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Marc Mommaas (ts) [M (sax)]

* MARC MOMMAAS & NIKOLAJ HESS DUO / BALLADS AND STANDARDS

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marc mommaas(ts), nikolaj hess(p),
thomas morgan(b)(2,3,6), vic juris(g)(5)
2015/Sunny Side/

1 The Peacocks
2 Ask Me Now
3 The Shadow Of Your Smile
4 In A Sentimental Mood
5 Somewhere Over The Rainbow
6 Never Let Me Go
7 Body And Soul

先週の「マイケル・カナン(p)とデヴィッド・シルズ(ts)のデュオ」に続いてもう1枚買ってみました。
こちらはオランダ出身のマーク・モマース(ts)とデンマーク出身のニコライ・ヘス(p)のデュオです。
先週の題名が「The Sweetest Melody」なら、こちらは「Ballads And Standards」です。
2枚は似たような企画ですが中身は全然違っていました。
一方はストレートでハート・ウォームな作品、もう一方は超クールで静謐な作品です。

全7曲は良く知られたスタンダードをバラードで演奏しています。
3曲にベーシストのトーマス・モーガンと1曲にギタリストのヴィック・ヨリスが加わっています。
1曲目の「The Peacocks」はピアニストのジミー・ロウルズの作品でジャズ・メンが好んで演奏している名曲です。
モマースとヘスのデュオは緊張感に溢れていてギュッと胸を締め付けられる思いがしました。
どれも素晴らしい演奏が詰まっていてテナー&ピアノのデュオ名盤の1枚になります。
特にジェイ・リビングストンの(6)「Never Let Me Go」はこの曲のベスト・プレイが聴けました。
今作は良かったです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)

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Matteo Raggi (ts) [M (sax)]

*MATTEO RAGGI TRIO / DREAM DANCING

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matteo raggi(ts), davide brillante(g), aldo zunino(b)
2016/Music Center/

1 Prospecting (C.Wayne)
2 Isn't Romantic (R.Rodgers)
3 Mr.George (A.Cohn)
4 Dream Dancing (C.Poter)
5 Doodle Oodle (B.Byers)
6 Wonder Why (N.Brodszky)
7 Singin' The Blues (J.R.Robinson/C.Conrad)
8 Take Four (A.Cohn)
9 Awful Lonely (ACohn)
10 Tangerine (V.Schertzinger)

マッテオ・ラッギ(ts)は初見・・・イタリア盤です。
最初はジャケットが気になり、次にドラムレス、ピアノレスの組み合わせに興味を惹かれました。
さらに選曲を見てみるとアル・コーン(ts)が3曲も入っていてラッギのスタイルも一目瞭然ですね。
これで決まりです。

テナー・サックス、ギター、ベースのトリオです。
予想通り、ウエスト・コーストの香りがする、上品な雰囲気を持つアルバムでした。
クールで爽やかなジャズ・テイストを持っていてリラックスするには最適だと思います。
表題曲の(4)「Dream Dancing」の粋でソフトなサウンドがたまりません。
でも、このトリオの神髄は最後の曲にありました。
(10)「Tangerine」がなんとも素晴らしかった。
この心地良いノリとスイング感にはいつまでも浸っていたいと思ってしまいました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)

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Melissa Aldana (ts) [M (sax)]

*MELISSA ALDANA QUARTET / FREE FALL

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melissa aldana(ts),
michael palma(p,elp), lyles west(b), ralph peterson jr(ds),
2010/Inner Circle Music/

1 Free Fall
2 Pasos
3 Creepo The Thief
4 Tears That I Cannot Hide
5 L-Line
6 Broadway Junction
7 Lacy Things
8 Broken Roses
9 Flip Flop

これも昨年のベスト3に登場したアルバムです。
メリッサ・アルダナ・・・女性テナー・サックス奏者の作品。
発売時に気になったんですが買いそびれていました。
インナー・サークルは鬼才グレッグ・オズビー(sax)主催のレーベルです。
メリッサの才能はオズビーも認めたということですね。

