 Alone Together
11 Too Marvellous
12 Moonlight In Vermont

オランダの最も知名度の高いピアニストといえばこのピム・ヤコブスになるでしょうか。
飛行機ジャケの「Come Fly With Me」はつとに有名で、名盤としての評価も高いです。
さて、この作品は1990年の録音なので再発盤だと思いますが、内容は実に素晴らしいです。
フューチャーされているルード・ブリンク(ts)は初見ですがこれが大当たりでした。
スタイルはクールなスタン・ゲッツ派です・・・私はその音色と雰囲気に惚れ惚れしてしまいましたよ。
まろやかなサウンドは聴き心地最高、ピム・ヤコブスのドラムレス・トリオをバックに語りかけてきます。
いやー、実際、こんなテナーを聴かされたらたまりませんよ。
これほどのテナー奏者がいたのかと驚かされるとともにつくづく世界は広いと再認識させられました。
ピム・ヤコブス・トリオのスイング感も抜群で、心地良い音楽空間を味合わせてくれます。
全12曲のスタンダード・ナンバーはまさに珠玉の名演と呼ぶにふさわしいです。
このアルバムは究極のくつろぎ、癒し系のジャズの傑作ではないかと思います。
珍しいレーベルなのですでに入手困難になっている可能性があります。
見かけたらすぐに買っておくことをお勧めしたいです。
なお、ベーシストはノー・クレジットでした。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)



*PIM JACOBS TRIO / COME FLY WITH ME

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pim jacobs(p), ruud jacobs(b), peter ypma(ds)
1982Rec/Philips/

ピム・ヤコブスの代表作であると同時にピアノ・トリオ定番の一枚です。
選曲も内容も素晴らしいです。

「I've God The World On A String」、「Come Fly With Me」、「Autumn Leaves」、
「I Love You」、「Body And Soul」、etc

Phil Broadhurst (p) [P (piano)]

*PHIL BROADHURST QUARTET / DELAYED REACTION

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phil broadhurst(p),
roger manins(sax), olivier holland(b), alain koetsier(ds),
julie mason(vo)(8), mike booth(tp)(6)
2011/Independent Artists/

1 Brazilian Like
2 Delayed Reaction
3 Guadeloupe
4 Orange
5 Matai Bay
6 Pat
7 Looking Up
8 La Champagne
9 Edward
10 One Night In The Hotel

フィル・ブロードハーストはニュージーランド出身のピアニストです。
メンバーもニュージーランド出身者で占められているようです。
今作はミシェル・ペトルチアーニ(p)のトリビュート盤ということで見逃せないと思いました。

ペトルチアーニ作が5曲と自身のオリジナルが4曲の構成です。
ブロードハーストのピアノを聴いていると彼がいかにペトを信奉していたかがよく分かります。
ペトそっくりなシーンが次々と現れてきて嬉しくなりました。
これははっきりホーン入りにして目先を変えて成功したと思います。
トリオだと余りに似てしまうので聴き通すのは厳しかったかもしれません。
さらにヴォーカルやトランペットまで起用している念の入れようです。

全体的に実に気持の良い流れでニュージーランド・ジャズのレベルの高さを感じます。
このようにまったく違ったところからペトルチアーニの信奉者が現れるのは面白いですね。
ジャズはまさしくグローバルな音楽・・・世界各地にペト信者は多いと思います。
国が違えばヨーロッパとはまた一味違った味付けになって当然です。
ペトの名曲(7)「LOOKING UP」はぐっと明るい感じになっていました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)

Peter Zak (p) [P (piano)]

*PETER ZAK TRIO / PETER ZAK TRIO

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peter zak(p), paul gill(b), al foster(ds)
2005/STEEPLECHASE/

