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Helen Sung (p) [H (piano)]

*HELEN SUNG TRIO & QUARTET / GOING EXPRESS

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helen sung(p), lonnie plaxico(b), eric harland(ds),
seamus blake(ts,ss)(1,2,3,4,7)
2010/Sunny Side/

1 Going Express
2 Bitter
3 Love For Sale
4 Hope Springs Eternally
5 In Walked Bud
6 Eronel
7 Bittersweet
8 Lotus Blossom

ヘレン・スン(P)を聴くのは2枚目になります。
今作はライブ盤で前半がカルテット、後半がトリオ中心の構成になっています。

前回の紹介で、「ルーツはやはりセロニアス・モンク&ビル・エバンスのミックスタイプで
現在のピアニストの主流派です」と書いています。
ジャケットを見るとこの5年位でだいぶ雰囲気が変わった感じがしますがどうなんでしょう。
順調に実力を伸ばして活動の場を広げているようですね。
ここではニューヨークの最先端のプレイヤーとの共演を実現して自己の音楽表現を強化しています。
シーマス・ブレイク(ts,ss)はジョシュア・レッドマンやマーク・ターナー系の新感覚サックス奏者ですが、
それほど強く個性を発揮させることもないのでサイドマンとして引っ張りだこになっています。
特にソプラノ・サックスの表現力に長足の進歩が認められました。
ロニー・プラキシコはジェイソン・モラン(p)やドン・バイロン(cl)と共演している一癖あるベーシスト。
エリック・ハーランドは近年最も注目されているドラマーですね。

強力な布陣を配して、予想通りに刺激的かつ先鋭的なジャズを聴かせてくれました。
これが彼女中心じゃなかったらどこに飛んで行くか分からない危うい布陣ともいえます。
やはり女性ならでは繊細さとやさしさを持っています。
(4)「HOPE SPRINGS ETERNALLY」はその雰囲気が出ていてとてもいい感じがしました。
ピアノ・トリオで演奏される(5)「IN WALKED BUD」も秀逸でクリアで瑞々しいモンクが聴けます。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



*HELEN SUNG TRIO / HELENISTIQUE

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helen sung(p), derrick hodge(b), lewis nash(ds) 
2005/FRESH SOUND NEW TALENT/

1 H*Town
2 Lover
3 Sweet And Lovely
4 Voyage
5 Willow Weep For Me
6 Where Or When
7 Black Norcissus
8 Bye Ya
9 Cottontail
10 Carolina Shout
11 Alphabet Street
12 H*town

ヘレン・スン(p)はアメリカのヒューストン出身の韓国系アメリカ人ということになるでしょうか。
スペインの「Fresh Sound New Talent」盤は多くの新人の登竜門になっています。
基本的に全てお任せの姿勢を貫いているのでそのプレイヤーの音楽性や本質が出ます。
新人に好き勝手に演らせるレーベルはそうないのでそれだけでも貴重だと思っています。
ここでの彼女はオリジナルは1曲だけであとは主にスタンダード作品で勝負しています。
スタンダードは多くの人が取り上げるので、独自の解釈で聴かせるのは案外むずかしいです。
それだけ自信を持っているという見方も出来ますね。
女性ならではの繊細な表現力で興味深く聴くことができました。
ルーツはやはりセロニアス・モンク&ビル・エバンスのミックスタイプで現在のピアニストの主流派です。
ベテランのルイス・ナッシュ(ds)を起用して安定感を増す狙いも成功しています。
インパクトはやや軽めですが、将来性に期待して「ドラ流・・・」にしました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)

Hector Martignon (p) [H (piano)]

*HECTOR MARTIGNON TRIO / THE FOREIGN AFFAIR

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hector martignon(p), jairo moreno(b), satoshi takeisi(ds)
randy brecker(tp), luis bonilla(tb), donny mccaslin(ss,ts),
don byron(cl), ruben blades(vo)
1998/ CANDID/

ヘクター・マーティノンは新感覚ピアニストです。
スタンダードの解釈が新鮮で魅力的なメロディ・ラインが聴けました。
ゲストにもドニー・マッカスリン(sax)やドン・バイロン(cl)といった一癖あるメンバーが参加。