メリッサ・アルダナ(ts)は初見、チリ出身でまだ20代のようです。
彼女もまたバークレーを卒業していました。
収録曲は全て自身とメンバーのオリジナルでスタンダードは1曲もなしです。
デビュー作を全てオリジナルで占めるのは珍しいと思います。
女性としては重量級ながらオーソドックスでピュアなハード・バップ・ジャズが聴けました。
初リーダー・アルバムなのでその張り切りようがうかがえる内容です。
エネルギッシュで勢いがある・・・所々で気負いもあるけれど女性の特性もよく出ています。
テナーの音色はしなやかでやわらかく激しくても艶やかな響きがあります。
まったくストレスを感じさせないスムーズな展開は実力も十分とみました。
全体的にアップ・テンポで疾走感のあるプレイに魅力を感じました。
エレピの使い分けが巧みでサウンドに変化を持たせています。
エレピとの相性もいい・・・大らかで広がりのあるサウンドは一番ぴったりくるかもしれません。
バラードは(4)「TEARS THAT I CANNOT HIDE」と(7)「LACY THINGS」の2曲。

さらにメリッサもさることながらピアノのマイケル・パルマが中々いいですよ。
アコースティックとエレクトリック・ピアノを使い分けてモダンなアプローチを聴かせてくれました。
パルマもバークリー出身の27歳、コンテンポラリーな音楽性も持つ現代風のピアニストです。
メリッサとは同級生かもしれませんね。
もちろんラルフ・ピーターソン(ds)の存在感も気になりました。
押し出しが強く多弁でエキサイティングなドラミングにも注目です。
ビシッとアルバム全体を引き締めているのはさすがです。

粒ぞろいの曲が並んでいるので1枚を飽きずに聞き通すことができました。
それぞれに聴き応えがあるし、安心して聴いていられるところもいいです。
女性テナー奏者は少ないのでこれからの活躍を期待したいですね。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)

Mike Murley (ts) [M (sax)]

* MIKE MURLEY TRIO / SHIP WITHOUT A SAIL

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mike murley(ts), reg schwager(g), steve wallace(b)
2016/Cornerstone/

1 In Love In Vain (J.Kern/L.Robin)
2 Folhas Secas (G.Debriro/N.Cavaquinho)
3 Ship Without A Sail (R.Rodgers/L.Hart)
4 Dexterity (C.Parker)
5 You Can't Go Home Again (D.Sebesky)
6 Ever After (K.Wheeler)
7 Mean Old Man (J.Taylor)
8 Know One (M.Murley)
9 Two Degrees East, Three Degrees West (J.lewis)
10 Cry Me A River (A.Hamilton)

カナダのテナー・サックス奏者、マイク・マーレイのドラムレス・トリオの作品です。
ちょっと前に聴いたエミリー・クレア・ バーロウ(vo)のアルバムのバッキングが良かったので入手しました。
マーレイを聴くのは2枚目になります。
マイク・マーレイ・トリオは以前ドラムレス・ファンのジャズ友に「いいから聴いてみてよ」と薦められました。

*Mike Murley Trio / Live At The Senator (2000/Cornerstone)

前回↑のギタリストはエド・ビッカートで今作はレグ・シュワガーです。
両者共にカナダを代表するギタリストなのでこの二人が聴けるだけでも貴重かもしれない。
なおシュワガーは今週紹介したダイアナ・パントン(vo)盤にも参加しています。

全10曲は自身のオリジナル1曲とその他9曲の構成です。
ジョン・ルイス(p)の名曲(9)「Two Degrees East, Three Degrees West」は珍しいかな。
マーレイのドラムレス・トリオはまず雰囲気を味わうアルバムです。
ゆったりと落ち着いたサウンドは大人の時間を過ごすには最適です。
焦らず騒がず、でもただ静かだけでもない秘めた熱さも感じさせる。
ドラムレス・ファンの通がこういうのを聴いているかと思うと「さすがだなぁ~」と思います。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