こちらのピアノ・トリオは至極オーソドックスでメインストリームな演奏を聴くことが出来ます。
全11曲中、オリジナルが7曲、その他4曲の構成です。
ピーター・ザク(p)は、アメリカ出身で今年で40歳になります。
解説によるとマッコイ・タイナー(p)とウィントン・ケリー(p)に最も影響を受けたとあります。
その他にもレッド・ガーランド(p)、ハービー・ハンコック(p)、ビル・エバンス(p)、
バド・パウエル(p)、ホレス・シルバー(p)、マイルス・デイビス(tp)などを良く聴いたそうです。
80年代後半からはピーター・バーンステイン(g)、エリック・アレキサンダー(ts)などと共演、
ライアン・カイザー(tp)やジョージ・コールマン(ts)、スコット・ハミルトン(ts)の作品にも参加しているようです。
これを見ると広く実力も認められていてそのキャリアも十分ですね。
これからも伝統的なジャズ・ピアニストとしての道を歩んでいくのではないでしょうか。
私にとってはやや刺激に欠けますが、安定感、安心感のあるトリオ・アルバムです。
ここではやはり、ベテランのアル・フォスター(ds)の存在が大きいと思いました。

(中間系)

Peter Rosendal (p) [P (piano)]

*PETER ROSENDAL TRIO / WONDERING

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peter rosendal(p), mads vinding(b), morten lund(ds)
2004/COPE RECORDS/

素晴らしいピアノ・トリオの一言。
時々は聴きたくなる掛け値なしの愛聴盤です。

「Moon River」、「It Could Happen To You」



*PETER ROSENDAL TRIO / LIVE AT COPENHAGEN JAZZHOUSE

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peter rosendal(p), mads vinding(b), morten lund(ds)
2003/Cope/

2000年代、お勧めピアノ・トリオ。

Peter Nordahl (p) [P (piano)]

*PETER NORDAHL TRIO / THE NIGHT WE CALLED IT A DAY

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peter nordahl(p)
2004/Spice Of Life/

ピーター・ノーダルは端正できっちりとしたピアノを聴かせてくれます。
ヨーロッパ・ピアノ・トリオ名盤の一枚。

Peter Beets (p) [P (piano)]

*PETER BEETS TRIO / PAGE TWO

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peter beets(p), larry grenadier(b), willie jones Ⅲ(ds)
2002/CRISS CROSS JAZZ/

オランダ期待のピーター・ビーツ(p)が率いるニューヨーク・トリオの2枚目のアルバムです。
今作はベーシストがロドニー・ウィテカーからラリー・グレナディアに変わっています。
全9曲中自身のオリジナルは3曲でジャズ・ジャイアンツの曲を取り上げています。
前作はガツンときて「ドラ流~」にしましたが、これも悪くありませんよ。
なんと言っても、ピアノにパワー、勢いが感じられます。
叙情感中心のピアノ・トリオが全盛の時代には貴重ですね。
前作と比べていくらかスマートに感じるのはベース奏者の違いでしょうか。

(中間系)

「Without A Song」、「So What / Impressions」



*PETER BEETS TRIO / NEW YORK TRIO

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peter beets(p), rodney whitaker(b), willie jones Ⅲ(ds)
2001/CRISS CROSS/

1 Beets' Beat
2 The Game
3 First Song
4 It's Happening
5 The Nearness Of You
6 The Best Thing For You
7 Admirable
8 The Way You Look Tonight
9 Blues For The Apple

ピーター・ビーツ(p)はオランダ出身の新進ジャズ・ピアニストです。
全9曲中オリジナルが6曲、スタンダードが3曲の構成です。
ロドニー・ウィテカー(b)の強靭なベース・ワークに支えられて1曲目から快調に飛ばします。
ニューヨーク・トリオと銘打っていますがたしかに伝統的なヨーロッパスタイルとは違いますね。
どことなく懐かしさを感じる、理屈抜きで楽しめるピアノ・トリオの作品です。
デビュー作の出来があまりに良いので2作目以降が心配になってしまいました。
これからも注目していきたい人材ですね。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



*PETER BEETS TRIO / FIRST DATE

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peter beets(p), marius beets(b), jeff hamilton(ds)
2002(1996Rec)/Maxanter Records/