「My One And Only Love」、「Some Day My Prince Will Come」

Harumi Monoto 野本晴美 (p) [H (piano)]

*HARUMI NOMOTO TRIO / BELINDA

野本晴美(p,elp)、 安東昇(b)、 吉岡大輔(ds)
2007/BQ Records/

1 M.M.C.M.
2 7up
3 Belinda
4 Dog Star
5 M.M.C.M.
6 Crescent
7 Baobab
8 My Sweet Brown
9 Improvisation Solo
10 Improvisation Trio

全曲、野本晴美さんのオリジナル。
ピアノやフェンダー・ローズを駆使して現在の野本さんの方向性を出しています。
バックは安東、吉岡という強面のメンバーです。
野本さんはイメージとは違って硬派なピアニストです。

(中間系)



*HARUMI NOMOTO TRIO / ANOTHER ORDINARY DAY

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野本晴美(P)、 塩田哲嗣(b)、 トミー・キャンベル(ds)
俵山昌之(b)(5,7)、 江藤良人(ds)(5,7)
2002/VENUS/

1 My Shing Hour
2 Libra Sun
3 Blues On Saturday
4 Time Table Of Life
5 Go-Ma
6 You Only Know What I Know
7 I Didn't Know What Time It Was
8 Stardust

2002年に発売された売れっ子ピアニスト、野本晴美さんの初リーダー・アルバムです。
全8曲はオリジナル5曲、スタンダード3曲の構成です。
2セットのトリオが聴けるのも嬉しい企画だと思いました。
塩田哲嗣(b)さんとトミー・キャンベル(ds)、もう一方は俵山昌之(b)さんと江藤良人(ds)さんです。
共に重量級メンバーが選ばれたと思います。
なぜなら野本さんのタッチは力強くガチッとしているので軽快な雰囲気は似合いません。
デューク・エリントン(p,com)は当然としてセロニアス・モンク(p)やマッコイ・タイナー(p)の影響が大きいです。
解説の中で野本さんからソニー・クラーク(p)の名前が出ていたのも面白かったです。

全体的にやや硬さが感じられますがフレッシュでストレートなピアノ・トリオを聴くことができます。
ちなみに2007年の2ndリーダー・アルバムも安東昇(b)、吉岡大輔(ds)というごついメンバーでした。
海野俊輔(ds)さんの「Beautiful Friendship」に客演した野本さんのプレイは素晴らしかったです。
この「Beautiful Friendship」は2008年の「みんなのベスト3」に選びました。

(中間系)

Harold Mabern (p) [H (piano)]

* HAROLD MABERN QUARTET / THE IRON MAN : LIVE AT SMOKE

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harold mabern(p),
eric alexander(ts), john webber(b), joe farnsworth(ds)
2018/Smoke Sessions/

Disk 1
1 A Few Miles From Memphis (H.Mabern)
2 I Get A Kick Out Of You (C.Poter)
3 I Know That You Know (V.Youmans/A.Caldwell)
4 I Remember Clifford (B.Golson)
5 T-Bone Steak (J.Smith)
6 Almost Like Being In Love (F.Lowe/A.J.Lerner)
7 Dear Lord (J.Coltrane)

Disk 2
1 Nightlife In Tokyo (H.Mabern)
2 She's Out Of My Life (T.Bahler)
3 How Insensitive (A.C.Jobim/N.Gimbel)
4 Mr.P.C. (J.Coltrane)
5 On A Clear Day (B.Lane/A.J.Lermer)
6 You Are Too Beautiful (R.Rodgers/L.Hart)
7 Rakin' And Scrapin' (H.Mabern)

ハロルド・メイバーン(p)は1936年生まれ、テネシー州のメンフィス出身、2019年9月に83歳でなくなりました。
やや遅れてきたハード・バッパーでバド・パウエル直系のピアニストとしては最後の年代になります。
私が注目したのはハンク・モブレー(ts)の大ヒット作「ディッピン」やリー・モーガン(tp)の「ジゴロ」からでした。