*MIKE MURLEY TRIO / LIVE AT THE SENATOR

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mike murley(ts), ed bickert(g), steve wallace(b)
2000/Cornerstone Records/

1 I Should Care (Cahn)
2 It's All Right With Me (Poter)
3 Every Time We Say Goodbye (Poter)
4 On The Spot (Murley)
5 Golden Earrings (Young)
6 Just In Time (Noble)
7 The Touch Of Your Lips (Noble)
8 Can't You See ? (Murley)

テナー・サックスのドラムレス・トリオも気になります。
今作はカナダのサックス奏者、マイク・マーレイのドラムレス・トリオです。
マーレイは初聴きですがカナダのジャズシーンには欠かせない実力者と聞いています。
ここでの注目は名手エド・ビッカート(g)の参加にありました。

全8曲はマーレイのオリジナル2曲とスタンダード6曲の構成です。
コール・ポーターとレイ・ノーブルが2曲づつ入っているのが目を引きました。
購入のきっかけは大好きな曲「Every Time We Say Goodbye」が入っていたことです。

ライブ盤でありながらしっとりとした落ち着いた演奏が聴けました。
演奏はどれも素晴らしくて甲乙つけがたいですがベストは(5)「Golden Earrings」か。
そのゆったりとしたスイング感がなんともニクい。
予想通り(3)「Every Time We Say Goodbye」も良かったです。
切なく歌うテナー・サックスの響きがたまりません

ビッカートのプレイはなんと表現したらいいのか?
バッキングでは後ろに下がり、ソロではグンと前に出てくる。
出しゃばるわけでもなく、控えめでもなく、出し入れがまさに職人芸です。
抜群の雰囲気を持っていてその存在感が凄い。
野太く堅実なスティーヴ・ウォレスのベースと共に三位一体の演奏をどうぞ。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)

Myron Walden (ts) [M (sax)]

*MYRON WALDEN QUINTET / MOMENTUM

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myron walden(ts), darren barrett(tp),
david bryant(rhodes), 中村恭士(b), kendrick scott(ds)
2009/Demi Sounds Records/

マイロン・ウォルデン(ts)を最初に聴いたのは1996年のラッセル・ガン(tp)の作品でした。
その後もジェレミー・ペルト(tp)、最近ではブライアン・ブレイド(ds)の「フェロウシップ」で聴きました。
現在は37歳ということなので順調に成長してきたと思います。
当初はアルト・サックスでしたがどうやらテナー・サックスに転向したようですね。

今作は全てマイロンのオリジナルで占められていて意欲作だと思います。
ダーレン・バーレット(tp)とデヴィッド・ブライアント(p)は初見、
中村恭士(b)さんはHPのライブ・レポートや片倉真由子(p)さんの作品などで何度か紹介しています。
バークリーからジュリアードに学んだ逸材で期待のベーシストです。
ケンドリック・スコット(ds)も先進のドラマーとして売り出し中です。
この二人のリズム・セクションが強烈、加えてブライアントのローズが絡むと懐かしいサウンドになりました。

テナー・サックスにトランペットのフロントにピアノ・トリオは王道クインテットの組み合わせ。
おまけにローズ使用とくればもうお分かりですね。
お手本は初期のエレクトリックなマイルス・デイビス・クインテットです。
ズバリ、(5)「MILES」なんて曲名もあります。
1曲目「OF THREE WORLDS」を聴いてもらえばこのグループの魅力が分かると思います。
(2)「THE ROAD AHEAD」、(7)「WHAT GOES UP MUST COME DOWN」も良かった。
一番の聴きどころは(3)「PULSE」かな・・・ゆったりと刺激的で味のある演奏が展開されています。

ちなみにこのグループのライブ・アルバムも同時発売されています。
期待の程が分かりますね。
現在のニューヨークのジャズ・シーンの一片を切り取ったお薦めのジャズ・アルバムです。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(まじめ系)

Mike DiRubbo (as) [M (sax)]

*MIKE DiRUBBO QUINTET / KEEP STEPPIN'