ピーター・ビーツ(p)のビ・パップ精神溢れるアルバムです。
全8曲はオリジナル4曲とガレスピー3曲とペティフォードが1曲です。

「Tricotism」、「Bebop」、「Con Alma」、「Groovin High」



*PETER BEETS TRIO / FIRST DATE LIVE

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peter beets(p), marius beets(b), jeff hamilton(ds)
2009(1996 Rec)/Maxanter Records/

オランダ出身のピアニスト、ピーター・ビーツを聴くのも久し振りです。
この新譜はどこかで見たことのあるジャケットだと思いながら購入しました。
なぜか、ビーツのジャケットはどことなく似ているんです。
ビーツには「FIRST DATE」というアルバムがあります。
スタジオ録音盤で2001年に出ていますが、その前日のライブを収録した発掘盤です。
当然ながらメンバーも同じで曲目も6曲でダブっています。

選曲はオリジナル3曲とディジー・ガレスピー(tp)やオスカー・ペティフォード(b)のビ・パップが並んでいます。
近く、初来日公演の予定がありその記念盤だそうですが13年前ではちょっと無理がありますね。
しかし、中身は中々に濃いと思います。
ヨーロッパの伝統的なピアノとは一線を画したパワフルなピアノが最大の魅力です。
ビーツ兄弟が若さにまかせて突っ走っていてジェフ・ハミルトンの攻撃的なドラムスも聴きどころです。
ハイライトはそのまんまの曲名も(2)「BEBOP」で熱いプレイが聴けました。

(中間系)

Pete Malinverni (p) [P (piano)]

*PETE MALINVERNI QUINTET / INVISIBLE CITIES

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tim hagans(tp), rich perry(ts),
pete malinverni(p), ugonna okegwo(b), tim melito(ds)
2008/Reservoir/

ピート・マリンバーニ(p)の新譜はティム・ハゲンズ(tp)とリッチ・ペリー(ts)を加えたクインテットです。
私はトランペットとテナー・サックスの組み合わせが一番好きなのでどうしても手が出てしまいました。
リザベアーの看板ピアニストのマリンバーニはコンスタントにアルバムをリリースしています。
今作は都市をテーマにした作品集でマリンバーニとしては硬派なジャズ・アルバムです。
曲想やリズムに変化を与えて幅広い表現力を駆使できたと思います。
マリンバーニ自身はこういうシリアスなものもやってみたかったでしょうね。
そういう意味では異色の作品になりました。

(まじめ系)

「I Love Paris」、「Lonely Town」



*PITE MALINVERNI TRIO / THE TEMPEST

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pete malinverni(p)  dennis irwin(b)  leroy williams(ds)
2004/RESERVOIR/

今やRESERVOIRレーベルの看板ピアニストになった感があるピート・マリンバーニの新作です。
極端に良いアルバムもない代わりに悪いアルバムもない平均点の高いピアニストだと思っています。
コンスタントにリリースしているのでファンも多いんでしょうね。
リスナーを決して裏切らないオーソドッグスなピアノ・トリオ、安定感と安心感が最大の特徴かな。
ただ、大体イメージが固定していて仕上がりが想像出来てしまうところがつらいところです。
今回も共演がベテランのデニス・アーウィン(b)とリロイ・ウィリアムス(ds)なので予想通りでした。
地味ですがキラリと光るフレーズも出てくるので一枚くらいは持っていても損はないと思いますよ。

(中間系)

「My Heart Stood Still」、「Alone Together」、「Get Happy」、
「My Ideal」、「From This Moment On」、「It Could Happen To You」



*PETE MALINVERNI TRIO / AUTUMN IN NEW YORK

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pete malinverni(p), dennis irwin(b), leroy williams(ds)
2002/RESERVOIR MUSIC/

安心感のあるピアニストとしてはピート・マリンバーニもはずせません。
バド・パウエル(p)~レッド・ガーランド(p)のライン上にある人だと思っています。
やわらかなタッチでリラックスしてくつろぎたい時などにはぴったりでしょう。
メンバーも渋く、ゆったりとした上品なピアノ・トリオをお望みの方にはお薦めです。
秋の夜長にBGMで流せば最高です。