ジャズ低迷期を過ぎて90年代に入るとエリック・アレキサンダー(ts)との共演で不死鳥のように蘇ってきました。
メイバーンは現代シカゴ・ジャズの大御所になっていてエリックにとっては師匠格で父親みたいな存在だった。
エリックはどれだけのジャズ・スピリッツを受け継いだものか。
メイバーンを何度かライブでも見ていますがパワフルでエネルギッシュなピアノ奏法は強烈な印象を残しました。
その強靭なタッチと切れ味は実にソウルフルで抜群のスイング感を持っています。
「この年で何でここまで元気なんだ?」・・・まさに鉄人、まだまだ元気に活躍できると信じていた。
最後のアルバムの題名が「The Iron Man / Live At Smoke」だったのは言い得て妙だと思いました。
一つ忘れていけないのがメイバーンは強烈過ぎて目立たないけどジャズ・ピアノの名手だということです。

さて今作はメイバーンの最後のライブ・アルバムになったレギュラー・カルテットによる2枚組です。
全14曲は自身のオリジナル3曲とその他コルトレーンの2曲を含むスタンダードが11曲の構成です。
内容は推して知るべしの純ハード・バップ・アルバムです。
艶やかで安定感溢れるエリック・アレキサンダーのテナー・サックスが聴きどころになりました。
ただメイバーンにしては大人しくて落ち着いたアルバムに仕上がっています。
ちょっと物足りない部分もあるけれど選曲の良さとメイバーン最後の作品としての価値はあると思う。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



*HAROLD MABERN QUARTET / MR. LUCKY

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harold mabern(p), eric alexander(ts), john webber(b), joe farnsworth(ds)
2012/HighNote/

1 The People Tree
2 As Long As She Needs Me
3 Soft Shoe Trainin' With Sammy
4 Hey There
5 I've Gotta Be Me
6 Mr. Lucky
7 What Kind Of Fool Am I ?
8 Night Song
9 Something's Gotta Give

ハロルド・メイバーンはやや遅れてきたハード・バッパーと言えるかもしれませんね。
1936年生まれの今年で76歳・・・バド・パウエル直系のピアニストとしては最後の年代かな。
近年の活躍には目覚しいものがあって典型的な遅咲きのプレイヤーです。
何年か前に見たライブではその強靭なタッチと切れ味に驚かされました。
実にソウルフルで抜群のスイング感を持っていました。

メイバーンに注目したのはハンク・モブレー(ts)の大ヒット作「ディッピン」やリー・モーガン(tp)の「ジゴロ」からでした。
私は当時のリーダー作を持っていないのでほとんどノー・マークというか手が回らない存在でした。
低迷期を過ぎて90年代に入るとエリック・アレキサンダー(ts)との共演で不死鳥のように蘇ってきました。
メイバーンはエリックにとっての師匠格で、父親みたいな存在だと思います。
どれだけのジャズ・スピリッツを受け継いだものか。

内容は推して知るべしの純ハード・バップ・アルバムです。
副題には「サミー・デイビス・Jrに捧げる」とあります。
あまり馴染みのない曲が多いですがサミー・デイビスのヒット曲だと思います。
(7)「NIGHT SONG」がただ1曲のピアノ・トリオ演奏・・・ロマンティックで美しいです。
(4)「HEY THERE」のソロ・ピアノも聴きどころでメイバーンの実力をを余すところなく伝えています。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



* HAROLD MABERN / SOMEWHERE OVER THE RAINBOW
--Harold Plays Arlen--

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harold mabern(p), dwayne burno(b), willie jonesⅢ(ds)
2006/Venus/

1 Somewhere Over The Rainbow
2 A Sleeping Bee
3 Blues In The Night
4 Out Of This World
5 Savanna
6 Hooray For Love
7 Stormy Weather
8 I've Got The World On A String
9 The Man That Got Away
10 This Time The Dream's On Me

ハロルド・メイバーン(p)もまた80歳を過ぎても現役で活躍するジャズ怪物の一人です。
パワフルかつ強靭なタッチの持ち主でスイング感溢れる演奏は元気がもらえるピアニストです。
やや情緒には欠けるけれど機関車の如く突っ走る奏法には魅力があります。
エリック・アレキサンダー(ts)の師匠格としても知られていますね。