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mike dirubbo(as), jim rotondi(tp)
mike ledonne(p), dwayne burno(b), joe farnsworth(ds)
2001/CRISS CROSS/

マイク・ディルッボのクリスクロス第一弾。
ジム・ロトンディ(tp)を迎えてのフロント2管はコンテンポラリー・ハード・バップです。
音楽監督はマイク・ルドン(p)かな。
ジャッキー・マクリーン系のマイク・ディルッボにマッコイ・タイナー系のマイク・ルドン
の組み合わせは興味深いものがありました。

スタンダードは「The End Of Love Affair」、「Solar」。
「Solar」はドラムスとのデュオでインプロバイザーとしての彼の実力を示しています。



*MIKE DiRUBBO QUINTET / FROM THE INSIDE OUT

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mike dirubbo(as), steve davis(tb),
bruce barth(b), nat reeves(b), carl allen(ds)
1999/Sharp Nine Records/

新進アルト・サックス奏者マイク・ディルッボの初リーダー・アルバムです。
兄貴格のすてスティーヴ・デイビス(tb)との共演盤。

スタンダードは「Over the Rainbow」

Mike Cuozzu (ts) [M (sax)]

*MIKE CUOZZU / WITH THE COSTA-BURKE TRIO

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mike cuozzo(ts),
eddie costa(p), vinnie burke(b), nick stabulas(ds)
1956Rec/Jubilee/

1 Fools Rush In
2 Lover Man
3 Ten A.M
4 That Old Feeling
5 I Cover The Waterfront
6 Easy To Love
7 Blue Jeans
8 Bounce For Mike

マイク・コゾー(ts)&エディ・コスタ(p)・トリオ。
先日、宮野裕司・カルテットを見に行った時にジャズ・バーの店主のMさんが聴かせてくれました。
ほとんど知られていない珍しいプレイヤーだしエディ・コスタとの共演盤ということで購入しました。
早世したコスタと共に貴重なアルバムになっています。

リー・コニッツ(as)やレスター・ヤング(ts)系のクール・サウンドで
エディ・コスタ&ヴィニー・バーク・トリオと共に独特の雰囲気があります。
マイク・コゾーについてはほとんど情報がないですね。
なんでジャズ・シーンから消えてしまったのかも定かではありません。

エディ・コスタは独自の感性を持ったピアニストでヴァイブ奏者としても知られています。
才能豊かで、「さぁ~、これから」という時に交通事故で亡くなってしまいました。
まだ31歳だったんですよ・・・そういう意味でもコスタ参加のアルバムはどれも貴重といえます。
ヴィニー・バークはそのコスタと共に行動したベーシストです。
よく知られているのはギタリストのタル・ファーローとの共演盤かな。
「Tal」や「Swinging Guitar of Tal Farlow」で聴くことができます。

実に趣味のいいアルバムなので秋の夜長のBGMには最適です。
こんなのをひっそりと聴いていた人がいたんですね。
「参ったなぁ~」

ちなみにこれをキッカケに「ジャズ名盤999シリーズ」を詳しく見てしまいました。
この他に↓の3枚が入手済みです。
*ロイ・エアーズ/ウエスト・コースト・ヴァイブス
*ランディ・ウェストン/5スポットのランディ・ウェストン
*サル・サルヴァドール/ミュージック・トゥ・ストップ・スモーキング・バイ

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)

Miguel Zenon (as) [M (sax)]

*MIGUEL ZENON QUARTET / TIPICO

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miguel zenon(as),
luis perdomo(p), hans glawischnig(b), henry cole(ds)
2016/Song X Jazz/

1 Academia
2 Cantor
3 Ciclo
4 Tipico
5 Sangre De Mi Sangre
6 Corteza
7 Entre Las Raices
8 Las Ramas
9 La Novia Que Nunca Tuve