(中間系)

「Too Close For Comfort」、「My Shining Hour」、「In Love In Vain」、
「Long Ago And Far Away」、「Autumn In New York」

Paul Grabowsky (p) [P (piano)]

*PAUL GRABOWSKY & BERNIE McGANN / ALWAYS BALLADS

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paul grabowsky(p), bernie mcgann(sax),
philip rex(b), simon barker(ds)
2006/ABC Jazz/

オーストラリア・ジャズの一枚です。
「Always Ballads」とあるようにスタンダードのバラード集です。
勉強不足で両者共に初見でしたがあまりの内容の良さに驚きました。
オーストラリアのベテラン・ピアニスト、ポール・グラボウスキーと
ベテラン・サックス奏者、バーニー・マッガンの組み合わせです。

最初にジャケットを見た時に暗い感じのデュオ・アルバムかと思いました。
それで何度か手に取ったり棚に戻したりしたんだけど買って良かったです。
聴いてみると極上のワン・ホーン・アルバムが隠れていました。
この二人のコラボレーションは本当に素晴らしいです。
ベテランのスタンダード作品集にありがちな陳腐な内容は微塵もありません。
抜群のタイミングとタイム感覚・・・その聴き味の良さについ耳を傾けてしまう。
しっとりと落ち着いた表情を見せながらも各々の演奏が個性的だからです。
心に沁みるというよりは心に響いてくるものがありました。

マッガンはリー・コニッツ風味、実にクールでモダンなアルト・サックス奏者でした。
さらにあちこちでジョニー・ホッジスやポール・デスモンドの味も感じました。
歌うように吹く・・・テクニックも抜群で時々テナー・サックスのようにも聴こえます。
グラボウスキーの美しくも切れ味鋭い、よくスイングするピアノにも魅せられました。
多分、ピアノ・トリオ・ファンにはよく知られた存在なんでしょうね。

1曲目からグイと引き込まれて、心を鷲づかみにされるのは必定です。
スタンダードが新しい感覚で蘇ってくる。
これには参ったなぁ~。
真に「味わい深いアルバム」ってこういう作品だと思います。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)

Paul Bley (p) [P (piano)]

*PAUL BLEY / NOT TWO, NOT ONE

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paul bley(p), gary peacock(b), paul motian(ds)
1999/ECM/

強力年寄りバンドの第2弾です。これもまた一筋縄ではいかず、聴きこなすには骨が折れます。
ブレイ67歳、ピーコック64歳、モチアン68歳のお爺さんジャズです。
しかし、バカにしてはいけませんよ、そこらへんの若造ではとても太刀打ちが出来ません。
私は最初にこれを聴いた時、まったく展開が読めずにゾクゾクとしてしまいましたよ。
冗談抜きに、彼ら年寄りの方が新しいジャズに挑戦しているような気がしています。

(まじめ系)



* PAUL BLEY QUARTET / SPEACHLESS

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paul brey(p),
rich perry(ts), jay anderson(b), victor lewis(ds)
1994Rec/SteepleChase/

1 Dropped Stitch
2 Crystal Ball
3 In Walked Bud
4 Speachless
5 Love
6 Past Tense
7 Beau Didley
8 Love Is
9 Shorthand

2ヶ月ほど前にポール・ブレイ・トリオを紹介したので今度はワン・ホーン入りのカルテットです。
前回のメンバーはポール・ブレイ(p)、ロン・マクルーア(b)、ビリー・ハート(ds)でした。
今回はポール・プレイ(p)、ジェイ・アンダーソン(b)、ヴィクター・ルイス(ds)、リッチ・ペリー(ts)です。
テナー・サックス奏者のリッチ・ペリーはスティープル・チェースの看板プレイヤーの一人です。
1990年代から多くの作品をリリースしています。