全10曲は全てハロルド・アーレンの作品です。
今作はそこに惹かれました。

偉大なる作曲家”ハロルド・アーレン”のスタンダード曲をメイバーンがピアノ・トリオでつづった特集!
ノリの乗ったスインギーな演奏からビューティフルなバラード演奏まで絢爛豪華あムードで絶好調のメイバーン節が聴ける傑作!
(帯中よりの抜粋)

(中間系)



*HAROLD MABERN TRIO / FANTASY

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harold mabern(p), dwayne burno(b), joe farnsworth(ds)
2004/VENUS/

1 Almost Like Being In Love
2 Harlem Dawn
3 Lollipops And Roses
4 Sesame Street Theme
5 Fantasy
6 The Sidewinder
7 It Only Hurts When I Smile
8 Let's Face The Music And Dance
9 Jackson Park El Train
10 You Belong To Me

E・W・&Fの大ヒット曲「宇宙のファンタジー」、リー・モーガンの名曲「サイド・ワインダー」他、スタンダード曲等に彼の美旋律のオリジナル・バラードを含む強力無比の選曲でメンバーン節が全開の傑作アルバム。
(帯中よりの抜粋)

[ Swing Journal : ゴールド・ディスク ]

(まじめ系)



* HAROLD MABERN TRIO / DON'T KNOW WHY

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harold mabern(p), nat reeves(b), joe farnsworth(ds)
2003/Venus/

1 Edward Lee
2 Dance With Me
3 My Favorite Things
4 Don't Know Why
5 Dreamy
6 Cabu
7 The Surrey With The Fringe On Top
8 Nightlife In Tokyo
9 Blues For David
10 My Shining Hour

ハロルド・メイバーンも今年の9月に83歳で亡くなってしまいました。
メイバーンは1936年生まれ、テネシー州のメンフィス出身、キャリアはシカゴからスタートしています。
現代のシカゴ・ジャズの大御所でエリック・アレキサンダー(ts)などの父親的存在であるのはよく知られています。
何度かライブでも見ていますがそのパワフルでエネルギッシュなピアノ奏法は強烈な印象を残しました。
「この年で何でここまで元気なんだ?」・・・まさに鉄人、まだまだ元気に活躍できると信じていた。
最後のアルバムの題名が「The Iron Man / Live At Smoke」(2018)だったのは言い得て妙だと思いました。

1960年代は主流派のジャズ・ピアニストとして輝かしいキャリアを残しています。
アート・ファーマー(tp)、ローランド・カーク(sax)、リー・モーガン(tp)、ウェス・モンゴメリー(g)、フレディ・ハバード(tp)等々。
加えて最初のレコーディングがジミー・ホレスト(ts)ということでソウル・ジャズのくくりもあります。
スタイル的にはマッコイ・タイナー(p)に一番近いと思っています。
タッチが強烈なだけに情緒的にはやや欠けるところがあるけど聴いているうちに元気がもらえるのも確かです。
そして実はピアノを転がせる凄いテクニシャンでジャズ・ピアニスト界における名手の一人とも言えます。

(中間系)



*HAROLD MABERN TRIO / KISS OF FIRE

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harold mabern(p), nat reeves(b), joe farnsworth(ds)
eric alexander(ts)(1,3,7,10)
2002/VENUS REC/

ハロルド・メイバーン・トリオにエリック・アレキサンダー(ts)をゲストに迎えての作品です。
この二人にジョー・ファーンズワーズ(ds)は付き合いも長いので気心は十分に知れています。
私としてはちょっと食傷気味でしたがここではいい感じで共演出来ていると思いました。
ラテン、ボサノバ系の曲を中心に選曲して全10曲、うち4曲がカルテットでの演奏です。
トリオとの比較で6:4ですから構成もちょうど良い按配になっています。
メイバーンの出来も良くファーンズワーズのけれん味のないプレイも好感がもてます。
全体的に甘さ控え目で聴き応えも十分、ぐっと引き込まれてしまう一枚です。
それにしてもアレキサンダーのボサノバ表現は面白いですね。
ここでも直球一本槍を通しています。
ちょうどエリック・アレキサンダーが2枚続きましたが私の評価はこちらの方が高いです。