ミゲール・ゼノン(as)の新作はジャケ買いです。
ある種一抹の不安を抱えながら13年振りにリーダー作品を買いました。
ゼノンはバークリーの出身、キューバのダニーロ・ペレス(p)や先輩格のデヴィッド・サンチェス(ts)等と共演して頭角を現してきました。
ユニークで強力なアルト奏者として注目していましたが余りにシリアスでダークな世界・・・聴いていて疲れるので離れてしまいました。
これはゴンザロ・ルバルカバ(p)や前述のデヴィッド・サンチェスにも同様の思いがあります。

今作は原点であるプエルトリコに回帰する曲想で全9曲中8曲が自身のオリジナルです。
ジャケットの雰囲気が良くて、もう1回「買ってみようか」という気になりました。
結果は買って良かった・・・これはゼノンの最高の一枚になったと思います。
超クールな音色のゼノンの特徴もよく出ているし、盟友ルイス・ペルドモ(p)の素晴らしいピアノも聴けます。
思うにジョニー・ホッジス~ポール・デスモンド~マリオン・ブラウン~ミゲール・ゼノンの流れが出来ました。
このラインはサウンド的にとても重要で、アルト・サックスの特徴的な高音部の奏法が受け継がれています。
細く、薄く、繊細でクール、透明感のある美しい音色を持っています。

私的ベスト・トラックは感動的な(2)「Cantor」、ハイセンスなリズム感の(6)「Corteza」にも注目しました。
表題曲の(4)「Tipico」や(3)「Ciclo」も良かった、フリー・フォームで演奏される(7)「Entre Las Raices」も入ってます。
相も変わらず日本盤のみのボーナス・トラックの(9)ですがこの先進のラテン・サウンドも聴きどころになりました。
全体を通してペルドモの存在感が光っていて、ペルドモ居ればこそのゼノンという感じがしました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)



*MIGUEL ZENON QUARTET / CEREMONIAL

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miguel zenon(as)
luis perdomo(p), hans glawischnig(b), antonio sanchez(ds)
2004/MARSALIS MUSIC/

くつろぎ系のジャズを聴いているとたまにはシリアスなものを聴きたくなるのが世の常です。
ミゲール・ゼノン(as)は最近も紹介したばかりですが、ワン・ホーンということで選んでみました。
プエルト・リコ人のゼノンはラテン音楽に囲まれていましたがジャズはチャーリー・パーカーに影響されたとあります。
名門バークリーの出身、キューバのダニーロ・ペレス(p)や先輩格のデヴィッド・サンチェス(ts)等と共演して頭角を現してきました。
全9曲中7曲が自身のオリジナルで、ラテン・テイストを残しながらもそのサウンドは単純ではありません。
終始緊張感を持つ冷静な演奏を繰り広げています。
ユニークで強力なアルト・サックス・プレイヤーであることは間違いないでしょうね。
ただ万人に受け入れられるかというとむずかしいです。
私は聴いていて疲れました。すんなりと聴いているわけにはいかないからです。
この点、近年のゴンザロ・ルバルカバ(p)の作品群を思い浮かべました。
私がもっと若ければラテン系ミュージシャンのこういった新しい試みにも付いていけるのですが残念に思います。

(まじめ系)



*MIGUEL ZENON / LOOKING FORWARD

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miguel zenon(as,fl,per,vo)
luis perdomo(p), hans glawisching(b), antonio sanchez(ds)
pernell saturnino(bon), david sanchez(ts)(2,7), etc
2001/FRESH SOUND NEW TALENT/

最近、巷でちょっと話題になっているアルト奏者、ミゲール・ゼノンはどんなもんだろうと思って入手しました。
スペインの新人登竜門になっているフレッシュ・サウンド・ニュー・タレント盤で2001年の作品です。
これなら全編彼のオリジナルで占められ彼の音楽性がよく分かると思ったからです。
ソロは高音部を多用しパワフル、リズムの変化も激しいです。
若さと勢いを持ち、インパクトもあり、ユニークですが正直今の私には少々疲れるサウンドでした。
先輩格のデヴィッド・サンチェス(ts)が2曲に参加、ピアノのルイス・ペルドモの好プレイが目立ちます。
この一枚だけでは分かりませんね。スタンダードの表現力も聴いてみたいと思いました。