全9曲中8曲はブレイのオリジナルで残りの1曲はセロニアス・モンクの(3)です。
聴いていて驚いたのはリッチ・ペリーの演奏です。
ブレイのフリー・フォームなピアノにもまったく遜色ない対応でさすがの実力だと思いました。
1曲目なんかまるでマル・ウォルドロン(p)とエリック・ドルフィ(as)を聴いているようでした。
全部オリジナルだときつかったけどモンクの「In Walked Bud」があって良かったです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)



* PAUL BLEY TRIO / THE NEARNESS OF YOU

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paul bley(p), ron mcclure(b), billy hart(ds)
1989/SteepleChase/

1 This Can't Be Love
2 The Nearness Of You
3 What A Difference A Day Made
4 These Foolish Things*
5 Blues In The Closet*
6 Lullaby Of Birdland
7 W'll Be Together Again
8 Take The A-Train

ポール・ブレイ(p)のピアノ・トリオによるスタンダード作品集です。
メンバーはロン・マクルーア(b)とビリー・ハート(ds)です。
フリー系ピアニストとしてはミシャ・メンゲルベルクに続いて2人目になります。
ポール・ブレイのキャッチフレーズは「空間で語るピアニスト」です。
空間にポツンポツンと雨音が落ちるような美しいピアノ音は耽美的な味わいに満ち溢れています。
時には空間をかき回すような激しさもあるけど・・・。
ヨーロッパ、特に北欧の静謐なピアニストに与えた影響は大きいと思っています。

全8曲は全てスタンダードで占められておりオリジナルが多いブレイにしては異色の作品です。
やはり表題曲になった(2)「The Nearness Of You」が素晴らしい・・・13分の長丁場です。
ヴォーカルナンバーとして知られる(3)「What A Difference A Day Made」は意外な解釈で驚かされました。
ちなみに(4)「These Foolish Things」」と(5)「Blues In The Closet」はCD化により追加されました。
マクルーアの沈み込むベース・プレイやハートの安定感十分のドラミングも聴きどころになりました。
ブレイのスタンダード演奏が堪能できるアルバムでお勧めです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)



* CHET BAKER & PAUL BLEY / DIANE

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chet baker(tp,vo), paul bley(p)
1985Rec/SteepleChase/

1 If I Shold Lose You
2 You Go To My Head
3 How Deep Is The Ocean
4 Pent-Up House
5 Everytime We Say Goodbye
6 Diane
7 Skidadidlin'
8 Little Girl Blue

チェット・ベイカー(tp,vo)は1929年生まれ、1988年にオランダで変死、58歳でした。
常に麻薬がらみの話題が多くて1960年代~70年代半ばにかけては引退同然になっていた。
私にとってもベイカーは50年代で終わっていてカムバックしたのを聴いても全然いいとは思わなかった。
ジェリー・マリガン(bs)との再会セッション「カーネギー・ホール・コンサート」(1977/CTI)で聴けます。
ここでのマリガンは絶好調で一世一代の名演奏を聴かせているけどチェットはまったく冴えなかった。
多分、病み上がりの回復途上だったと思う・・・それでまたチェットから離れてしまったは事実です。

先日の「チェット・ベイカー・シングス」の紹介中、80年代のチェットを全然聴いていないことに気付いた。
で、何かないか?と探したら今作がありました。
フリー・ジャズの雄、ポール・ブレイ(p)とのデュオなら面白いんじゃないかと思いました。
ブレイはカナダ出身の1932年生まれ、2016年にフロリダにて83歳で亡くなっています。

これはねぇ~、真夜中にグラス片手に聴いたら最高だと思うよ。
枯れた味わい、二人は音数を極力少なくして寄り添うように流れるようにメロディを追って行く。
(1)「If I Shold Lose You」に痺れてしまった。
ヴォーカルが聴けるのは(2)「You Go To My Head」だけです。
私が聴きたかったのは大好きな(5)「Everytime We Say Goobye」だけど十分満足しました。
ただ同じ傾向の演奏が続くのでいまひとつ物足りないと思うかも知れません。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)

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