「How Insensitive」、「Nancy」、「Bag's Groove」、「Blue Bossa」、
「Black Orpheus」、「Reccardo」、「Kiss Of Fire」

[ Swing Journal : ゴールド・ディスク ]

(まじめ系)

Harold Danko (p) [H (piano)]

*HAROLD DANKO TRIO / TRILIX

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harold danko(p), michael formanek(b), jeff hirshfield(ds)
2004/Steeplechase/

ここまで聴いてきて気が付いたけどハロルド・ダンコは一般的なスタンダードは収録していません。
全てジャズ・メンの作曲になるもの演奏しています。
なるほど、こういうやり方もあるか、と思いました。
ここではデューク・ジョーダン(p)、トニー・ウィリアムス(ds)、リッチー・バイラーク(p)、
ビリー・ストレイホーン(p)、セロニアス・モンク(p)、チック・コリア(p)、
ボビー・ティモンズ(p)、フレディ・レッドなど。

「Flight To Jordan」、「Monk's Dream」、etc



*HAROLD DANKO TRIO / FANTASY EXIT

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harold danko(p), michael formanck(b), jeff hirshfield(ds)
2002/STEEPLECHASE/

先日のテッド・ブラウン(ts)盤にも参加しているハロルド・ダンコ(p)の作品です。
全9曲、オリジナルは2曲です。
ジャズ・ジャイアンツの曲を取り上げていてこれは面白い試みだと思いました。
クールで洗練されたイメージを持つダンコがランディ・ウェストン(p)やジャッキー・バイアード(p)という
一癖あるピアニストの作品をどう料理するか、興味深いものがあります。
その他、メル・トーメ(vo)、ジェリー・マリガン(bs)、ラッキー・トンプソン(ts)、ジョー・ヘンダーソン(ts)など。
さすがにベテランの味、あっさりと仕上げていてそのプレイには安定感がありました。
チェット・ベイカー(tp)の来日時のピアニストもダンコでした。

「Hi Fly」、「Born To Be Blue」、「Rocker」、etc

(中間系)



*HAROLD DANKO QUARTET / STABLE MATES

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harold danko(p),
rich perry(ts), scott colly(b), jeff hirshfield(ds)
1998/Steeplechase/

今作は↓の作品と同メンバーですがジャズ名曲を集めたスタンダード集です。
ディジー・ガレスピー(tp)、サド・ジョーンズ(tp)、チック・コリア(p)、ジミー・ヒース(ts)、
ハービー・ハンコック(p)、マイルス・デイビス(tp)、ヴィクター・フェルドマン(vib)、
チャールス・ミンガス(b)、ジェリー・マリガン(bs)、ベニー・ゴルソン(ts)など。
ジワリと染み入るクールな演奏です。

「Con Alma」、「Dolphin Dance」、「Solar」、
「Seven Steps To Heaven」、「Stablemates」、etc



*HAROLD DANKO QUARTET / NEXT AGE

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harold danko(p),
rich perry(ts), scott colly(b), jeff hirshfield(ds)
1994/Steeplechase/

ハロルド・ダンコはアメリカ生まれですがヨーロッパ系の繊細で静謐なピアノを弾きます。
チェット・ベイカー(tp)との共演が知られていますね。
今作は全て自身のオリジナルの意欲作です。
リッチ・ペリーのテナー・プレイも聴きどころになりました。

Hank Jones (p) [H (piano)]

*THE GREAT JAZZ TRIO HANK JONES / STELLA BY STARLIGHT

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hank jones(p), john patitucci(b), omar hakim(ds)
special guest sadao watanabe(as)(2,3,6,8)
2006/VILLAGE MUSIC eighty-eight's/

1 Sweet Georgia Brown
2 Stella By Starlight
3 Old Folks
4 Song For My Father
5 In A Mellow Tone
6 I'm Old Fashioned
7 I'll Remember April
8 Deep In A Dream
9 Scrapple From The Apple
10 Travelin' Light