(まじめ系)

Michael Brecker (ts) [M (sax)]

*MICHAEL BRECKER QUINTET / PILGRIMAGE

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michael brecker(ts), pat metheny(g), herbie hancock(p)(1,5,8,9)
brad mehldau(p)(2,3,4,6,7), john patitucci(b), jack dejohnette(ds)
2007/WA RECORDS/

1 The Mean Time
2 Five Months From Midnight
3 Anagram
4 Tumbleweed
5 When Can I Kiss You Again ?
6 CArdinal Rule
7 Half Moon Lane
8 Loose Threads
9 Pilgrimage

マイケル・ブレッカー(ts)の2006年録音の遺作です。
このアルバムは今年の上半期の最大の話題作になるのは間違いないでしょうね。
全9曲はブレッカーのオリジナルで、ブレッカーの全てが注ぎ込まれているといっても過言ではありません。
ハービー・ハンコックとブラッド・メルドーの持ち味の違う二人のピアニストを起用したのも成功しています。
ハンコック参加の(1)、(5)、(8)、(9)はジャズ・テイストが濃くハード・コアな内容で素晴らしいです。
メルドー参加の(2)、(3)、(4)、(6)、(7)はよりマイルドな印象で泣きのサックスも聴けます。
最もブレッカーらしいサウンドを聴かせてくれた(4)「TUMBLEWEED」が私的なベスト・トラックです。
望み得る最高の共演者に囲まれて、各人の好演と相まって貴重なアルバムになっています。
ブレッカーが病魔に侵されていたことを考えるとこれほどの出来になるとは到底信じられません。
私はここに次世代をリードするブラッド・メルドー(p)が参加していることに何かの因縁を感じました。
ブレッカー、メセニー、ハンコック、メルドー、パティトゥッチ、デジョネット、
これを聴かずして現在のジャズは語れない・・・なんか全てに信じがたい驚異的なアルバムです。
多分、今年はこれ以上のアルバムは出てこないと思います。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)



*MICHAEL BRECKER / NEANESS OF YOU

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michael brecker(ts)
pat metheny(g), herbie hancock(p), charlie haden(b)
jack dejohnette(ds), james taylor(vo)
2001/VERVE/

マイケル・ブレッカーの新作は豪華メンバーによるバラード・アルバムになりました。
しかし、マイケルの音楽性から言ってもバラード一本で聴かせるのは厳しいかも知れません。
コルトレーンを意識し過ぎかな、マイケル独特の切れ味が鈍る感じがしました。
ジェームス・テイラーのボーカルのバックで入るテナーの方がずっとセクシーです。
ジェームス・テイラーは懐かしいですね。昔、時々聴いていました。
というわけでボーカル入りの2曲が私のお気に入りです。

(中間系)



*MICHAEL BRECKER / TIME IS OF THE ESSENCE

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michael brecker(ts), pat metheny(g), larry goldings(org)
elvin jones(ds)(1,4,9), jeff watts(ds)(2,5,7), bill stewart(ds)(3,6,8)
1999/VERVE/

近頃のマイケル・ブレッカーの出来の良さから、この新作には期待していましたが、
予想通りの素晴らしい仕上がりのアルバムになりました。
大体が一枚のCDを聴き通すのは中々難しいことですが、この作品は一気にいけましたよ。
オルガン・ジャズとしては、一味も二味も違っていて、そのサウンドも十分に個性的です。
ブレッカーについては、まさに今が旬という感じがしています。
テクニック、表現力共に抜群ですし、完全に自己のスタイルを確立したと思います。
現役のテナー奏者としては、今や最高ではないでしょうか。
共演者のプレイもそれぞれ見事で、ゴールディングスのオルガンも素晴らしく、
メセニーの押さえたギター・プレイにも新たな魅力を感じました。
3人のドラマーを起用したのも新しい試みで、聴き比べは興味深いものでした。
プロデューサーのジョージ・ウイッティの存在が大きいと思います。
個人的には、今年のNO.1に推したいジャズ・アルバムですね。

[ Swing Journal : ゴールド・ディスク ]

(まじめ系)



*MICHAEL BRECKER QUARTET / TWO BLOCKS FROM THE EDGE

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michael brecker(ts),
joey calderazzo(p), james genus(b), jeff"tain"watts(ds),
1998/GRP/

恐るべしマイケル、98年ジャズ・シーンK点超え作品!
あの前作「テイルズ・フロム・ザ・ハドソン」を上回る内容。
全世界ジャズ・ファン必携作品。
「デルタ・シティ・ブルースに感動。
(帯中よりの抜粋)

最後の「Skylark」はピアノとのデュオで日本盤ボーナス・トラックです。

[ Swing Journal : ゴールド・ディスク ]



*MICHAEL BRECKER QUINTET / TALES FROM THE HUDSON

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michael brecker(ts), pat metheny(g),
joey calderazzo(p), charlie haden(b), jack dejohnett(ds),
mccoy tyner(p)(3,5), don alias(per)(3,5)
1996/Impulse/

マイケル、恐るべし。
’96ジャズ・ナンバー・ワン・アルバムはこれだ!
パット・メセニー全曲参加のマイケル最高傑作、遂に完成。
(帯中よりの抜粋)

マイケルの新生インパルス移籍第一弾はストレート・アヘッドな作品。
全曲メンバーのオリジナル・・・どれを聴いても文句なしに素晴らしいと思います。
マッコイ参加の2曲はサウンドが広がり、ジョン・コルトレーンの世界を彷彿とさせる。

[ Swing Journal : ゴールド・ディスク ]



*MICHAEL BRECKER QUINTET / MICHAEL BRECKER

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michael brecker(ts), pat metheny(g),
kenny kirkland(p), charlie haden(b), jack dejohnett(ds),
1987/MCA/

マイケル・ブレッカーの記念すべき初リーダー・アルバム。
38歳というのは驚きの遅さですね。
1987年、ダウン・ビート誌の「アルバム・オブ・ジ・イヤー」に選ばれた作品。
自作の(2)「SYZYGY」では時代の先端をいく圧倒的な演奏が聴けます。
(7)「My One And Only Love」のバラード奏法も圧巻です。
マイケル・ブレッカーの先鋭な音色には心に踏み込んでくる凄さがある。

浮揚感を感じるパット・メセニーのギターには現代のギター奏者のルーツがあります。
今は亡きケニー・カークランドの参加も貴重になりました。

Meilana Gillard (ts,bcl fl) [M (sax)]

*MEILANA GILLARD QUINTET / DAY ONE

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meilana gillard(ts,bcl,fl), nir felder(g),
sam barsh(f.rhodes), marcos varela(b), tyshawn sorey(ds)
2008/INNER CIRCLE MUSIC/

メイレナ・ギラード(ts)は初見、先週に引き続いてグレグ・オズビーのレーベルです。
初リーダー・アルバムなので相当な緊張感があったのは想像にかたくありません。
その影響もあってか、やや線が細い感じがします。
女性らしい繊細さはありますが最近は男勝りの女性プレイヤーも多いので余計そう感じました。
正直なところ、ギター・カルテットのほうがより刺激的で面白かったかもしれません。
表題曲でも最初にソロを取るのはギターだったし、タイトなドラムスにも印象が残りました。
全8曲は彼女自身のオリジナルですが色々やり過ぎて消化不良になった感はいがめません。
彼女の演奏で一番良かったのは(4)「A SPIRIT REMEMBERED」のバラード・プレイで、
起伏を抑えたクールでしっとりとした演奏を聴かせてくれました。
このラインで押し切った方が良かったような気がします。
その他、ギターをフューチャーした(5)、(6)が聴きどころになると思います。
全体的にギターのニア・フェルダーとドラマーのティシャウン・ソレイが目立つ一枚です。

(まじめ系)

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