これはベスト3にも挙がった1枚です。
2006年の「東京JAZZ」フェスティバルでこのGJTと渡辺貞夫さんは共演したそうです。
評判は上々、それが今回の共演のリハーサルだったのだと思います。
GJTと渡辺さんの共演はこれが3枚目だそうですが、最初の「I'M OLD FASHIONED」は
「今週のジャケット」で紹介したことがありました。
初代GJT(ザ・グレイト・ジャズ・トリオ)のメンバーはロン・カーター(b)とトニー・ウイリアムス(ds)です。
ハンク・ジョーンズは88歳、メンバーの選び方を見ているとまだまだ枯れていませんね。
何より私はジョン・パティトゥッチ(b)、オマー・ハキム(ds)のバックのメンバーに興味を惹かれました。
ジョンはともかくオマーはどうなんだろうか?と・・・。
結果は吉、月並みですが、やはり刺激的という表現が一番合っているんでしょうね。
両者の競演はスリル満点でハンク・ジョーンズの意欲は十分に買いたいです。
トリオにおけるハキムのドラムはピアニストの新しい一面を演出していると思います。
思えばエバンス系のドン・フリードマンとの相性も案外良かったです。
カルテットではより生き生き、4曲に参加した渡辺さんもリラックスした演奏を繰り広げています。
(3)「OLD FOLKS」はしんみりと心に沁みました。
ジャズ界の怪物はこのハンク・ジョーンズとロイ・ヘインズ(ds)の二人ですね。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



*HANK JONES & FRANK WESS QUINTET / HANK & FRANK

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hank jones(p), frank wess(ts,fl)
micky roker(ds), john webber(b), ilya lushtak(g)
2006/LINEAGE RECORDS/

1 You Made A Good Move
2 The Very Thought Of You
3 Just One Of Those Things
4 Autumn Serenade
5 Sara's Song
6 Something Went Wrong
7 A Hankerin'
8 Barbados
9 All Or Nothing At All

ジャズ界の生き字引的存在のハンク・ジョーンズとフランク・ウエスの共演盤です。
先日のルイス・ナッシュ・ジャズ・オールスターズのライブ会場で購入しました。
録音時の2003年はハンクは85歳、ウエスは81歳なのにこれだけの演奏を聴かせるのは驚異的です。
さすがにベテランの枯れた味わい、安定感は十分で安心して聴いていられます。
長時間聴いていても疲れないのがいいです。
まさに究極の癒しのくつろぎ系ジャズがここにはあります。
ちなみにこのCDはウエスがわざわざアメリカから持ってきたそうです。
大ベテランは商売熱心、ここいらへんにもソツがありませんね。(^_^)
敬意を表しての「ドラ流・・・」入りです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)



*HANK JONES GREAT JAZZ QUINTET / MINORITY ANYONE

satoru oda(ts), slide hampton(tb),
hank jones(p), andy mckee(b), lewis nash(ds)
1995/Sony/

ハンク・ジョーンズのグレイト・ジャズ・クインテットによるスタンダード作品集です。
フロント2管は尾田悟(ts)とスライド・ハンプトン(tb)。

「On Green Dolphin Street」、「Cotton Tail」、「St.Thomas」、「Indian Summer」、
「All The Things You Are」、「Softly As In A Morning Sunrise」、「Love For Sale」



*Kenny Drew & Hank Jones Great Jazz Trio / New York Stories

kenny drew(p), hank jones(p)
mads vinding(b), billy hart(ds)
1989/Alfa Records/

ケニー・ドリューとハンク・ジョーンズの共演企画盤。



*HANK JONES GREAT JAZZ TRIO / GREAT SRANDARDS Vol. 2

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hank jones(p), mads vinding(b), billy hart(ds)
1988/Alfa/

ハンク・ジョーンズのグレイト・ジャズ・トリオによるスタンダード作品集です。

「Angel Eyes」、「Autumn Leaves」、「Black Orpheus」、「Gone With The Wind」、
「Over The Rainbow」、「Softly As In A Morning Sunrise」、「Misty」、
「On Green Dolphin Street」、「Alone Together」、「Dark Eyes」

Hal Galper (p) [H (piano)]

*HAL GALPER TRIO / FURIOUS RUBATO

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hal galper(p), jeff johnson(b), john bishop(ds)
2007/ORIGIN RECORDS/

1 Milestones
2 Valse Cool
3 Zen
4 Figurine
5 Chromatic Fantasy
6 Naima
7 Miles Ahead
8 Other Days

ベテラン・ジャズ・ピアニストのハル・ギャルパーはさすがに一筋縄ではいきません。
サム・リバース(ts)、チェット・ベイカー(tp)、キャノンボール・アダレイ(as)、
リー・コニッツ(as)、フィル・ウッズ(as)等々とそのキャリアをたどれば一目瞭然です。
みなさんがよくご存知の「MILESTONES」、「NAIMA」、「MILES AHEAD」の原曲のイメージはほとんどありません。
ギャルパー流に演奏するとこうなる・・・それだけギャルパーの解釈と展開がユニークだと言えます。
単純ではないだけに誰でもにお勧めするとはいきませんが個性的なピアノ・トリオならここにあります。
好きな人にはたまらないでしょう。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)

Hakuei Kim ハクエイ・キム (p) [H (piano)]

*HAKUEI KIM TRIO / TRISONIGUE

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ハクエイ・キム(P)、杉本智和(b)、大槻"KALTA"英宣(ds)
2011/Area Azzurr/

1 Trisonique
2 Kuala Lumpur
3 White Forest
4 You Must Bilieve In Spring
5 Bird Food
6 Delayed Resolution
7 Hidden Land
8 Take Five
9 The Archeologggist

キム・ハクエイさんは最近の一般新聞紙上で最も話題になったジャズ・ピアニストです。
今作はメジャー・デビュー盤ということで取り上げられました。
もちろん、イケメンということも大いに関係していると思います。
女性の人気が上がるかな・・・ジャズ界が話題になることは嬉しいです。

評判も上々のようなので聴いてみたいと思いました。
自身のオリジナル6曲とスタンダード他が3曲の構成になっています。
ここで私は後者の3曲に注目しました。
オーネット・コールマン(as)の(5)「BIRD FOOD」は面白かったです。
ベース・ソロから始まってピアノ・ソロまで実に見事な展開になっています。
(8)「TAKE FIVE」もユニークで、こんな演奏を聴いた覚えはありません。
オリジナルでは最もストレートな感じの(3)「WHITE FOREST」に注目しました。
バラードはいまひとつ切れ味が欲しい気がしますが・・・。

ハクエイさんは強力な右手を持っています。
引っかくような動きとシングルトーンの響きが大きな個性と特徴です。
弾き過ぎずにクリアな音が出てきています。
これに左手の動きが加味されたらどういうことになるのか・・・大いに楽しみにしています。
杉本智和(b)さんはケイ・赤城・トリオや綾戸智絵さんでお馴染みの売れっ子ベーシストの一人。
大槻"KALTA"英宣(ds)さんは幅広い音楽性で精力的に活動中、多彩な才能の持ち主です。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



*HAKUEI KIM TRIO / SHADOW OF TIME

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hakuei kim(p), ben waples(b), dave goodman(ds)
2007/DIW/

1 Loud Zee
2 Elsa
3 Holy Land
4 Time On My Hands
5 Dona Dona
6 A Hundred years From Today
7 Lady Bird
8 In The Wee Small Hours Of The Morning

キム・ハクエイ(p)さんの3枚目のリーダー・アルバムです。
このあとメジャー・レーベルに移ることになるので今作がそのキッカケになりました。
それだけ個性が際立った作品だと思います。
選曲も凝っていてハクエイさんの独自性を感じることができました。
私は(1)「LOUD ZEE」を聴いただけでぶっ飛びました。
その他の曲の内容も素晴らしい・・・多彩な表現力が魅力・・・録音もいいです。
ハクエイさんの代表作になり得る1枚です。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)

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